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2025年9月19日 (金)

昨年2024年11月以来の+2%台を記録した8月の消費者物価指数(CPI)

本日、総務省統計局から8月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPI上昇率は、季節調整していない原系列の前年同月比で見て、前月の+3.3%からやや減速して+3.1%を記録しています。伸び率鈍化とはいえ、まだまだ+3%台のインフレが続いています。日銀の物価目標である+2%以上の上昇は2022年4月から40か月、すなわち、3年余り続いています。ヘッドライン上昇率も+3.1%に達しており、生鮮食品とエネルギーを除く総合で定義されるコアコアCPI上昇率も+3.4%と高止まりしています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

8月の物価2.7%上昇、3カ月連続で伸び縮小 政府エネ補助が背景
総務省が19日発表した8月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合が111.6となり、前年同月と比べて2.7%上昇した。政府が電気・ガス料金の補助を7月に再開し、3カ月連続で伸び率は縮んだ。エネルギー価格は3.3%低下した。
8月も2.7%伸び、上昇は48カ月連続となった。QUICKが事前にまとめた市場予測の中央値も2.7%の上昇だった。伸びが2%台になったのは2024年11月以来となる。
伸び率の3カ月連続の縮小は政府補助を背景にしたエネルギー価格の低下がある。電気代は7.0%、都市ガス代は5.0%それぞれ下がった。政府はエアコン利用が増える7~9月の電気・ガス料金を補助しており、一般家庭で合計月1000円程度の負担を軽減している。
生鮮食品を除く食料は8.0%上昇と高止まりが続く。原材料高を受け、チョコレートが49.4%、コーヒー豆が47.6%それぞれ上がった。鶏卵は16.4%上昇している。これまで高騰が際立っていた米類の伸びは7月の90.7%から8月は69.7%に低下した。
全体を商品などのモノと旅行や外食といったサービスに分けて見ると、上昇率はモノが3.7%、サービスが1.5%だった。公共サービスを除いた「一般サービス」のうち、外食は4.8%上昇し、これまでほとんど動かず「岩盤物価」とされていた民営家賃は0.5%上がった。

何といっても、現在もっとも注目されている経済指標のひとつですので、やたらと長い記事でしたが、いつものように、よく取りまとめられているという気がします。続いて、消費者物価(CPI)上昇率のグラフは下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIと生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPI、それぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフはコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。寄与度はエネルギーと生鮮食品とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1ケタの指数を基に私の方で算出しています。丸めずに有効数字桁数の大きい指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。統計局の公表数値を入手したい向きには、総務省統計局のサイトから引用することをオススメします。

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引用した記事の2パラめにもある通り、8月のコアCPI上昇率の日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは+2.7%ということでした。したがって、実績とジャストミートしました。また、エネルギー関連の価格については、引用した記事にもある通り、「電気・ガス料金負担軽減支援事業」により、低圧電気料金は8月2.4円/kWh、9月2.0円/kWhの補助がなされています。また、都市ガスについては8月10.0円/㎡、9月8.0円/㎡の補助が、9月使用分まで実施されます。加えて、「燃料油価格定額引下げ措置」によるガソリン価格の引下げ、額としては、現時点の9月4日以降の支給額はガソリン・軽油で10.0円/Lとなっています。ということで、品目別に消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率とヘッドライン上昇率に対する寄与度を少し詳しく見ると、まず、繰り返しになりますが、政府補助金などによりエネルギーの寄与度は先月7月統計からマイナスに転じています。ヘッドラインCPI上昇率に対するエネルギーの寄与度は7月▲0.03%、8月▲0.24%となっています。したがって、というか、何というか、食料価格の上昇が大きくクローズアップされています。すなわち、先月7月統計では生鮮食品を除く食料の上昇率が前年同月比+8.3%、ヘッドラインCPI上昇率に対する寄与度+1.98%であったのが、本日公表の8月統計ではそれぞれ+8.0%、+1.90%と、高止まりしています。したがって、生鮮食品を除く食料だけで8月のヘッドラインCPI上昇率2.7%のうちの⅔超を近くを占めることになります。特に、食料の中で上昇率が大きいのはコメであり、生鮮食品を除く食料の寄与度+1.90%のうち、コシヒカリを除くうるち米だけで寄与度は+0.30%に達しています。引用した記事とは少し分類が異なりますが、上昇率は前年同月比で+68.8%ですから、一時のピークは超えた可能性がありますが、まだまだきわめて高い上昇率と考えるべきです。コメが値上げされれば、当然に、おにぎりやすしの価格も上がります。ただ、消費者物価の全体、というか平均として上昇率としてはまだ日銀の物価目標である+2%を超えているものの、物価上昇がピークアウトした可能性もあります。
多くのエコノミストが注目している食料の細かい内訳について、前年同月比上昇率とヘッドラインCPI上昇率に対する寄与度で見ると、繰り返しになりますが、生鮮食品を除く食料が上昇率+8.0%、寄与度+1.90%に上ります。その食料の中で、これも繰り返しになりますが、コシヒカリを除くうるち米が大きく値上がりしていて、寄与度も+0.30%あります。新米が出回り始めたとはいえ、銘柄米はまだまだ高止まりしています。うるち米を含む穀類全体の上昇率は+22.7%、寄与度は+0.54%に上ります。コメ価格の推移は下のグラフの通りです。主食のコメに加えて、カカオショックとも呼ばれたチョコレートなどの菓子類も上昇率+11.5%、寄与度+0.31%に上っています。特に、その中でも、チョコレートは上昇率+49.4%、寄与度0.18%に達しています。コメ値上がりの余波を受けたおにぎりなどの調理食品が上昇率+6.8%、寄与度+0.26%、調理食品の中でもおにぎりが上昇率+18.5%、寄与度0.03%に上っています。同様に、すしなどの外食も上昇率+4.4%、寄与度+0.21%を示しています。ほかの食料でも、コーヒー豆などの飲料も上昇率+9.0%、寄与度0.15%、鶏肉などの肉類が上昇率+4.8%、寄与度+0.13%、などなどと書き出せばキリがないほどです。食料はエネルギーとともに国民生活に欠かせない基礎的な財であり、実効ある物価対策とともに、価格上昇を上回る賃上げや最低賃金の大幅な引上げを期待しています。
最後に、総務省統計局の小売物価統計を元にした農林水産省資料「小売物価(東京都区部)の推移(総務省小売物価統計)」から引用した コメの小売価格 のグラフは下の通りです。昨年2024年年央くらいまで長らく5キロで2000~2500円のレンジにあったのですが、最近時点ではコシヒカリは5000円前後となっており、猛烈なコメの価格上昇が見て取れると思います。

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