« 10月から始まったインボイスへの対応やいかに? | トップページ | +2%超の上昇続く9月の企業向けサービス価格指数(SPPI)をどう見るか? »

2023年10月25日 (水)

リクルートによる9月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給やいかに?

来週火曜日10月31日の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートによる9月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の調査結果を取り上げておきたいと思います。参照しているリポートは以下の通りです。計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、以下の出典に直接当たって引用するようお願いします。

photo

いつものグラフは上の通りです。アルバイト・パートの募集時平均時給の方は、前年同月比で見て、今年2023年に入って1月には+2.9%増の伸びを示していましたが、8月+1.9%増に続いて9月も+1.8%増にとどまり、2か月連続で+2%割れとなっています。+3%近い消費者物価指数(CPI)の上昇率には追いついておらず、実質賃金はマイナスと想像されますので、もう一弾の伸びを期待してしまいます。でも、時給の水準を見れば、一昨年2021年年央からコンスタントに1,100円を上回る水準が続いており、かなり堅調な動きを示しています。他方、派遣スタッフ募集時平均時給の方も9月には+1.4%増と8月の+2.4%増から大きく伸びを縮小させています。
まず、三大都市圏全体のアルバイト・パートの平均時給の前年同月比上昇率は、繰り返しになりますが、9月には前年同月より1.8%、前年同月よりも+20円増加の1,161円を記録しています。職種別では、「フード系」(+49円、+4.6%)、「販売・サービス系」(+41円、+3.8%)、「製造・物流・清掃系」(+27円、+2.4%)で上昇を示した一方で、「事務系」(▲3円、▲0.2%)、「専門職系」(▲34円、▲2.5%)、「営業系」(▲85円、▲6.6%)、では減少しています。なお、地域別では関東・東海・関西のすべての三大都市圏で前年同月比プラスとなっています。
続いて、三大都市圏全体の派遣スタッフの平均時給は、9月には前年同月より+1.4%、+23円増加の1,635円になりました。職種別では、「IT・技術系」(+83円、+3.8%)、「製造・物流・清掃系」(+47円、+3.5%)、「営業・販売・サービス系」(+39円、+2.7%)、「オフィスワーク系」(+28円、+1.9%)、「クリエイティブ系」(+17円、+0.9%)、「医療介護・教育系」(+11円、+0.8%)、とすべてプラスとなっています。「製造・物流・清掃系」で過去最高額を更新しており、半導体不足などの供給制約が緩和された自動車などの製造スタッフや、半導体エンジニアなど関連職種のニーズが増加しているようです。なお、地域別でも関東・東海・関西のすべての三大都市圏でプラスとなっています。

アルバイト・パートや派遣スタッフなどの非正規雇用は、従来から、低賃金労働とともに「雇用の調整弁」のような不安定な役回りを演じてきましたが、ジワジワと募集時平均時給の伸びが縮小しています。我が国景気も回復・拡大局面の後半に差しかかり、雇用の今後の動向が気がかりになり始めるタイミングかもしれません。

|

« 10月から始まったインボイスへの対応やいかに? | トップページ | +2%超の上昇続く9月の企業向けサービス価格指数(SPPI)をどう見るか? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 10月から始まったインボイスへの対応やいかに? | トップページ | +2%超の上昇続く9月の企業向けサービス価格指数(SPPI)をどう見るか? »