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2024年4月15日 (月)

大きく伸びた2月の機械受注統計をどう見るか?

本日、内閣府から2月の機械受注が公表されています。民間設備投資の先行指標であり、変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注が、季節調整済みの系列で見て前月比+7.7%増の8,868億円となっています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

2月の機械受注、前月比7.7%増  製造・非製造ともに伸び
内閣府が15日発表した2月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標とされる民需(船舶・電力を除く、季節調整済み)は前月比7.7%増の8868億円だった。増加は2カ月ぶり。製造業、非製造業ともに発注が大きく伸びた。基調判断は「足元は弱含んでいる」で据え置いた。
製造業は9.4%増の3963億円と2カ月ぶりのプラスだった。17業種中14業種と幅広く前月比で増加した。「電気機械」や「情報通信機械」が特にプラスに寄与した。
ダイハツ工業は2023年12月に品質不正で生産や出荷を全面的に停止した。統計では「自動車・同付属品」からの受注は23年12月、24年1月とマイナスだったものの、2月は9.7%増と3カ月ぶりに増えた。
内閣府の担当者は自動車不正を巡る同統計への影響を聞かれ「生産や出荷ほどダイレクトに効いたかは分からない」と述べるにとどめた。製造業は1月に13.2%と大幅に減少しており、反動による増加との指摘もある。
非製造業は9.1%増の5059億円だった。2カ月連続でプラスを確保した。「通信業」や「建設業」、「農林漁業」からの発注が全体を押し上げた。
内閣府は全体の基調判断を「足元は弱含んでいる」とした。同判断は2カ月連続となる。「単月の動きが大きい指標だ」と指摘したうえで「基調が続くかは来月も見たい」と説明した。

包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、機械受注のグラフは上の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

photo

まず、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注で見て前月比+0.7%増でした。予想レンジの上限は+2.5%増でしたので、実績の+7.7%増はそれなりのサプライズであったと私は受け止めています。しかしながら、引用した記事にもあるように、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「足元は弱含んでいる」に据え置いています。上のグラフで見ても、太線の移動平均で示されているトレンドで見れば、まだ、トレンドが反転したかどうかは判断ができない、というのは判る気がします。来月以降の統計を見てから基調判断を変更するかどうかを考える、という引用した記事の最後のパラもそういう趣旨だと思います。いずれにせよ、幅広い業種で増加が見られており、製造業と非製造業に分けて季節調整済みの系列の前月比を見ると、製造業が+9.4%、船舶と電力を除く非製造業も+9.1%増と、いずれも高い伸びを示しています。ただし、製造業については1月統計で前月比▲13.2%を記録していますので、このマイナスを穴埋めするには至っていません。また、受注水準としてはまだ何とか月次で8,000億円を上回っており決して低くはありませんし、足元の2024年1~3月期の受注見通しは+4.9%増の2兆6294億円と見込まれています。業種別に少し詳しく見ると、製造業ではパルプ・紙・紙加工品が前月比+129.0%を、非製造業では不動産業が+165.9%、鉱業・採石業・砂利採取業が+121.8%をそれぞれ示しています。
昨年来の謎であったのは、日銀短観などで示される設備投資計画のソフトデータとGDPやGDPの基礎となる法人企業統計、また、それらの先行指標である本日公表の機械受注などのハードデータとの乖離です。3月に公表された法人企業統計やそれを反映した2023年10~12月期のGDP統計2次QEなどを見ていると、この乖離が解消されつつある可能性を感じ始めていて、本日公表の2月の機械受注を見ても同様です。ですので、本格的にこの乖離が縮小する方向にあるのであれば、投資不足の現状にある我が国経済にはデフレ解消・脱却とともに望ましい方向であるといえます。

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