3か月ぶりの前月比増となった9月の機械受注
本日、内閣府から9月の機械受注が公表されています。機械受注のうち民間設備投資の先行指標であり、変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て前月から+4.2%増の9278億円と、3か月ぶりの増加を記録しています。ただし、同時に公表された7-9月期の統計は前期比▲2.1%減の2兆7158億円となっています。また、10-12月期の見通しは+0.2%増の2兆7212億円と見込まれています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。
機械受注2.1%減 7-9月期、4四半期ぶりマイナス
内閣府が19日発表した7~9月期の機械受注統計によると、設備投資の先行指標とされる民需(船舶・電力を除く、季節調整済み)は前期比2.1%減の2兆7158億円だった。4四半期ぶりにマイナスに転じた。9月末時点の10~12月期の受注見通しは前期比0.2%増とほぼ横ばいだった。
7~9月期は非製造業が5.0%減だった。通信業や金融・保険業で電子計算機などの受注が落ち込んだ。不動産業も前期からの反動減があった。
製造業は3.4%増だった。汎用・生産用機械の電子応用装置などで大型案件の受注がありプラスに寄与した。
内閣府の見通しで10~12月期はプラスに転じるもののほぼ横ばいだ。米国による一連の関税政策による影響について、内閣府の担当者は「全体としては明確には表れていない」と述べた。
9月単月の民需は前月比4.2%プラスの9278億円と3カ月ぶりに増加した。製造業が23.3%増と全体をけん引した。非製造業は8.7%マイナスとなった。
内閣府は9月の基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」で据え置いた。民需(船舶・電力除く)の毎月のぶれをならした3カ月移動平均は0.5%減と4カ月連続で減少した。
包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、機械受注のグラフは下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

引用した記事にはありませんが、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは前月比+2.3%増と見込まれていました。実績の+4.2%増はやや上振れした印象ながら、レンジ上限+5.0%を下回っていますし、大きなサプライズはありませんでした。いずれにせよ、振れの大きな統計ですので四半期ベースでコア機械受注をならして見ると、1~3月期前期比+3.9%増の後、4~6月期も+0.4%増でしたが、おそらく、米国のトランプ関税の影響もあって、本日公表の7~9月期は▲2.1%減を記録しました。ただ、10~12月期はほぼ横ばいながら、+0.2%増が見込まれています。また、月次統計を見ると、9月のコア機械受注が前月比+4.2%と3か月ぶりのプラスでしたが、統計作成官庁である内閣府では、基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」で据え置いています。9月統計を業種別に季節調整済みの前月比で見て、製造業が+23.3%増の一方で、船舶・電力除く非製造業は▲8.7%減となっています。
日銀短観などで示されたソフトデータの投資計画が着実な増加の方向を見込んでいる一方で、機械受注やGDPなどのハードデータで設備投資が増加していないという不整合があり、現時点ではまだ解消されているわけではないと私は考えています。人手不足は見込み得る範囲の近い将来にはまだ続くことが歩く予想されますし、DXやGXに向けた投資が盛り上がらないというのは、低迷する日本経済を象徴しているとはいえ、大きな懸念材料のひとつです。かつて、途上国では機械化が進まないのは人件費が安いからであるという議論が広く見受けられましたが、日本もそうなってしまうのでしょうか。設備投資の今後の伸びを期待したいところですが、先行きについては決して楽観はできません。特に、日銀が金利の追加引上げにご熱心ですので、すでに実行されている利上げの影響がラグを伴って現れる可能性も含めて、為替への影響を別にしても、金利に敏感な設備投資には悪影響を及ぼすことは明らかです。トランプ関税は一段落したとしても、どう考えても、先行きについてリスクは下方に厚いと考えるべきです。
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