「経済財政白書」第2章 賃金上昇の持続性と個人消費の回復に向けて
先週7月29日に内閣府から「経済財政白書」2025年版が公表されています。昨日に続いて、「経済財政白書」第2章 賃金上昇の持続性と個人消費の回復に向けてを簡単に見ておきたいと思います。ただし、かなり荒っぽくしか読んでいませんので、「経済財政白書」2025年版に直接当たることを強くオススメしておきます。
第2章では、個人消費の力強い回復と、物価上昇を上回る賃金上昇の定着に向けた課題と政策を分析しています。まず、個人消費については、名目所得の伸びに比べて消費の回復が弱く、実感される購買力回復には時間がかかっている現状を指摘しています。この背景には物価上昇があり、特に、高齢者ほど適応的期待形成を通じて予想物価上昇率が高まりやすい状況にあることに加え、予想物価の上昇が異時点間の代替効果を通じて消費を押し上げるメカニズムが働きにくい、典型的には耐久財の購入にこれが現れている、と指摘しています。下に引用するグラフの通りです。高齢化が進む日本では、こういった高齢者の消費行動も重要です。
続いて、現時点では名目賃金が安定的に物価上昇を上回る状況には至っていない、と指摘し、「物価上昇を上回る賃上げ」を起点にするため、中小・小規模事業者の賃上げを促進し、適切な価格転嫁や生産性向上、経営基盤を強化する事業承継やM&Aを後押しするなど、あらゆる施策を総動員する必要がある、と指摘しています。
さらに、労働市場の長期トレンドと課題を整理し、待遇改善を通じた転職促進、特に、非正規で働く者が正規雇用に転換できるよう政策支援を進める重要性、スポットワークや副業兼業の普及、そしてデジタル化・労務管理柔軟化を通じた働き方の多様化と流動性向上といった方向性が示されています。それと併せて、地域間格差の是正や人材不足業種への対応といった点が今後の重要課題として上げられています。
総じて第2章では、消費回復と持続的な賃金上昇が経済の好循環を生む鍵と位置づけられ、そのため、中小企業・地域経済・労働政策を支える政策対応の重要性を強調しています。
最後に、下のグラフは 第2-1-17図 予想物価上昇率と耐久財の購入 を引用しています。
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