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2025年8月13日 (水)

4か月連続で伸びが鈍化した7月の企業物価指数(PPI)

本日、日銀から7月の企業物価 (PPI) が公表されています。統計のヘッドラインとなる国内物価は前年同月比で+2.6%の上昇となり、4月の+4.1%、5月の+3.3%、6月+2.9%から4か月連続で上昇率が鈍化したものの、まだ日銀物価目標の+2%を上回る高い伸びが続いています。まず、ロイターのサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

企業物価7月は+2.6%に鈍化、北米向け自動車の輸出価格-18.4%
日銀が13日に発表した7月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数は前年比2.6%上昇した。伸び率は4カ月連続で縮小。農林水産物の伸び鈍化に加え、電力・都市ガス・水道の下落が重しとなった。一方、北米向け乗用車の輸出価格(契約通貨ベース)は18.4%下落。高関税下でも輸出数量を維持するため、自動車メーカーが引き続き輸出価格を大幅に引き下げているとみられる。
国内企業物価指数はロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値、前年比2.5%上昇を上回った。前月比では0.2%上昇だった。
農林水産物は前年比42.2%上昇で、前月の43.1%上昇を下回った。このうち、精米は74.1%上昇。引き続き高い伸びながら前月の76.6%上昇からは伸びは鈍った。
電力・都市ガス・水道は0.1%下落で、前月の3.2%上昇から前年比下落に転じた。前年対比で原油市況が下落した影響が大きい。石油・石炭製品は0.8%下落。原油市況安に加え、政府のガソリン補助金が押し下げにつながった。
日銀の担当者は企業物価指数の伸び鈍化について、制度要因やこれまで上昇をけん引してきた産品の一時的な価格上昇の反動によるところが大きく、基調が変化したわけではないとの見方を示した。
企業物価指数を構成する515品目のうち、上昇は365、下落は127。その差は238で、6月の261を下回った。
輸入物価指数(円ベース)は10.4%下落。下落は6カ月連続。

インフレ動向が注目される中で、やや長くなってしまいましたが、いつもながら、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業物価指数(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率をプロットしています。また、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

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ヘッドラインとなる国内企業物価の前年同月比上昇率について、引用した記事にある通り、ロイターによる市場の事前コンセンサスは+2.5%でしたし、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでも同じく+2.5%でしたから、4か月連続で上昇率が鈍化したとはいえ、実績の+2.6%はホンの少しだけ上振れた印象です。ただ、これでも日銀物価目標の+2%を大きく上回っていることは事実です。上昇率が鈍化した要因も、高止まりしている要因も、ともに、農林水産物とそれに連動した飲食料品の上昇です。引き続き、コメなどが高い上昇率を示しています。ただ、引用した記事にも「政府のガソリン補助金」と言及している通り、燃料油価格定額引下げ措置が5月22日から発動され、ガソリン・軽油などが前月比で下落しています。また、対ドル為替相場は5-6月には安定的に推移していましたが、7月には+1.5%の円安となっています。私自身が詳しくないので、エネルギー価格の参考として、日本総研「原油市場展望」(2025年7月)を見ておくと、「原油価格は50ドル台後半に向けて下落する」と見込んでいますが、他方で、「中東情勢が再び緊迫化する場合、原油価格は140ドル程度まで急騰するリスクも。」と指摘しています。円ベースの輸入物価指数の前年同月比は、5月から前年同月比で2ケタの下落を続けており、5月△10.3%、6月▲12.2%、本日公表の7月も▲10.4%となっており、国内物価の上昇は政策要因も含めた国内要因による物価上昇であることは明らかです。
企業物価指数のヘッドラインとなる国内物価を品目別の前年同月比上昇率・下落率で少し詳しく見ると、まず、農林水産物は6月の+43.1%から7月も+42.2%と高止まりしています。これに伴って、飲食料品の上昇率も6月の+4.5%から7月は+4.2%と高い伸びが続いています。電力・都市ガス・水道は6月の+3.2%から、7月は▲0.1%と一転して下落に転じています。
最後に、円ベースの輸出物価の前年同月比上昇率が今年2025年4月からマイナスを続けています。すなわち、4月▲4.1%、5月▲6.4%、6月▲6.9%に続いて、7月も▲5.4%となっています。引用した記事にも「高関税下でも輸出数量を維持するため、自動車メーカーが引き続き輸出価格を大幅に引き下げているとみられる。」とあるように、米国の関税率引上げコストを企業が出荷時に吸収する形となっています。米国への輸出にはこれが出来るのに、国内出荷時には出来ないという経済合理的な理由は私には考えられません。ですから、企業収益を削減する形でのインフレ率の圧縮は可能です。しかし、物価と賃金の好循環のために好ましくないのであれば、企業収益に適切に課税することが出来るハズ、と考えるエコノミストは私だけなんでしょうか?

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