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2025年8月22日 (金)

7月の消費者物価指数(CPI)上昇率は+3%超ながらピークアウトの兆し

本日、総務省統計局から7月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPI上昇率は、季節調整していない原系列の前年同月比で見て、前月の+3.3%からやや減速して+3.1%を記録しています。伸び率鈍化とはいえ、まだまだ+3%台のインフレが続いています。日銀の物価目標である+2%以上の上昇は2022年4月から40か月、すなわち、3年余り続いています。ヘッドライン上昇率も+3.1%に達しており、生鮮食品とエネルギーを除く総合で定義されるコアコアCPI上昇率も+3.4%と高止まりしています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

7月の消費者物価3.1%上昇 2カ月連続で伸び縮小
総務省が22日発表した7月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合が111.6となり、前年同月と比べて3.1%上昇した。6月の3.3%を下回り、2カ月連続で伸び率が鈍化した。チョコレートや鶏肉などの食料が上昇した一方、エネルギー価格がマイナスに転じた。
QUICKが事前にまとめた市場予測の中央値は3.0%の上昇だった。
生鮮食品を除く食料は8.3%の上昇だった。前月は8.2%上昇で、12カ月連続で前月の伸びを上回った。ブラジルの天候不良などによりコーヒー豆が44.4%上昇した。鳥インフルエンザの影響で出荷が一時停止した鶏肉は9.3%上がった。価格改定があったチョコレートは51.0%値上がりした。
コメ類は90.7%上がった。6月の100.2%と比べると高騰は一服したが、引き続き1年前の2倍弱の水準だ。CPI上のコメ類には備蓄米は含まれず、コシヒカリといった銘柄米の値動きを反映する。
コメを使ったおにぎりは18.9%、外食のすしは7.0%それぞれ上昇した。
エネルギー価格全体は0.3%下がった。24年3月以来、1年4カ月ぶりに前年同月比マイナスとなった。ガソリン価格は1.3%下がった。5月から1リットルあたり最大10円の定額補助が始まったことが影響した。足元の原油高により、6月の1.8%低下から下落幅は縮小した。
電気・ガス料金も前年同月比で下がった。前年6月使用分は政府の負担軽減策がいったん中断していた。足元の燃料価格の下落も反映し、電気代は0.7%、都市ガス代は0.9%下落した。
訪日客による需要の増加で宿泊料は6.0%プラスだった。通信大手による新料金プランの導入などが影響し、携帯電話の通信料は11.8%上昇した。
東京都の水道基本料金の無償化により、水道代は前月に続き2.3%下がった。高校授業料の実質無償化に伴い、公立の高等学校授業料は94.1%下落した。

何といっても、現在もっとも注目されている経済指標のひとつですので、やたらと長い記事でしたが、いつものように、よく取りまとめられているという気がします。続いて、消費者物価(CPI)上昇率のグラフは下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIと生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPI、それぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフはコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。寄与度はエネルギーと生鮮食品とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1ケタの指数を基に私の方で算出しています。丸めずに有効数字桁数の大きい指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。統計局の公表数値を入手したい向きには、総務省統計局のサイトから引用することをオススメします。

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引用した記事にもある通り、7月のコアCPI上昇率の日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは+3.0%ということでした。したがって、実績の+3.1%上昇はやや上振れした印象ですが、大きなサプライズはありませんでした。また、エネルギー関連の価格については、引用した記事にもある通り、5月22日から始まった「燃料油価格定額引下げ措置」によるガソリン価格の引下げなどが反映されています。現時点の8月21~27日の支給額はガソリン・軽油で10.0円/Lとなっています。この制度の詳細については、資源エネルギー庁の資料「新たな燃料価格支援策 (燃料油価格定額引下げ措置) について」などが詳しいです。ということで、品目別に消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率とヘッドライン上昇率に対する寄与度を少し詳しく見ると、まず、食料価格の上昇が引き続き大きくなっています。すなわち、先月6月統計では生鮮食品を除く食料の上昇率が前年同月比+8.2%、ヘッドラインCPI上昇率に対する寄与度+1.96%であったのが、本日公表の7月統計ではそれぞれ+8.3%、+1.98%と、一段と高い上昇率と寄与度を示しています。寄与度差は+0.03%ポイントあります。他方で、政府の燃料油価格定額引下げ措置により、エネルギー価格の上昇率は7月統計からマイナスに転じました。すなわち、エネルギー価格については6月統計で+2.9%の上昇率、寄与度+0.23%でしたが、直近の7月統計では上昇率▲0.3%、寄与度▲0.26%となっています。2024年3月以来、1年4か月ぶりに前年同月比でマイナスに転じています。したがって、生鮮食品を除く食料だけで7月のヘッドラインCPI上昇率3.1%のうちの⅔近くを占めることになります。特に、食料の中で上昇率が大きいのはコメであり、生鮮食品を除く食料の寄与度+1.98%のうち、コシヒカリを除くうるち米だけで寄与度は+0.36%に達しています。引用した記事にもあるように、上昇率は前年同月比で+90.7%ですから、昨年から2倍近く値上げされている、ということになります。コメが値上げされれば、当然に、おにぎりやすしの価格も上がります。ただ、上昇率としてはまだ+3%を超えているものの、物価上昇がピークアウトした可能性もあります。
多くのエコノミストが注目している食料の細かい内訳について、前年同月比上昇率とヘッドラインCPI上昇率に対する寄与度で見ると、繰り返しになりますが、生鮮食品を除く食料が上昇率+8.3%、寄与度+1.98%に上ります。その食料の中で、これも繰り返しになりますが、コシヒカリを除くうるち米が2倍近くに値上がりしていて、寄与度も+0.36%あります。備蓄米が出回り始めたとはいえ、銘柄米はまだまだ高止まりしています。うるち米を含む穀類全体の上昇率は+27.4%、寄与度は+0.63%に上ります。コメ価格の推移は下のグラフの通りです。主食のコメに加えて、カカオショックとも呼ばれたチョコレートなどの菓子類も上昇率+10.8%、寄与度+0.29%に上っています。特に、その中でも、チョコレートは上昇率+39.2%、寄与度0.14%に達しています。コメ値上がりの余波を受けたおにぎりなどの調理食品が上昇率+7.1%、寄与度+0.27%、調理食品の中でもおにぎりが上昇率+18.9%、寄与度0.03%に上っています。同様にすしなどの外食も上昇率+4.5%、寄与度+0.21%を示しています。ほかの食料でも、コーヒー豆などの飲料も上昇率+9.2%、寄与度0.16%、鶏肉などの肉類が上昇率+5.2%、寄与度+0.14%、などなどと書き出せばキリがないほどです。食料やエネルギーは国民生活に欠かせない基礎的な財であり、実効ある物価対策とともに、価格上昇を上回る賃上げや最低賃金の大幅な引上げを期待しています。
最後に、総務省統計局の小売物価統計を元にした農林水産省資料「小売物価(東京都区部)の推移(総務省小売物価統計)」から引用した コメの小売価格 のグラフは下の通りです。昨年2024年年央くらいまで長らく5キロで2000~2500円のレンジにあったのですが、最近時点ではコシヒカリは5000円を超えており、コメの猛烈な価格上昇が見て取れると思います。

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