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2025年6月23日 (月)

日本経済研究センター(JCER)の長期経済予測「2075年 次世代AIが変える日本経済」

やや旧聞に属するトピックながら、日本経済研究センター(JCER)から長期経済予想「2075年 次世代AIが変える日本経済」の最終報告が明らかにされています。私自身は現時点ですでに60歳を大きく超えており、50年後の2075年に命長らえているとはとても思えませんが、大学で教えている20歳前後の大学生諸君はまだまだ元気にしていることと想像しますし、何といっても、エコノミストとしての関心からごく簡単に取り上げておきたいと思います。まず、JCERのサイトから主な予測結果を3点引用すると下の通りです。

主な予測結果
  • 人間と同等の能力を備えたAGIが社会に浸透し、幅広いタスク(作業)を担うと見込まれる【図表1】。このために、生成AI・AGIによる生産性上昇効果は、かつての電力や自動車の普及期に相当する規模まで拡大する【図表2】。
  • AGIとロボティクスが結び付く結果、ロボット技術に優位性を持つ中国のGDPが大幅に増加するが、人口減少が続くことから米中逆転には至らない【図表3】。日本はAGIを生かす人的資本拡大と産業変革を行えばGDP世界4位を維持可能【図表4】。一人当たりGDPは現在29位から25位まで上昇。また、名目GDPは2040年には1,000兆円を超えるとともに、一人当たり名目賃金は2024年比で約6割増となる
  • 産業別の生産額はAI・デジタル関連が大幅に増え、日本経済の大きな柱に。ヘルスケアは第2の柱。老化抑制など予防医療が伸びる。自動運転車などモビリティー関連も拡大【図表5】。

報告書は会員向けだけらしく、私の方ではまだ入手できていませんので、図表4: 実質GDPのランキング だけ下に引用しておきます。2075年における日本のGDP規模は、AGI=汎用人工知能を生かす人的資本拡大と産業変革を行えばGDP世界4位を維持可能、という見立てです。ただ、そういったことが出来てきてこなかったので、現在の日本の経済的ポジションの低下を招いてしまったので、11位まで低下する標準シナリオの方が実現可能性が高そうな気がしないでもありません。

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