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2025年9月25日 (木)

6月から3か月連続で+2%台の上昇が続く8月の企業向けサービス価格指数(SPPI)

本日、日銀から8月の企業向けサービス価格指数 (SPPI)が公表されています。ヘッドラインSPPIの前年同月比上昇率は前月7月の+2.6%から、8月は+2.7%と3か月連続で+2%台を記録しています。変動の大きな国際運輸を除くコアSPPIの上昇率も+2.8%の上昇となっています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

8月の企業向けサービス価格2.7%上昇 人件費反映続く
日銀が25日に発表した8月の企業向けサービス価格指数(速報値、2020年平均=100)は111.2となり、前年同月と比べて2.7%上昇した。前月から伸び率は微増した。人件費の上昇をサービス価格に反映する動きは続いている。
企業向けサービス価格指数は企業間で取引されるサービスの価格動向を表す。貨物輸送代金やソフトウエアの開発料金などで構成される。モノの価格の動きを示す企業物価指数とともに、今後の消費者物価指数(CPI)に影響を与える。
日銀は今回の発表で7月分の前年同月比上昇率を2.9%から2.6%に遡及修正した。
8月の内訳をみると、諸サービスは前年同月比で3.0%上昇した。人件費を価格に転嫁する動きが広がり、建物サービスは3.3%、労働者派遣サービスは2.8%上昇した。情報通信は前年同月比で2.7%上昇した。人件費の高騰でソフトウエア開発が3.4%上昇し、伸び率を押し上げた。
運輸・郵便は前年同月比で3.3%上昇した。郵便料金の値上げを背景に郵便・信書便が24.5%上昇した。不動産は2.3%上昇し、特に事務所賃貸はオフィス需要が回復した影響で3.4%上昇した。
調査品目のうち、生産額に占める人件費のコストが高い業種(高人件費率サービス)は前年同月と比べて3.3%上昇した。7月からは横ばいで、伸び率は高水準で推移している。
調査対象の146品目のうち、価格が上昇したのは111品目、下落したのは18品目だった。17品目では価格が変わらなかった。

注目の物価指標だけに、やや長くなりましたが、いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価指数(SPPI)のグラフは下の通りです。上のパネルから順に、ヘッドラインのサービス物価(SPPI)上昇率及び変動の大きな国際運輸を除くコアSPPI上昇率とともに、企業物価(PPI)の国内物価上昇率もプロットしてあり、真ん中のパネルは日銀の公表資料の1ページ目のグラフをマネして、国内価格とサービス価格のそれぞれの指数水準をそのままプロットしています。一番下のパネルはヘッドラインSPPI上昇率の他に、日銀レビュー「企業向けサービス価格指数(SPPI)の人件費投入比率に基づく分類指数」で示された人件費投入比率に基づく分類指数のそれぞれの上昇率をプロットしています。影を付けた部分は、景気後退期を示しています。

photo

上のグラフで見ても明らかな通り、モノの方の企業物価指数(PPI)のトレンドはヘッドラインとなる国内物価指数で見る限り、今年2025年4月統計まで+4%超の上昇率が続いた後、5月統計で+3%台に縮小し、6月統計でさらに+2%台に減速し、6~8月の3か月連続で+2%台を記録しています。他方、本日公表された企業向けサービス物価指数(SPPI)は、指数水準としてコンスタントに上昇を続けている一方で、今年2025年年央までは国内企業物価指数ほど上昇率が大きくなかったのが見て取れます。企業向けサービス価格指数(SPPI)のヘッドラインの前年同月比上昇率は、今年2025年3月に+3.4%の上昇率でピークを記録してから、PPI国内物価と同様に6~8月統計で3か月連続で+2%台後半となっています。本日公表の2025年8月統計では+2.7%です。しかし、まだまだ、日銀物価目標の+2%を大きく上回って高止まりしています。もちろん、日銀の物価目標+2%は消費者物価指数(CPI)のうち生鮮食品を除いた総合で定義されるコアCPIの上昇率ですから、本日公表の企業向けサービス価格指数(SPPI)とは指数を構成する品目もウェイトも大きく異なるものの、+3%近い上昇率はデフレに慣れきった国民や企業のマインドからすれば、かなり高い物価上昇と映っている可能性が大きいと考えるべきです。人件費投入比率で分類した上昇率の違いをプロットした一番下のパネルを見ても、低人件費比率のサービス価格であっても+2%超の上昇率を示しており、高人件費率のサービスでは+3%台の上昇率となっています。すなわち、人件費をはじめとして幅広くコストアップが価格に転嫁されている印象です。その意味では、政府や日銀のいう物価と賃金の好循環が実現しているともいえますが、実態としては、物価上昇が賃金上昇を上回っており、国民生活が実質ベースで苦しくなっているのは事実と考えざるをえません。
もう少し詳しく、SPPIの大類別に基づいて本日公表された8月統計のヘッドラインSPPI上昇率+2.7%への寄与度で見ると、建物サービスや労働者派遣サービスや土木建築サービスといった諸サービスが+1.17%ともっとも大きな寄与を示していて、ヘッドライン上昇率の半分近くを占めています。加えて、ソフトウェア開発や情報処理・提供サービスやインターネット附随サービスなどといった情報通信が+0.61%、さらに、SPPI上昇率高止まりの背景となっている項目として、昨年2024年10月から郵便料金が値上げされた郵便・信書便、石油価格の影響が大きい道路貨物輸送、さらに、鉄道旅客輸送などの運輸・郵便が+0.53%、ほかに、不動産+0.21%、リース・レンタルも+0.12%、広告が+0.09%、金融・保険も+0.04%などとなっています。

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