リクルートによる6月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給やいかに?
明日7月30日の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートによる3月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の調査結果を取り上げておきたいと思います。参照しているリポートは以下の通りです。計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、以下の出典に直接当たって引用するようお願いします。
いつものグラフは上の通りです。アルバイト・パートの募集時平均時給の方は、前年同月比で見て、4月+3.8%増から5月+3.1%増とやや上昇幅が縮小し、6月には+2.0%増となりました。先週公表された消費者物価指数(CPI)上昇率が3月統計でヘッドライン+2.8%、生鮮食品を除くコア+2.7%でしたから、今年に入ってから、ようやく5月までは物価上昇率に追いついて、実質賃金がプラスに転じたものの、6月には再び上昇が減速したのではないか、と想像しています。募集時平均時給の水準そのものは、2021年年央からコンスタントに1,100円を上回る水準が続いており、現在、報じられている最低賃金と比較しても、かなり堅調な動きを示しています。他方、派遣スタッフ募集時平均時給の方は、4月+1.7%増、5月+1.5%増、6月+1.3%増と、底堅い動きながら、CPI上昇率には追いついていません。
三大都市圏全体のアルバイト・パートの平均時給の前年同月比上昇率は、繰り返しになりますが、6月には前年同月より+2.0%、前年同月よりも+23円増加の1,181円を記録しています。職種別では、「フード系」(+34円、+3.1%)、「販売・サービス系」(+31円、+2.8%)、「事務系」(+31円、+2.5%)、「製造・物流・清掃系」(+25円、+2.1%)まで平均よりも高い伸びを示していますが、「専門職系」(+22円、+1.6%)はプラスを記録したものの、「営業系」(▲24円、▲1.9%)は前年同月比マイナスとなっています。また、地域別でも関東・東海・関西のすべての三大都市圏で前年同月比プラスとなっています。
続いて、三大都市圏全体の派遣スタッフの平均時給は、6月には前年同月より+1.3%、+21円増加の1,652円になりました。職種別では、「オフィスワーク系」(+43円、+2.7%)と「製造・物流・清掃系」(+37円、+2.7%)のほか、「営業・販売・サービス系」(+36円、+2.4%)、「クリエイティブ系」(+15円、+0.8%)の4業種は前年比でプラスの伸びを示しましたが、「医療介護・教育系」(▲10円、▲0.7%)と「IT・技術系」(▲30円、▲1.3%)では減少を示しています。なお、地域別でも関東・東海・関西のすべての三大都市圏でプラスとなっています。
アルバイト・パートや派遣スタッフなどの非正規雇用は、従来から、低賃金労働であるとともに、「雇用の調整弁」のような不安定な役回りを演じてきました。直近で利用可能な6月で見ると、やっぱり、消費者物価上昇率には届いていません。最低賃金の議論が進む中で、今後の動向に注目です。
| 固定リンク
コメント