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2025年1月10日 (金)

3か月ぶりの下降を示した2024年11月の景気動向指数をどう見るか?

本日、内閣府から昨年2024年11月の景気動向指数が公表されています。統計のヘッドラインを見ると、CI先行指数は前月から▲2.1ポイント下降の107.0を示し、CI一致指数も▲1.5ポイント下降の115.3を記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事をロイターのサイトから報道を引用すると以下の通りです。

景気動向一致指数1.5ポイント低下、生産悪化で3カ月ぶりマイナス
内閣府が10日に公表した11月の景気動向指数速報(2020年=100)によると、足元の各種経済指標を総合した一致指数は前月比1.5ポイント低下の115.3で、3カ月ぶりのマイナスとなった。鉱工業生産指数の悪化などが下押しした。
生産指数は、一部自動車メーカーでの安全規制に絡む生産停止などの影響で悪化した。半導体製造装置の出荷減により投資財出荷指数、そのほか耐久消費財出荷指数、アジア・米国・欧州連合向けの減少が目立った輸出数量指数も悪化し、全体を押し下げた。
一致指数から一定のルールで決める基調判断は、10月の「下げ止まりを示している」で据え置いた。7カ月連続で同じ表現となっている。
先行指数も前月比2.1ポイント低下の107.0と、3カ月ぶりに悪化した。中小企業売上見通しや鉱工業生産財在庫率指数の悪化が影響した。中小企業売上見通しは、電気機械・設備投資・乗用車関係企業が悪化した

いつもながら、コンパクトかつ包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

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2024年12月統計のCI一致指数は3か月ぶり下降となりました。ただ、3か月後方移動平均の前月差もは3か月連続の上昇で+0.67ポイント上昇、7か月後方移動平均の前月差も0.00、すなわち横ばいとなっています。ただ、統計作成官庁である内閣府では基調判断は、今月も「下げ止まり」で据え置いています。5月に変更されてから半年余り同じ基調判断で据置きです。なお、細かい点ながら、上方や下方への局面変化は7か月後方移動平均という長めのラグを考慮した判断基準なのですが、改善からの足踏みや悪化からの下げ止まりは3か月後方移動平均で判断されます。いずれにせよ、私は従来から、米国経済がソフトランディングに成功するとすれば、そう簡単には日本経済が景気後退局面に入ることはないと考えていて、世間一般と比べるとやや楽観的な見方かもしれません。ただし、日本経済はすでに景気回復・拡大局面の後半に入っている点は忘れるべきではありませんし、多くのエコノミストが円高を展望して待ち望んでいる金融引締めの経済へ影響は、引き続き、考慮する必要があるのは当然です。
CI一致指数を構成する系列を前月差に対する寄与度に従って詳しく見ると、生産指数(鉱工業)が▲0.42ポイント、投資財出荷指数(除輸送機械)と輸出数量指数がともに▲0.36ポイント、耐久消費財出荷指数が▲0.35ポイント、鉱工業用生産財出荷指数が▲0.24ポイントなどとなっています。他方、プラスで目立つのは商業販売額(小売業)(前年同月比)+0.20ポイントくらいとなっています。

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