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2024年9月13日 (金)

紀要論文 "Estimating Output Gap in Japan: A Latent Variable Approach" を書き上げる

我が勤務校の紀要論文集である『立命館經濟学』に掲載していただくべく "Estimating Output Gap in Japan: A Latent Variable Approach" を書き上げました。何と申しましょうかで、私は60歳で公務員を定年退職し、その後の再就職先のこの勤務校でも65歳で定年退職し、雇用期限の70歳に向かっているところですので、もはや特段の上昇志向はなく、毎年夏休みに1本だけ学術論文を書いています。一応、サマリは以下の通りです。

Summary
Since the late 1990s, Japanese economy was in deflation for more than twenty years. Recently, there have been some signs of ending deflation. Deflation is usually defined as sustained decline of prices frequently associating economic stagnation. The economic stagnation can be measured by various means, and this paper among those explores measurement of the output gap or the GDP gap. At first, the study organizes the measurement methods for estimating the output gap such as the production function approach, the univariate approach employing mechanical filters, the empirical approach based on Okun's law, and the structural vector autoregression (SVAR) approach using the latent variables. The paper adopts one of the latent variable approaches employing the state space model based on Kuttner (1994) and tries to estimate Japanese output gap from mid-1990s comparable with output gap measured by other methods.

結局、推計は何度かやり直してみたのですが、どうにもピンと来るものがなくて、最初の方の推計結果で正面突破を図ることにしました。以下の通りです。GAPのシリーズが私の推計結果で、CAOは生産関数アプローチに基づく内閣府の推計結果です。私の推計による産出ギャップが大きいのは、消費者物価(CPI)上昇率ではなく日銀が公表している企業物価指数のうちの国内物価(PPI)を使っているからです。どうして、CPIではなくPPIを使ったかというと、PPIには消費税の影響を除く指数があるからです。でも、例えば、もっともインフレの激しかった20222年12月の統計で見ると、CPI上昇率は+4%の過ぎないのに、PPIの方は+10%を超えていたりしています。この大きなインフレが、結果として、大きな産出ギャップに現れたと考えています。

photo

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