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2026年1月14日 (水)

第一生命経済研究所のリポート「どうなる? 2026年の物価と家計負担!」

やや旧聞に属するトピックながら、1月5日に第一生命経済研究所から「どうなる? 2026年の物価と家計負担!」と題するリポートが明らかにされています。結論を先取りすると、昨年2025年から4人家族で約+8.9万円の家計負担増の可能性がある一方で、政府による物価高対策により▲2.5万円の負担軽減策が取られる、と見込んでいます。物価上昇を中心に簡単にグラフを引用しつつ取り上げておきたいと思います。

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まず、リポートから 輸入物価と消費者物価 のグラフを引用すると上の通りです。オレンジの折れ線グラフの消費者物価上昇率は、少しラグを伴いつつもブルーの輸入物価上昇率と連動していたのですが、ここ1-2年の最近時点では、コメ価格の上昇がインフレの大きな要因となっている点に現れているように、輸入インフレではなく国内要因に基づく物価上昇であると結論しています。はい、私も従来から日本のインフレは金融政策取りも石油価格の方に敏感に反応すると考えていましたが、最近ではコメをはじめとする食料価格の影響が大きいのは、その通りです。ですので、円安が進んでも為替が大きく物価に影響するという状態ではない可能性があります。少なくとも、金利引上げによって為替を円高に誘導してインフレ抑制を図るという政策割当は疑問が大きいといわざるを得ません。

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次に、リポートから 消費者物価インフレ率と春闘賃上げ率 のグラフを引用すると上の通りです。このグラフだけを見ると、消費者物価指数で計測したインフレは春闘賃上げ率を下回っており、実質賃金が上昇しているように見えますが、先週1月8日に厚生労働省から公表された毎月勤労統計でも明らかなように、昨年2025年11月の統計まで11か月連続で実質賃金は前年同月を下回ってマイナスを記録しています。ですので、上のグラフも一定の幅を持って見ておく必要はありますが、日本経済研究センター(JCER)によるESPフォーキャスト通りに今後も消費者物価が推移するとすれば、2025年のインフレ率+3.1%に対して2026年のインフレ率は+1.8%に鈍化する、と指摘しています。私も、おそらく、インフレ率は近く日銀物価目標の+2%を下回る可能性が高いと考えています。
このインフレ予想にしたがって、リポートでは、「家計の1人あたり負担増加額は2025年に前年から+3.8万円(4人家族で+15.3万円)増加した後に、2026年はそこから+2.2万円(4人家族で+8.9万円)の増加にとどまると試算される」と結論しています。加えて、ガソリン軽油の暫定税率排しなどの「政府の物価高対策でインフレに伴う今年の家計負担額は▲22%程度軽減される」とも試算しています。

60歳の定年までの公務員のころは管理職でしたが、私も再就職でヒラ教員となって労働組合員に復帰しました。まずは、春闘でしっかりと賃上げを勝ち取ることが必要です。それがなければ、多くの前提が崩れることになりかねません。

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