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2023年11月 3日 (金)

ビミョーな段階に差しかかる10月の米国雇用統計をどう見るか?

日本時間の今夜、米国労働省から10月の米国雇用統計が公表されています。統計のヘッドラインを見ると、非農業部門雇用者数の前月差は本日公表の10月統計では+150千人増となり、失業率は前月から+0.1%ポイント上昇して3.9%を記録しています。まず、USA Today のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事をやや長めに最初の7パラ引用すると以下の通りです。

The economy added 150,000 jobs in October as hiring slowed, report shows
Hiring slowed sharply in October as employers added 150,000 jobs, signaling that high interest rates and inflation may be taking a widening toll on payroll growth.
The auto workers strike also dampened job gains last month as manufacturing lost 35,000 jobs.
The unemployment rate rose from 3.8% to 3.9%, the Labor Department said Friday, the highest level since January 2022.
Economists surveyed by Bloomberg had estimated that 180,000 jobs were added last month.
Also, job gains for August and September were revised down by a combined 101,000, depicting a less robust picture of hiring in late summer than previously thought.
Average hourly earnings rose 7 cents to $34, nudging down the yearly increase to 4.1% from 4.2%. That should be welcomed by a Federal Reserve seeking to tamp down pay increases that are feeding into inflation. Fed officials would like to see wage growth ease to 3.5% to align with their 2% overall inflation goal. Wage growth topped 5% last year amid severe COVID-related labor shortages.
Investors cheered the report in pre-market trading on the hope that milder pay increases and a cooling job market would allow the Fed to continue to hold its key interest rate steady after hiking it aggressively since from March 2022 to July 2023. Dow Jones industrial average futures were up 116 points to 34,000 and the S&P 500 index rose 0.35%.

よく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルでは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門を、さらに、下は失業率をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。NBERでは2020年2月を米国景気の山、2020年4月を谷、とそれぞれ認定しています。ともかく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが広がった2020年4月からの雇用統計は、やたらと大きな変動があって縦軸のスケールを変更したため、わけの判らないグラフになって、その前の動向が見えにくくなっています。少し見やすくしたんですが、それでもまだ判りにくさが残っています。

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ということで、引用した記事の4パラめにあるように、米国非農業部門雇用者の増加についてBloombergでは市場の事前コンセンサスを+180千人増くらいと見込んでいただけに、実績の+150千人増はやや下振れした印象です。ひとつの節目と見られている+200千人増を下回っていますし、直近の統計で、雇用者数の伸びは8月が+227千人増から+165千人増に、9月も+336千人増から+297千人増に、それぞれ下方修正されました。ただし、依然として3%台を維持している失業率は歴史的に低い水準を続けているわけですので、米国労働市場がビミョーな段階に入った、と私は考えています。連邦準備制度理事会(FED)の見方もご同様のようで、広く報じられている通り、一昨日の11月1日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)では2会合連続の金利据置きを決めています。他方で、これも広く報じられている通り、全米自動車労組(UAW)は9月末30日、ゼネラル・モーターズ(GM)と暫定合意に達し、フォードなどとともに労働組合が高い賃上げを勝ち取っています。人手不足に起因する賃上げが続きつつも、金融引締めにより労働需要がスローダウンしていて、インフレ率は着実に低下しています。FEDの金融政策はしばらく様子見なのでしょうか?

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