« 赤字を計上した10月の貿易統計と足踏み続く9月の機械受注をどう見るか? | トップページ | 今週の読書は一風変わった価格形成に関する学術書をはじめとして計6冊 »

2023年11月17日 (金)

今年の年末ボーナス予想やいかに?

今月11月に入って、例年のシンクタンク4社から2023年年末ボーナスの予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると以下のテーブルの通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、公務員のボーナスは制度的な要因で決まりますので、景気に敏感な民間ボーナスに関するものが中心です。加えて、ボーナス予想だけではなく、できる限り、消費との関連を記述した部分を拾おうとしています。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、あるいは、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブでリポートが読めるかもしれません。なお、「公務員」区分について、みずほリサーチ&テクノロジーズのみ国家公務員+地方公務員であり、日本総研と三菱リサーチ&コンサルティングでは国家公務員ベースの予想、と明記してあります。第一生命経済研ではそもそも公務員は予想の対象外です。

機関名民間企業
(伸び率)
公務員
(伸び率)
ヘッドライン
日本総研40.2万円
(+2.4%)
67.2万円
(+3.1%)
今冬の賞与は3年連続の増加を予想。民間企業の支給総額は前年比+3.7%の増加となる見込み。支給対象者が増加することに加え、一人当たり支給額も同+2.4%と増加。
背景には、賞与支給の原資となる2023年度上期の企業収益の改善。4~6月期の経常利益は、全産業で26.9兆円(前期比+9.5%)と過去最高水準。製造業では、円安を背景に、海外子会社からの受取利息など営業外収益が増加。非製造業では、好調なインバウンド需要や国内家計のサービス消費の増加などを受け、サービス関連業種を中心に改善。
みずほリサーチ&テクノロジーズ40.3万円
(+2.5%)
76.5万円
(+4.2%)
2023年冬の民間企業の一人当たりボーナスは前年比+2.5%と、3年連続の増加を予想。2023年春闘での近年にない高い水準での賃上げや労働需給の引き締まりを背景に、所定内給与が増加
価格転嫁の進展にともない企業の経常利益は増益を維持。これを受けて、支給月数は若干増加すると予想。2023年冬のボーナスは増加も、伸びは昨冬と比べ鈍化する見通し
民間・公務員合わせたボーナス支給総額は前年比+2.8%と増加する見込み。実質ベースでは夏に比べてマイナス幅が縮小し、個人消費の緩やかな回復を支える要因となろう
三菱UFJリサーチ&コンサルティング40.1万円
(+2.2%)
67.0万円
(+2.8%)
一人当たり支給額と支給労働者数の増加を受け、ボーナスの支給総額は17.5兆円(前年比+3.8%)と3年連続で増加しよう。支給総額の増加率は物価上昇率を上回り、個人消費の回復を後押しすることが期待される。
第一生命経済研n.a.
(+2.1%)
n.a.今冬のボーナスで増加が予想されることは好材料ではあるが、物価上昇が続いていることが引き続き個人消費の頭を押さえる。23年9月の消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は前年比+3.6%と非常に高い伸びが続いており、年末時点でも+3%台で推移している可能性がある。賃金の増加ペースが物価上昇に追い付かない状況には変わりがない。今冬のボーナス増加が個人消費の活性化に繋がる可能性は低いだろう。

見れば明らかな通り、民間企業では+2%強の伸びで40万円を少し上回るくらいの支給額の予想が中心となっています。増えるであろうボーナスが消費にどこまでインパクトを持つかが注目なのですが、大雑把に、第一生命経済研究所ではボーナスの伸びが物価上昇に追いつかないので消費の活性化につながる可能性を低いと見ているのに対して、逆に、みずほリサーチ&テクノロジーズや三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは消費の回復を支える、ないし、後押しする、と評価しています。三菱UFJリサーチ&コンサルティングではボーナスの伸びが物価上昇を上回ると見ているので、ボーナスと物価の関係は第一生命経済研究所と逆ですから、ボーナスと消費についても逆の関係を想定するのは当然といえます。ただ、消費をサポートすると見ているみずほリサーチ&テクノロジーズや三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは、第一生命経済研究所のように1人当たりボーナスの伸びと物価上昇を単純に比較するのではなく、1人当たり支給額の伸びに支給対象労働者の増加を考慮したボーナス支給総額に着目して消費に対するインパクトを考えているので、支給対象者が増加する今冬ではボーナスが消費に対してより大きなインパクトを持つ、という結論なのではないか、と想像しています。支給総額の伸びの予想を見ると、日本総研では+3.7%、みずほリサーチ&テクノロジーズでは+2.8%、三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは+3.8%、とそれぞれ見込んでおり、みずほリサーチ&テクノロジーズの場合はボーナス支給総額の伸びと物価上昇の大小関係がビミョーなのですが、日本総研と三菱UFJリサーチ&コンサルティングの予想は物価上昇を上回りそうに見えます。いずれにせよ、平たくいえば、そこそこボーナスも増えると見られ、消費を下支えする効果を私は期待しています。
最後に、下のグラフは日本総研のリポートから 賞与の支給総額 引用しています。

photo

|

« 赤字を計上した10月の貿易統計と足踏み続く9月の機械受注をどう見るか? | トップページ | 今週の読書は一風変わった価格形成に関する学術書をはじめとして計6冊 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 赤字を計上した10月の貿易統計と足踏み続く9月の機械受注をどう見るか? | トップページ | 今週の読書は一風変わった価格形成に関する学術書をはじめとして計6冊 »