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2024年2月28日 (水)

リクルートによる1月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給やいかに?

明後日3月1日の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートによる11月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の調査結果を取り上げておきたいと思います。参照しているリポートは以下の通りです。計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、以下の出典に直接当たって引用するようお願いします。

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いつものグラフは上の通りです。アルバイト・パートの募集時平均時給の方は、前年同月比で見て、昨年2023年10月には+2.3%増となった後、11月12月も+2%台を記録しています。そして、今年2024年1月には+3.3%増となりました。昨日公表された消費者物価指数(CPI)上昇率が1月統計で+2%でしたから、これくらいでようやく物価上昇率に追いついて、実質賃金がプラスに転じたのではないか、と想像されます。時給の水準そのものは、一昨年2021年年央からコンスタントに1,100円を上回る水準が続いており、かなり堅調な動きを示しています。他方、派遣スタッフ募集時平均時給の方も昨年2023年10~11月には+2%を上回る増加を示しましたが、12月には+1.1%増に鈍化し、本日公表の2024年1月になってようやく+3.0%を記録しています。
三大都市圏全体のアルバイト・パートの平均時給の前年同月比上昇率は、繰り返しになりますが、1月には前年同月より3.3%、前年同月よりも+38円増加の1,180円を記録しています。職種別では、「フード系」(+47円、+4.3%)、「販売・サービス系」(+46円、+4.2%)、「営業系」(+40円、+3.4%)、「専門職系」(+42円、+3.2%)、「製造・物流・清掃系」(+32円、+2.8%)、「事務系」(+32円、+2.6%)と、すべての職種で上昇を示しています。加えて、地域別でも関東・東海・関西のすべての三大都市圏で前年同月比プラスとなっています。
続いて、三大都市圏全体の派遣スタッフの平均時給は、1月には前年同月より+3.0%、+48円増加の1,650円になりました。職種別では、「製造・物流・清掃系」(+40円、+2.9%)、「IT・技術系」(+44円、+2.0%)、「オフィスワーク系」(+28円、+1.8%)、「医療介護・教育系」(+25円、+1.7%)、「営業・販売・サービス系」(+20円、+1.3%)で上昇を示した一方で、「クリエイティブ系」(▲26円、▲1.4%)だけは減少を示しています。なお、地域別でも関東・東海・関西のすべての三大都市圏でプラスとなっています。

アルバイト・パートや派遣スタッフなどの非正規雇用は、従来から、低賃金労働とともに「雇用の調整弁」のような不安定な役回りを演じてきましたが、ジワジワと募集時平均時給の伸びが縮小しています。我が国景気も回復・拡大局面の後半に差しかかり、あるいは、景気後退局面に近づき、雇用の今後の動向が気がかりになり始めるタイミングかもしれません。

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