3か月ぶりに改善した9月の景気動向指数
本日、内閣府から9月の景気動向指数が公表されています。統計のヘッドラインを見ると、CI先行指数は前月から+1.0ポイント上昇の108.0を示した一方で、CI一致指数は+1.8ポイント上昇の114.6を記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから報道を引用すると以下の通りです。
景気動向一致指数9月は1.8ポイント上昇、3カ月ぶり改善=内閣府
内閣府が10日公表した景気動向指数速報によると、足元の動きを示す一致指数は前月比1.8ポイント上昇の114.6と3カ月ぶりに改善した。
一致指数から機械的に決まる基調判断は「下げ止まりを示している」で据え置いた。
一致指数を構成する各種経済指標のうち、投資財出荷指数や鉱工業生産指数、卸売販売額などが指数を押し上げた。半導体製造装置やフラットパネル製造装置の生産・出荷、電子部品の東南アジア向け輸出入増などが寄与した。
先行指数も前月比1.0ポイント上昇の108.0と5カ月連続で改善した。最終需要財在庫率指数やマネーストック、新設住宅着工床面積などが押し上げ要因だった。化粧品など非耐久消費財の在庫率改善などが寄与した。
いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

9月統計のCI一致指数は、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、前月から+1.7ポイントの改善が見込まれていましたので、実績の+1.8ポイントの上昇はやや上振れた印象です。また、3か月後方移動平均は3か月連続の下降で前月から▲0.44ポイント下降し、7か月後方移動平均も前月から▲0.35ポイント下降し、これまた、3か月連続の下降となっています。統計作成官庁である内閣府による基調判断は、5月統計から「下げ止まり」に下方修正されましたが、今月9月統計でも「下げ止まり」に据え置かれています。私は従来から、米国経済がソフトランディングに成功するとすれば、そう簡単には日本経済が景気後退局面に入ることはないと考えていて、それはそれで正しいと今でも考えていますが、米国経済に関する前提が怪しくなってきた印象で、トランプ政権が乱発している関税政策により、インフレの加速と消費者心理の悪化の両面から消費を押し下げる効果が強いため、米国経済がリセッションに陥る可能性も無視できない、と考えています。加えて、日本経済はすでに景気回復・拡大局面の後半に入っている点は忘れるべきではありませんし、多くのエコノミストが円高を展望して待ち望んでいる金融引締めは景気を下押しすることが明らかであり、引き続き、注視する必要があるのは当然です。
CI一致指数を構成する系列を前月差に対する寄与度に従って詳しく見ると、投資財出荷指数(除輸送機械)が+0.37ポイントがもっとも大きく、次いで、生産指数(鉱工業)の+0.36ポイント、商業販売額(卸売業)(前年同月比)が+0.35ポイント、などが上昇の方向で寄与しています。マイナス寄与は、耐久消費財出荷指数と有効求人倍率(除学卒)だけで、ともに▲0.05ポイントに達しない小さなマイナス寄与です。ついでに、前月差+1.0ポイントと上昇したCI先行指数の上昇要因も数字を上げておくと、最終需要財在庫率指数が+0.57ポイント、マネーストック(M2)(前年同月比)が+0.37ポイント、新設住宅着工床面積が+0.28ポイントなどとなっています。高値をつけていた株価は少し下げ始めていて、やや先行き不透明な動きを続けていますが、景気動向指数の先行指数に含まれていますし、今後の景気動向を占う上で何らかの参考になるかもしれません。
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