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2025年9月 5日 (金)

明らかな減速を示す8月の米国雇用統計が追加利下げを促すか?

日本時間の今夜、米国労働省から8月の米国雇用統計が公表されています。非農業雇用者数の前月差は、7月統計の+79千人増から8月統計では+22千人増と市場予想を下回り、失業率は7月の4.2%から+0.1%ポイント上昇して4.3%を記録しています。まず、USA Today のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を5パラ引用だけすると以下の通りです。

Economy adds disappointing 22,000 jobs in August, jobs report shows. Unemployment rises
U.S. hiring slowed further in August as President Donald Trump's aggressive trade, immigration and federal layoff policies took a widening toll on a rapidly softening labor market.
Employers added a disappointing 22,000 jobs and the unemployment rate rose from 4.2% to 4.3%, the Bureau of Labor Statistics said Sept. 5.
Also worrisome: Payroll gains for June and July were revised down by a total 21,000 and now reveals the economy shed 13,000 jobs in June - the first job losses since the depths of the pandemic in December 2020.
The report would appear to virtually cement a widely expected interest rate cut - the first since December - at the Federal Reserve's September 16-17 meeting.
Ahead of the report, economists surveyed by Bloomberg estimated that 75,000 jobs were added last month.

いつもの通り、よく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルでは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門を、さらに、下は失業率をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。NBERでは2020年2月を米国景気の山、2020年4月を谷、とそれぞれ認定しています。ともかく、2020年4月からの雇用統計からやたらと大きな変動があって縦軸のスケールを変更したため、わけの判らないグラフになって、その前の動向が見えにくくなっています。少し見やすくしたのですが、それでもまだ判りにくさが残っています。

photo

米国の雇用は非農業部門雇用者の増加については、直近月の8月統計とともに、6-7月統計も注目を集めました。すなわち、6月統計では+14千人増から、何と▲13千人増に下方修正され、7月統計では+73千人増から+79千人増に、逆に、上方修正されました。でも、6-7月の2か月をならせば▲21千人減となるのは引用した記事でも主張しているところです。さらに、引用した記事の最後のパラにあるように、Bloombergによる市場の事前コンセンサスでは8月は+75千人増と予想されていただけに、これまた、引用した記事でも2パラ目に"disappointing"という形容詞を付けており、米国雇用は減速が鮮明になっています。ついでながら、失業率もわずかに上昇しています。引用した記事の最初のパラでは、"President Donald Trump's aggressive trade, immigration and federal layoff policies" すなわち、トランプ大統領の関税政策、移民政策、連邦政府職員のレイオフを3大要因として上げているようです。
次回9月17日からの連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利下げが決定されるとの見通しが有力となっていますが、今後、雇用情勢がさらに悪化したとの指標が明らかになれば、年内に想定されている利下げの回数が増えたり、通常の2倍となる50ベーシスの利下げが実施されたりする可能性も排除できません。

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