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2024年5月29日 (水)

5月の消費者態度指数は2か月連続で下降し基調判断が下方修正される

本日、内閣府から5月の消費者態度指数が公表されています。5月統計では、前月から▲2.1ポイント低下し36.2を記録しています。まず、ロイターのサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

消費者態度指数5月は2.1ポイント低下、判断「足踏み」に下方修正
内閣府が29日公表した消費動向調査によると、消費者態度指数(2人以上の世帯、季節調整値)は前月から2.1ポイント低下し36.2となり、2カ月連続で悪化した。内閣府は消費者マインドの基調判断を、前月の「改善している」から「改善に足踏みがみられる」に下方修正。大型連休後の宿泊料など、各種値上げが影響した可能性があるとみている。
消費者態度指数の低下幅は2022年3月以来の大きさ、指数の水準は昨年10月以来の低さだった。
指数を構成する「暮らし向き」、「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」の4指標全てが前月から低下した。
1年後の物価見通しでは、上昇するとの回答比率が前月の93.0%から93.5%に増え、昨年9月以来の水準となった。うち物価が5%以上上昇するとの回答は44.0%から46.9%に増え、昨年10月以来の高水準。
円安進行の影響については「調査項目にないためわからない」(内閣府幹部)という。

的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、消費者態度指数のグラフは下の通りです。ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。影を付けた部分は景気後退期となっています。

photo

消費者態度指数は今後半年間の見通しについて質問するものであり、4項目の消費者意識指標から成っています。5月統計では、引用した記事にある通り、前月からすべての指標において下降しており、「耐久消費財の買い時判断」が▲2.8ポイント下降して29.0、「暮らし向き」が▲2.2ポイント下降して33.9、「雇用環境」も▲2.2ポイント下降し42.0、「収入の増え方」が▲1.2ポイント下降し39.9となっています。消費者態度指数は、昨年2023年10月統計から6か月連続の上昇を記録した後、4月統計で7か月ぶりに下降した後、5月統計でも2か月連続で下降しました。統計作成官庁である内閣府では基調判断を先月の「改善」から「改善に足踏み」へと下方修正しています。引用した記事にもある通り、年度始まりで物価改定が集中した4月、それに続く5月といった特性が出ている可能性があります。
注目すべきは、引用した記事にもある通り、インフレを見込む割合が高まっている点です。すなわち、物価上昇を見込む割合は、昨年2023年12月の91.6%を底に上昇を続けており、直近の2024年5月統計では93.5%に達しています。2週間前の5月14日に公表された日本経済研究センターのESPフォーキャストに示されたエコノミストの見方でも、消費者物価上昇率は今年2024年7~9月期に+2.76%でピークとなり、その後も高止まりを続け、来年2025年4~6月期でも日銀物価目標をやや上回る+2.07%、2025年7~9月期になってようやく+2%を下回る+1.70%まで上昇率が縮小すると予想されており、しばらくは日銀の物価目標を上回るインフレが続く見込みです。したがって、消費者マインドも物価に連動する時期がしばらく続く可能性が十分あります。

ちゃんと指標を追っているわけではありませんが、米国コンファレンスボードの消費者信頼感指数をロイターブルームバーグの報道で見る限り、インフレ懸念で消費者マインドが上向かないのは米国でも同じ、ということのようです。

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