« いずれも市場予想より上振れした11月の貿易統計と10月の機械受注 | トップページ | +3%の高い伸びが続く11月の消費者物価指数(CPI)と日銀利上げ »

2025年12月18日 (木)

日銀追加利上げの影響やいかに?

私がさまざまな報道に接する限り、本日から記載されている日銀金融政策決定会合で、25ベーシスの追加利上げが確実視されていますが、今週月曜日の12月15日にみずほリサーチ&テクノロジーズから「日銀追加利上げによる家計・企業への影響」と題するリポートが明らかにされています。無担保オーバーナイトコールのいわゆる政策金利を25ベーシス利上げし、0.75%とすると、10年もの国債の長期金利が49ベーシス上昇して平均2.01%に、また、預金金利も4ベーシス上昇する、また、企業セクターでは、有利子負債利子率が40ベーシス上昇して平均2.27%、有利子資産利子率も19ベーシス上昇して平均2.7%、などといった仮定を置いた家計や企業への影響を試算しています。

photo

まず、上のグラフはみずほリサーチ&テクノロジーズのリポートから 追加利上げによる家計全体への影響 を引用しています。見れば判ると思いますが、普通預金の利子収入増で+0.3兆円、定期預金の利子収入増で+0.7兆円、保有国債の利子収入増で+0.2兆円、そして、住宅ローン利払い増で▲0.5兆円となり、締めて+0.8兆円の収入増となる、という試算結果です。

photo

続いて、上のグラフはみずほリサーチ&テクノロジーズのリポートから 追加利上げによる世帯当たりの影響 を引用しています。世帯主の年齢階級別になっているところが注目です。上のパネルは2人以上家計すべて、下のパネルは2人以上家計のうち負債のある家計だけに焦点を当てています。これまた、見れば明らかなのですが、平均的に見て、現役世代の30歳代や40歳代くらいは金融資産による恩恵よりも住宅ローンの負担が重くて収支がマイナスとなっている一方で、60歳代や70歳代の高齢引退世代では住宅ローン負担ではなく金融資産からの収入増が上回る、という結果が見て取れます。そうです。利上げは世代別に見た不平等や格差を拡大する可能性が大きいと考えるべきです

photo

続いて、上のグラフはみずほリサーチ&テクノロジーズのリポートから 追加利上げによる企業の経常利益への影響 のグラフを引用しています。リポートには産業別もあるのですが、やや煩雑になりますので割愛しました。これも見れば判る通り、まず第1に、企業部門は規模がどうであれ平均的に経常利益にはマイナスの影響が出る、ということが重要です。第2に、金利引上げに対して規模の小さな企業ほど財務構造が脆弱であり、経常利益へのマイナスの影響が大きい、ということです。金利引上げは企業セクターに対しておしなべてマイナスの影響を及ぼしますが、従来からある我が国の規模別の企業間格差を拡大する方向の影響を持つ、と考えるべきです。

まあ、明らかな金利引上げの帰結なのですが、日銀はこういった影響を十分に考慮しつつも、それでもやっぱり金利引上げが必要、という結論なのだと私は受け止めています。

|

« いずれも市場予想より上振れした11月の貿易統計と10月の機械受注 | トップページ | +3%の高い伸びが続く11月の消費者物価指数(CPI)と日銀利上げ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« いずれも市場予想より上振れした11月の貿易統計と10月の機械受注 | トップページ | +3%の高い伸びが続く11月の消費者物価指数(CPI)と日銀利上げ »