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2024年11月 8日 (金)

8月末の台風による自動車工場停止からの反動が見られる9月の景気動向指数

本日、内閣府から9月の景気動向指数が公表されています。統計のヘッドラインを見ると、CI先行指数は前月から+2.5ポイント上昇の109.4を示し、CI一致指数も+1.7ポイント上昇の115.7を記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事をロイターのサイトから報道を引用すると以下の通りです。

景気動向一致指数9月は2カ月ぶりプラス、生産など改善
内閣府が8日発表した9月の景気動向指数速報(2020年=100)によると、足元の景気を示す一致指数は前月比1.7ポイント上昇の115.7と2カ月ぶりにプラスとなった。鉱工業用生産財出荷指数や輸出数量指数の改善が寄与した。8月に台風による生産停止が響いた自動車の反動や、エアコン・リチウム電池などの生産・輸出が寄与した。
一致指数から一定の基準で内閣府が決める基調判断は5月以来の「下げ止まりを示している」で据え置いた。
先行指数も前月比2.5ポイント上昇の109.4と2カ月ぶりのプラスだった。鉱工業用生産財在庫率指数や最終需要財在庫率指数の改善が指数をけん引した。中小企業売上見通しも電気機械・設備投資関連を中心にプラス寄与した。

いつもながら、コンパクトかつ包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

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9月統計のCI一致指数は2か月ぶりの上昇となりました。加えて、3か月後方移動平均の前月差も2か月ぶりに+0.53ポイント上昇し、7か月後方移動平均の前月差も+0.47ポイント上昇しています。7か月後方移動平均の上昇は3か月連続です。ただ、統計作成官庁である内閣府では基調判断は、今月も「下げ止まり」で先月から据え置いています。5月に変更されてから半年据置きです。なお、細かい点ながら、上方や下方への局面変化は7か月後方移動平均という長めのラグを考慮した判断基準なのですが、改善からの足踏みや悪化からの下げ止まりは3か月後方移動平均で判断されます。いずれにせよ、私は従来から、米国経済がソフトランディングに成功するとすれば、そう簡単には日本経済が景気後退局面に入ることはないと考えていて、世間一般と比べるとやや楽観的な見方かもしれません。ただし、日本経済はすでに景気回復・拡大局面の後半に入っている点は忘れるべきではありませんし、多くのエコノミストが円高を展望して待ち望んでいる金融引締めの経済へ影響は、引き続き、考慮する必要があるのは当然です。
CI一致指数を構成する系列を前月差に対する寄与度に従って詳しく見ると、鉱工業用生産財出荷指数が+0.70ポイント、輸出数量指数が+0.64ポイント、耐久消費財出荷指数が+0.37ポイント、生産指数(鉱工業)が+0.25ポイント、有効求人倍率(除学卒)が+0.23ポイントなどとなっています。8月末に台風の影響で自動車工場がいくつか生産停止となった反動が9月統計に現れています。他方、マイナスで目立つのは商業販売統計であり、商業販売(小売業)(前年同月比)が▲0.34ポイント、商業販売額(卸売業)(前年同月比)も▲0.14ポイント、のそれぞれマイナス寄与を示しています。

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