2023年度「ギャンブル障害及びギャンブル関連問題実態調査」の結果やいかに?
先週金曜日の8月30日に、厚生労働省から2023年度「ギャンブル障害及びギャンブル関連問題実態調査」の結果が公表されています。ギャンブル等依存症対策基本法第23条に基づく実態調査として、3年ごとに実施されている調査です。依存症対策全国センターから公表された速報リポートに詳細が明らかにされています。
今回の調査では、「ギャンブル等依存が疑われる者」の推計に、PGSI(Problem Gambling Severity Index)を用いていて、スコアが8以上をもって抽出すると、男性が2.8%、女性でも0.5%、男女平均で国民の1.7%にギャンブル依存症の疑いがあるとの結果が示されています。私がリポートを見た範囲で、以下の3点を強調しておきたいと思います。
- 過去1年間に最もお金を使ったギャンブルの種類は、男性ではパチンコ(43.4%)、パチスロ(24.5%)、競馬(11.3%)の順で、女性ではパチンコ(60.9%)、パチスロ(17.4%)の順で割合が高い。
- 年代ごとの「ギャンブル等依存が疑われる者」の割合については40代が最も多く、次いで30代が多かった。
- K6(うつ、不安のスクリーニングテスト)で比較したところ、ギャンブル等依存が疑われる者(PGSI8点以上)は、8点未満の者より有意に抑うつ・不安が強かった。また、これまでの自殺念慮(自殺したいと考えたこと)の経験割合等についても、PGSI8点以上の者で高かった。
なお、リポートから【図表9】問題となっているギャンブルの種類 を引用すると以下の通りです。「宝くじ」に加えて、「スポーツ振興くじ」や「証券、投資、FX」もギャンブルとみなすべきである点は私も大いに賛成します。
私はそれなりに合理的なエコノミストだと思いますので、どう考えても得をしない種類のギャンブルに手を出すことはありません。あり得ません。海外勤務の折なんぞにご当地で合法的であったカジノに行ったこともありましたが、あくまで社交の範囲でした。でも、現状ですら1.6%ですから国民の60人に1人がギャンブル依存の疑いがあり、精神疾患や自殺との関連も大いに疑われている点は決して無視できません。その意味でも、私はIR事業には全力で反対を表明します。
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