公的債務のサステナビリティに関する紀要論文を書き上げる
紀要論文 "An Essay on Public Debt Sustainability: Why Japanese Government Does Not Go Bankrupt?" を書き上げて提出しておきました。章構成は以下の通りです。
- 1
- Introduction
- 2
- Overview of Discussion on Public Debt Sustainability
- 3
- Method ology for Public Debt Sustainability Test Using Time s eries Data
- 4
- Exceptional Two Cases for Public Debt Sustainability
- 5
- Why Japanese Government Doe s Not G o B ankrupt?
- 6
- Conclusion
結論としては、やや強引ながら、以下の2点を強調しています。
Conclusion
- public debt sustainability in Japan has been supported by difference between interest rate and growth and the primary surplus but mainly by the former
- public debt sustainability can be analyzed adopting the mainstream economics
要するに、(1) 日本の公的債務は、利子率と成長率の差、及び、基礎的財政収支=プライマリー・バランスの両方によって維持されているが、主要には前者である、加えて、(2) 公的債務のサステイナビリティは現代貨幣理論(MMT)のような異端的な経済学を援用せずとも、主流派経済学で分析可能である、ということになります。特に、第1の点については、マイナカードの保険証との紐づけなどとともに、現岸田内閣が強力に基礎的財政収支の黒字化を経済政策のひとつの目標に推しているだけに、批判的観点から取り上げています。まあ、英文で書きましたし、一応、学術論文なもので、さらに詳しい解説はムリがあります。
現在の勤務校では、実に不熱心にも、毎年夏休みに1本だけ紀要論文を書くことを目標にしています。それも、理論モデルの解析と計量経済学を応用した実証分析を1年ごとに取り上げています。今年は理論モデル解析の年だったりします。10年余り前に長崎大学に現役出向した際には、出向の2年間で紀要に掲載された公刊論文だけでも15本くらい書いて、その後の再就職に備えていたのですが、私は来年にはもう一度定年を迎えますし、もう、研究成果はそれほど必要ないという合理的判断で研究には手を抜いています。
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