米国経済の先行きを示唆するグラフ
やや旧聞に属するトピックも含まれていますが、最近、私がネットで見た範囲で米国経済に関して印象に残ったグラフを2枚ほど引用します。
まず、国際通貨基金のゲオルギエヴァ専務理事のスピーチ "Toward a Better Balanced and More Resilient World Economy" の冒頭に示されているグラフです。IMF世銀による春季会合を前にしたスピーチなのですが、見ての通りで、貿易政策の不確実性はケタ外れに上昇しています。いうまでもなく、米国トランプ政権の関税政策に起因します。
米国トランプ政権の関税政策は貿易政策の不確実性をケタ外れに高めているだけではなく、確実に、米国経済を景気後退に向かわせています。上のグラフはピーターソン国際経済研究所(PIIE)によるコラム "Policy shocks and rising uncertainty are weakening the global outlook" から引用しています。このグラフはPIIEによる Global Economic Prospects: Spring 2025 に向けて準備されているもののようです。一応、ギリギリで2四半期連続のマイナス成長は回避できる見通しとなっていますが、果たしてどうなりますことやら。
私は日本の景気局面について、景気拡大が後半に入ったことを認識しつつも、繰り返し、米国経済が景気後退に陥らずにソフトランディングするとすれば、日本経済もそう簡単には景気後退に入らない、との見方を示してきましたが、前半の米国経済に関する前提が崩れつつあるように感じています。もしも、米国経済が今年後半ないし来年早々に景気後退に入るとすれば、日本もご同様であろうと思います。
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