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2023年8月 7日 (月)

改善を続ける6月の景気動向指数はどこまで持続するか?

本日、内閣府から6月の景気動向指数公表されています。統計のヘッドラインを見ると、CI先行指数が前月から▲0.2ポイント下降の108.9を示した一方で、CI一致指数は0.9ポイント上昇の115.2を記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を時事通信のサイトから引用すると以下の通りです。

景気動向指数、0.9ポイント上昇 6月
内閣府が7日発表した6月の景気動向指数(2020年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比0.9ポイント上昇し、3カ月連続で改善した。基調判断は「改善を示している」に据え置いた。

とてもシンプルに取りまとめられている印象です。続いて、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

photo

6月統計のCI一致指数については、3か月連続の上昇であり、3か月後方移動平均は5か月連続、7か月後方移動平均でも2か月連続の上昇ですので、統計作成官庁である内閣府が基調判断を「改善」で据え置いています。ただし、先月の速報時点ではCI一致指数が▲0.4ポイントの下降でしたので、私は先月5月統計公表の際のこのブログでホントに改善でいいのだろうかと疑問を示し、いつ景気後退局面に入ってもおかしくないとコメントしました。その5月のCI一致指数は前月から速報男系の▲0.4ポイントの下降から、先月末の確報で+0.1ポイントの上昇に修正されています。5月統計のCI一致指数がプラスなのであれば問題はないのでしょうが、速報から確報に修正されるとに符号が変わるというのも統計の信頼性からして、ややどうかなという疑問は感じます。もっとも、CI先行指数を見る限り下降が続いている印象ですから、このブログで何度も繰り返しますが、我が国の景気回復・拡大は局面の後半に入っていると考えるべきです。ただし、来週公表予定の4~6月期GDP統計速報1次QEでは明らかにプラス成長となるか蓋然性が高いと私は考えており、まだ今年年央くらいの段階では景気後退には入らないのかもしれません。
ということで、CI一致指数を構成する系列を詳しく見ると、プラスの寄与が大きい順に、鉱工業用生産財出荷指数+0.44ポイント、輸出数量指数+0.42ポイント、生産指数(鉱工業)+0.37ポイント、耐久消費財出荷指数+0.07ポイント、などとなっており、逆に、マイナス寄与が大きい系列は、商業販売額(卸売業)(前年同月比)▲0.28ポイント、有効求人倍率(除学卒)▲0.13ポイント、などが上げられます。景気の先行きについては、国内のインフレや円安の景気への影響などの国内要因はについては中立的、少なくとも、大きなマイナス要因とは考えていませんが、海外要因については、インバウンドを別にすれば、先進各国がインフレ対応のために金融政策が引締めを継続していてややマイナスかもしれない、と考えています。ただ、少し前までは米国などは景気後退局面入りがほぼほぼ確実と考えていましたが、ひょっとしたらソフトランディングも十分可能、というふうに上方修正して考えていたりします。

少し前までは、ひょっとしたら、昨年2022年10~12月期を山として、我が国は景気後退局面に入っているのではないか、とすら考えていたのですが、今年2023年4~6月期に長らく入院して情報に接する機会が少なく、今ではかなり判断を変更しています。ケインズ卿の次の言葉を引用しておきたいと思います。
"When the facts change, I change my mind - what do you do, sir?"

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