能登半島地震の企業活動への影響やいかに?
あらためまして、能登半島地震で亡くなられた方々には謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々のは心よりお見舞い申し上げます。
この地震に関して、経済的にはどのくらいの影響があるかというファーストショットの調査結果が、帝国データバンクから1月5日に「能登半島地震関連調査」として明らかにされています。なお、東京商工リサーチでも、同じ日付で「能登半島地震被災地企業調査」として取りまとめられています。帝国データバンクの方が半島振興法に基づく能登半島に本社を置く企業を調査対象としているのに対して、東京商工リサーチの方は国土交通省が公表した「土砂災害警戒情報基準」の暫定基準を設けた4県の27市6町1村に本社を置く企業を対象としています。東京商工リサーチの調査結果の方が広域に渡っており、従って、いろんな数字が大きくなります。どちらがより適当は鍵論の分かれるところですが、私のこのブログでは帝国データバンクの調査を取り上げたいと思います。まず、帝国データバンクのサイトから調査結果の概要を3点引用すると以下の通りです。
調査結果
- 能登地方に本社を置く企業、計4075社 最多は「七尾市」の705社
- 売上高の合計は1兆3018億円、従業員数は合計4万9728人
- 業種別では「建設業」が最多 「サービス業」「製造業」が次いで多い
ということで、帝国データバンクのリポートから図表を引用しつつ簡単に取り上げておきます。
まず、リポートから 「能登地方」の企業数 の地図を引用すると上の通りです。企業数の多い市町村順で、七尾市705社、氷見市596社、かほく市498社、津幡町344社、輪島市315社、などとなっています。交通事情などにより、私はどの地域が地震被害が大きいのか十分な情報がありませんが、能登半島北部の輪島市や珠洲市の方に活断層が走っているという報道も見かけましたし、まだ余震が続いている中で、被害が大きくならないように願っています。
続いて、リポートから 「能登地方」企業の業種別社数 のグラフを引用すると上の通りです。地方部ですので、どうしても建設業の比率が高くなっているように見えます。ただし、より広域を調査対象とする東京商工リサーチの調査結果では、建設業は企業数で18.98%、売上高では11.70%との結果が示されており、売上高のシェアが企業数のシェアよりも小さいわけですから、規模の小さな建設業者が多い印象を持ちます。同じ東京商工リサーチの調査結果では、売上高に占める製造業の比率が22.18%と帝国データバンクのリポートにある企業数よりも大きなシェアを示していて、サプライチェーンへの影響も懸念されるところです。
いずれにせよ、現地では政府や自治体の援助が行き届かず、生存すら脅かさかねない状況の中で、時事通信などの報道によれば、まるで被災地の実態の隠蔽を目的とするがごとき被災地視察の自粛が与野党6党で合意されています。こういった政府・自治体や国会の動きの鈍さを考えると、経済情報なりとも現地に関する情報が少しでも明らかにされるのは貴重なのかもしれません。
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