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2024年1月24日 (水)

12月の貿易統計は3か月ぶりの黒字を記録

本日、財務省から昨年2023年12月の貿易統計が公表されています。統計のヘッドラインを季節調整していない原系列で見ると、輸出額が前年同月比+9.8%増の9兆6482億円に対して、輸入額は▲6.8%減の9兆5861億円、差引き貿易収支は+621億円の黒字を記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

23年輸出額が過去最高、初の100兆円超 赤字は半減
財務省が24日発表した2023年の貿易統計速報によると、自動車の輸出が好調で輸出額が初めて100兆円を超え、過去最高となった。資源高の一服で輸入額は減った。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は9兆2913億円の赤字だった。
貿易赤字は3年連続だが、22年比で54.3%縮小した。22年の貿易赤字は資源高と円安の影響で20兆3295億円と、比較可能な1979年以降で最大の赤字だった。
23年の輸出額は22年比2.8%増の100兆8865億円で過去最高となった。半導体不足の解消で自動車の輸出額が17兆2652億円と32.7%伸びた。
輸入額は7%減の110兆1779億円だった。原油や液化天然ガス(LNG)などの輸入額が減った。これら鉱物性燃料の輸入額は18.9%減の27兆3182億円となった。
原油の輸入価格は1キロリットルあたり7万6478円で9.7%下がった。為替レートは年平均で1ドル=140.17円で、7.2%の円安だった。
地域別では米国向け輸出額が11%増の20兆2668億円で過去最高だった。19年から4年ぶりに中国を抜き、国別として最大の輸出先となった。自動車の輸出額が35.5%増えた。
貿易指数(20年=100)は世界全体への輸出数量指数は3.9%下がり、金額指数は2.8%上がった。米国はそれぞれ4.5%、11%の上昇だった。
23年12月単月の貿易収支は621億円の黒字だった。黒字は3カ月ぶり。自動車の輸出が好調だったほか、石炭やLNGの輸入額が減った。

どうしても年統計の方の記述が多くて、やたらと長くなってしまいましたが、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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まず、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、�円超の貿易赤字が見込まれていて、予測レンジの上限が+1000億円近い黒字でしたので、レンジの範囲内で大きなサプライズはありませんでした。季節調整していない原系列の統計で見ても、季節調整済みの系列で見ても、グラフから明らかな通り、輸出額が伸びていないわけではなのですが、それよりも輸入額の減少が貿易赤字縮小の大きな原因です。3か月ぶりの黒字だと報じられていますが、いずれにせよ、私の主張は従来から変わりなく、貿易収支が赤字であれ黒字であれ、輸入は国内生産や消費などのために必要なだけ輸入すればよく、貿易収支や経常収支の赤字と黒字は何ら悲観する必要はない、と考えています。ただ、私の知る限り、少なくないエコノミストは貿易赤字は縮小、ないし、黒字化に向かうと考えている可能性が十分あります。
12月の貿易統計について、季節調整していない原系列の前年同月比により品目別に少し詳しく見ておくと、まず、輸入については、原油及び粗油や液化天然ガス(LNG)の輸入額が減少しています。ただ、減少幅は小さくなってきています。すなわち、原油及び粗油は数量ベースで▲5.2%減、金額ベースで▲4.1%減となっています。数量ベースと金額ベースで大きな差がないというわけですから、価格低下に歯止めがかかりつつあると考えるべきです。LNGは原油からの代替が進んだこともあって、数量ベースでは+7.2%増、金額ベースでも+6.8%増となっています。また、ある意味で、エネルギーよりも注目されている食料について、穀物類は数量ベースのトン数では▲0.8%減となっている一方で、金額ベースでは▲11.7%減と単価が低下を始めていることがうかがえます。輸出に目を転ずると、輸送用機器の中の自動車は季節調整していない原系列の前年同月比で数量ベースの輸出台数は+20.2%増、金額ベースでも+18.3%増と大きく伸びています。半導体部品などの供給制約の緩和による生産の回復が寄与しています。自動車や輸送機械を別にすれば、一般機械+18.7%増、電気機器+5.1%増と、自動車以外の我が国リーディング・インダストリーも輸出額を伸ばしています。ただし、こういった我が国の一般機械や電気機械の輸出はソフトランディングに向かっている米国をはじめとする先進各国経済とともに、中国向け輸出額の回復も寄与していると考えられます。すなわち、例えば、北米向け輸出額は前年同月比で20.2%増、西欧向けも+13.9%増と伸びている一方で、中国向けも+9.6%増と回復の兆しを見せています。12月単月の統計ながら、北米向け輸出が2.3兆円、西欧向けが1.1兆円に対して、中国向け輸出は1.8兆円に達していますし、中国も最悪期を脱しつつあるのかもしれません。

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