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2025年1月 9日 (木)

日銀「さくらリポート」に見る地域経済やいかに?

本日1月9日の日銀支店長会議において「地域経済報告」、いわゆる「さくらリポート」が公表されています。まず、日銀のサイトから各地域の景気の総括判断を引用すると以下の通りです。

各地域の景気の総括判断
一部に弱めの動きもみられるが、すべての地域で、景気は「緩やかに回復」、「持ち直し」、「緩やかに持ち直し」としている。

続いて、各地域の景気の総括判断と前回との比較のテーブルは以下の通りです。

 【2024年10月判断】前回との比較【2025年1月判断】
北海道一部に弱めの動きがみられるが、持ち直している一部に弱めの動きがみられるが、持ち直している
東北緩やかに持ち直している持ち直している
北陸一部に能登半島地震の影響がみられるものの、緩やかに回復しつつある。なお、奥能登豪雨の影響については、被災地に甚大な被害を及ぼしているが、今後、マインド面を含めてどの程度、経済を下押ししていくか注視していく必要がある一部に能登半島地震の影響がみられるものの、緩やかに回復している
関東甲信越一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している
東海緩やかに回復している緩やかに回復している
近畿一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかに持ち直している一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかに回復している
中国緩やかな回復基調にある緩やかな回復基調にある
四国緩やかに持ち直している緩やかに持ち直している
九州・沖縄一部に弱めの動きがみられるが、緩やかに回復している一部に弱めの動きがみられるが、緩やかに回復している

テーブルを見れば明らかなのですが、全9ブロックのうち東北と北陸の2ブロックで景気判断が引き上げられています。他方で、ほかの北海道、関東甲信越、東海、近畿、中国、四国、九州・沖縄の7ブロックでは判断を据え置いています。景気判断を下方修正したブロックはありませんでした。これらの総括判断に加えて、pdfの全文リポートには、「企業等の主な声」として、① 個人消費 (インバウンド需要を含む)、② 生産・輸出・設備投資、③ 雇用・賃金設定、④ 価格設定、の4項目があるのですが、③ 雇用・賃金設定のトピックでは賃上げに関する意見や見方も含まれています。いくつかの例では、「原材料価格がひと頃より下落する一方、販売価格を維持することで原資を確保し、2025年度も2024年度に続き、積極的な賃上げを検討している(高松[金属製品])。」といった見方が示されている一方で、「2024年度は、世間の賃上げムードの高まりを受け、利益を圧縮してでもベアを実施したが、2025年度は、中国での日本車販売の不振から受注が減少する見通しであることから、ベアは見送る方針(福島[輸送用機械])。」といった真逆な見方まで、幅広く明らかにされています。まあ、当然かも知れません。こういった動きを受けて、ロイターの報道では、「25年度賃上げ率『具体的な検討進めている企業も』=日銀支店長会議」といったタイトルの記事があったりします。

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