「下げ止まり」で基調判断が据え置かれた6月の景気動向指数
本日、内閣府から6月の景気動向指数が公表されています。統計のヘッドラインを見ると、CI先行指数は前月から+1.3ポイント上昇の106.1を示し、CI一致指数も+0.8ポイント上昇の116.8を記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事をロイターのサイトから報道を引用すると以下の通りです。
景気一致指数6月は0.8ポイント上昇、2カ月ぶりプラス 半導体生産増で
内閣府が7日公表した6月の景気動向指数(速報値、2020年=100)は、足元の景気を示す一致指数が前月比0.8ポイント上昇し116.8となった。2カ月ぶりの上昇。半導体メモリの好調で輸出数量指数や鉱工業生産指数がけん引した。
一致指数を構成する鉱工業生産指数は、半導体メモリの生産増が寄与した。投資財出荷指数は半導体製造装置が好調だった。小売販売額もプラスだった。
<基調判断「下げ止まり」で据え置き、中小企業見通し悪化>
一致指数から一定の算出方式で決める基調判断は「下げ止まりを示している」で据え置いた。5月の基調判断は速報段階で「悪化」だったが、毎月勤労統計を反映して改定値で「下げ止まり」に上方修正していた。
先行指数は前月比1.3ポイント上昇の106.1で、2カ月連続で上昇した。規制強化の駆け込み需要からの反動減が一服した新設住宅着工床面積や、消費者態度指数の改善が寄与した。自動車部品の在庫増や、自動車・電機メーカーのマインド悪化で、鉱工業生産用在庫率指数や中小企業売上見通しは、指数を下押しした。
いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

6月統計のCI一致指数は、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、前月から+0.7ポイントの上昇が見込まれていましたので、実績の+0.8ポイントの上昇は予想のレンジ内とはいえ、やや上振れた印象です。また、3か月後方移動平均は4か月ぶりの上昇で前月から0.34ポイント上昇し、7か月後方移動平均も前月から+0.23ポイント上昇し、11か月連続の上昇となっています。統計作成官庁である内閣府による基調判断は、先月5月統計から「下げ止まり」に下方修正されましたが、今月6月統計でも「下げ止まり」に据え置かれています。私は従来から、米国経済がソフトランディングに成功するとすれば、そう簡単には日本経済が景気後退局面に入ることはないと考えていて、それはそれで正しいと今でも変わりありませんが、米国経済に関する前提が崩れつつある印象で、米国経済が年内にリセッションに入る可能性はかなり高まってきており、日本経済も前後して景気後退に陥る可能性が十分あると考えています。理由は、ほかのエコノミストとたぶん同じでトランプ政権が乱発している関税政策です。米国経済において関税率引上げはインフレの加速と消費者心理の悪化の両面から消費を大きく押し下げる効果が強いと考えています。加えて、日本経済はすでに景気回復・拡大局面の後半に入っている点は忘れるべきではありませんし、多くのエコノミストが円高を展望して待ち望んでいる金融引締めの経済へ影響は明らかに景気下押しであり、引き続き、注視する必要があるのは当然です。
CI一致指数を構成する系列を前月差に対する寄与度に従って詳しく見ると、輸出数量指数が+0.49ポイントの寄与ともっとも大きく、次いで、生産指数(鉱工業)が+0.27ポイント、投資財出荷指数(除輸送機械)が+0.26ポイント、商業販売額(卸売業)(前年同月比)が+0.26ポイントなどが上昇した一方で、有効求人倍率(除学卒)が▲0.38ポイント、鉱工業用生産財出荷指数が▲0.19ポイント、耐久消費財出荷指数が▲0.18ポイント、などが下降の方向で寄与しています。ついでに、前月差+1.3ポイントと上昇したCI先行指数の上げ要因も数字を上げておくと、新設住宅着工床面積が+0.81ポイント、消費者態度指数が+0.66ポイント、マネーストック(M2)(前年同月比)が+0.35ポイントなどとなっています。
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