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2024年7月17日 (水)

IMF「世界経済見通し改定」を読む

日本時間の昨夜7月17日に国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し改定」World Economic Outlook Update が公表されています。pdfの全文リポートもアップロードされています。

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まず、IMF Blogのサイトから成長率見通しの総括表 World Economic Outlook Growth Projection を引用すると上の通りです。成長率見通しは見ての通りで、今年2024年は4月時点の見通しと同じ+3.2%ながら、来年2025年は+0.1%ポイント引き上げて+3.3%としています。我が日本の成長率見通しは、今年2024年が4月時点の見通しから▲0.2%ポイント引き下げて+0.7%成長と予想しています。来年2025年は4月時点から変わらず+1.0%成長を見込んでいます。

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続いて、IMF Blogのサイトから Growth and Inflation のグラフを引用すると上の通りです。見ての通りで、左のパネルが主要国の需給ギャップ、右が世界のヘッドライン・インフレ率となっています。同じIMFのサイトで "Growth in major advanced economies is becoming more aligned as output gaps are closing. The United States shows increasing signs of cooling, especially in the labor market, after a strong 2023. The euro area, meanwhile, is poised to pick up after a nearly flat performance last year."「主要先進国は需給ギャップが縮小するにつれて成長の足並みがそろいつつある。米国では景気減速の兆候が強まっている。特に労働市場は堅調だった2023年から減速を示している。他一方、欧州は昨年の横ばい状態を脱して景気改善が見込まれる。」と指摘しています。グラフでは、ゼロコロナ政策などに起因する中国の負の需給ギャップがようやく縮小に向かっていることが読み取れます。しかし、このサイトでは、日本への言及はありませんでした。

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続いて、IMF Blogのサイトから Risks from fiscal and trade policy のグラフを引用すると上の通りです。見ての通りで、左のパネルでは米国の財政資金需要を示しています。赤い折れ線が2015年の満期構造であったと仮定した場合の資金需要、対して、青い折れ線が実際の資金需要ですので、2015年時点の満期構造に照らし合わせると現時点で資金需要が高まっていることが理解できます。右のパネルは輸入国別の米国の2018-19年関税率の影響を受ける製品輸入のボリュームです。特に米国において、財政と貿易政策から生じるリスクへの警戒感を示しています。

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