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2024年1月26日 (金)

2023年12月の企業向けサービス価格指数(SPPI)は+2%超の伸びが続く

本日、日銀から昨年2023年12月の企業向けサービス価格指数 (SPPI)が公表されています。ヘッドラインSPPIの前年同月比上昇率は前月と同じ+2.4%を記録し、変動の大きな国際運輸を除くコアSPPIについては前月から伸びが縮小して+2.3%の上昇を示しています。まず、日経新聞のサイトから各統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

企業向けサービス価格、12月2.4%上昇 宿泊関連が上昇
日銀が26日発表した2023年12月の企業向けサービス価格指数(2015年平均=100)は110.4と、前年同月比2.4%上昇した。11月から横ばいで、15年3月(3.1%上昇)以来の伸びが続いた。人流回復で宿泊サービスの価格が押し上げられたほか、土木建築サービスなどの分野で人件費上昇を反映する動きもみられた。
同日公表した23年通年の指数は109.1と前年比2.0%上昇し、14年(2.6%上昇)以来の高い伸び率となった。消費税増税の影響を除けば1991年以来32年ぶりの高さだった。
企業向けサービス価格指数は、企業間で取引されるサービスの価格変動を表す。モノの価格の動きを示す企業物価指数とともに今後の消費者物価指数(CPI)に影響を与える。上昇率は5カ月連続で2%台となった。12月は調査対象となる146品目のうち価格が前年同月比で上昇したのは108品目、下落したのは22品目だった。
内訳をみると、宿泊サービスは前年同月比で59.8%上昇した。インバウンド(訪日外国人)の回復や政府の観光振興策「全国旅行支援」が各地で終了したことが価格を押し上げた。土木建築サービスも人件費上昇を転嫁する動きがあり5.2%上昇した。
外航貨物輸送は前年同月比6.2%上昇し、11月(1.9%上昇)から上昇率が4.3ポイント拡大した。22年12月に価格が下落していた反動や海運相場の上昇が影響した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価指数(SPPI)のグラフは下の通りです。上のパネルはヘッドラインのサービス物価(SPPI)上昇率及び変動の大きな国際運輸を除くコアSPPI上昇率とともに、企業物価(PPI)の国内物価上昇率もプロットしてあり、下のパネルは日銀の公表資料の1ページ目のグラフをマネして、国内価格のとサービス価格のそれぞれの指数水準をそのままプロットしています。

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モノの方の企業物価指数(PPI)の上昇トレンドはヘッドラインとなる国内物価指数で見る限り2023年中に終了し、2024年1月からは前年同月比でマイナスに舞い戻る可能性があると考えられる一方で、その名の通りのサービスの企業向けサービス物価指数(SPPI)はまだ上昇を続けているのが見て取れます。なお、影を付けた部分は、景気後退期を示しています。上のグラフで見ても明らかな通り、企業向けサービス価格指数(SPPI)のヘッドライン指数の前年同月比上昇率は、今年2023年8月から+2%台まで加速し、本日公表された12月統計では+2.4%に達しています。もちろん、+2%前後の上昇率はデフレに慣れきった国民マインドからすれば、かなり高いインフレと映っている可能性が高いながら、日銀の物価目標、これは生鮮食品を除く消費者物価上昇率ですが、物価目標の+2%近傍であることも確かです。加えて、下のパネルにプロットしたように、モノの物価である企業物価指数のうちの国内物価のグラフを見ても理解できるように、インフレ率は高いながら、物価上昇がさらに加速する局面ではないんではないか、と私は考えています。繰り返しになりますが、ヘッドラインSPPI上昇率にせよ、国際運輸を除いたコアSPPIにせよ、日銀の物価目標とほぼマッチする+2%程度となっている点は忘れるべきではありません。
もう少し詳しく、SPPIの大類別に基づいて12月統計のヘッドライン上昇率+2.4%への寄与度で見ると、宿泊サービスや土木建築サービスや機械修理などの諸サービスが+1.12%ともっとも大きな寄与を示しています。ヘッドライン上昇率+2.4%の半分近くを占めています。引用した記事にもある通り、全国旅行支援が終了した影響もあり、宿泊サービスは前年同月比で+59.8%と大きな上昇となっています。ほかに、ソフトウェア開発や情報処理・提供サービスやインターネット附随サービスといった情報通信が+0.56%、加えて、SPPI上昇率高止まりの背景となっている石油価格の影響が大きい外航貨物輸送や道路旅客輸送や国内航空旅客輸送などの運輸・郵便が+0.31%のプラス寄与となっています。リース・レンタルについても+0.18%と寄与が大きくなっています。

最後に、本日、総務省統計局から東京都区部の1月中旬速報値の消費者物価指数(CPI)が公表されています。いつもはそれほど注目していないのですが、2024年1月中旬の統計で生鮮食品を除くコアCPI上昇率が、とうとう日銀物価目標の+2%を大きく割り込んで+1.6%にまで縮小しています。+2%を下回るのは1年8か月、というか、20か月振りだそうです。いくつかニュースサイトのリンクだけ以下のように残しておきます。

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