さ来週公表予定の10-12月期GDP統計速報1次QEの予想やいかに?
先月末あたりから必要な統計がほぼ出そろって、さ来週2月17日に、昨年2025年10~12月期GDP統計速報1次QEが内閣府より公表される予定となっています。すでに、シンクタンクなどによる1次QE予想が出そろっています。ということで、いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下のテーブルの通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、GDP統計の期間である昨年2025年10~12月期ではなく、足元の1~3月期から先行きの景気動向を重視して拾おうとしています。先行き経済について言及しているシンクタンクは大和総研やみずほリサーチ&テクノロジーズなど多くあり、特にこの2機関は詳細に分析していますので長々と引用してあります。いずれにせよ、1次情報にご興味ある向きは一番左の列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。なお、"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまででクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。
(+2.1%)
| 機関名 | 実質GDP成長率 (前期比年率) |
ヘッドライン |
| 日本総研 | +0.2% (+0.7%) |
2025年7~9月期の実質GDP(2次QE)は、設備投資と公共投資が大幅に下方改定される見込み。この結果、成長率は前期比年率▲2.4%(前期比▲0.6%)と、1次QE(前期比年率▲1.8%、前期比▲0.4%)から下振れると予想。 |
| 大和総研 | +0.2% (+0.7%) |
2026年1-3月期の日本経済は、プラス成長を続けると見込んでいる。所得環境の改善により個人消費が増加に転じるほか、設備投資も増加を続けよう。輸出は、トランプ米政権による高関税政策(トランプ関税)や中国政府の渡航自粛要請の影響などから、財、サービスいずれも減少するとみられる。 個人消費は増加すると予想する。背景にあるのは、実質賃金の上昇だ。10月以降の最低賃金の大幅引き上げなども背景に、名目賃金上昇率が堅調に推移する一方、物価上昇率は政府のエネルギー高対策や食料品価格の上昇鈍化などにより、大きく低下しよう。例年以上の高水準となったとみられる2025年の年末賞与も、ラグを伴いつつ、2026年1-3月期の消費を下支えすると見込んでいる。 設備投資は増加すると予想する。日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(日銀短観)によると、12月調査時点での2025年度の設備投資計画(全規模全産業、除く土地、含むソフトウェア・研究開発)は前年度比+9.5%と堅調だった。トランプ関税の影響により輸出企業の一部で投資意欲が下押しされる面はあるものの、日本経済全体ではソフトウェアや研究開発にけん引される形で、設備投資の増加基調が維持されると見込んでいる。 住宅投資は、2025年4月の法改正前後の駆け込み需要と反動減の影響がおおむね一巡し、横ばい圏で推移すると見込んでいる。 公共投資は増加すると予想する。防災・減災、国土強靱化にかかる事業の進捗に下支えされる中、2025年後半に弱含んだ反動が一部で表れよう。政府消費は、高齢化に伴う医療費増などにより増加すると見込んでいる。 輸出は減少が続くと予想する。トランプ関税への対応で、企業が米国での販売価格を引き上げたり、現地生産・調達を増やしたりする動きが加速することで、財輸出は米国向けを中心に減少しよう。サービス輸出も、中国政府の渡航自粛要請により中国人訪日客の減少が続くことなどから、弱含むとみられる。 |
| みずほリサーチ&テクノロジーズ | +0.6% (+2.4%) |
2026年1~3月期の実質GDPも、個人消費や設備投資などの内需を中心に緩やかな拡大が続くだろう。 個人消費は、実質賃金の改善が追い風になると見込む。名目賃金の上昇傾向が続く一方、食料インフレの減速や政府の物価高対策を受けて物価の伸びが抑制されるためだ。2025年末にいわゆるガソリン暫定税率が廃止されたことに加え、2025年度補正予算に盛り込まれた電気・ガス代支援の効果が2~4月のインフレ率を押し下げる(支援実施期間は1~3月)ことで、コアCPI(生鮮食品を除く総合)は一時的に前年比+2%を下回ると考えられる。 設備投資は、企業の堅調な景況感・業績や、省力化・DX関連投資といった構造的な投資需要を背景とする旺盛な設備投資意欲を受け、拡大傾向が続くだろう。米国の高関税は今後も残るものの、日本の輸出をさらに下押しする可能性は小さく、設備投資への影響も限定的とみる。 さらに、2026年度の日本経済は、こうした個人消費や設備投資の拡大に、高市政権の総合経済対策の効果も本格的に加わり、前年比+1%前後の堅調な成長になると見込まれる。公共投資を中心とする公的需要の拡大、エッセンシャルワーカーの処遇改善や子育て応援手当などを通じた消費喚起、そして、「危機管理投資・成長投資」による設備投資の支援策が、2026年度の成長率を押し上げる要因になろう。 金融政策については、経済・物価や為替の動向などを踏まえて日本銀行が今後2026年度内に2回の追加利上げを行い、政策金利が1.25%の水準に到達すると現時点で見込んでいる。 |
| ニッセイ基礎研 | +0.4% (+1.7%) |
2025年10-12月期は、外需がほぼ横ばいとなる中、民間消費、住宅投資、設備投資がいずれも増加し、国内民間需要中心のプラス成長になったとみられる。輸出は当面横ばい圏にとどまるものの、物価高対策による実質購買力の改善を主因として民間消費が底堅く推移し、高水準の企業収益を背景に設備投資の増加が続くことが見込まれる。現時点では、2026年1-3月期の実質GDPは前期比年率1%台のプラス成長を予想している。 |
| 第一生命経済研 | +0.4% (+1.5%) |
現時点では、26年1-3月期もプラス成長を予想している。米国経済が底堅く推移していることから輸出の緩やかな持ち直しが見込めることに加え、物価の鈍化に伴って実質賃金の下げ止まりが予想されることが下支え要因となるだろう。これまで賃金の伸びが物価上昇に追い付かず、実質賃金は減少が続いていた。だが、ガソリン旧暫定税率廃止や電気・ガス代補助金の再開といった政策要因もあり、1-3月期のCPIは前年比+2%を割り込む可能性が高く、実質賃金もプラス圏に浮上することが予想される。所得面での下押しが和らぐことが、個人消費の下支えになるだろう。 |
| 三菱UFJリサーチ&コンサルティング | +0.5% (+2.0%) |
2025年10~12月期の実質GDP成長率(1次速報値)は、前期比+0.5%(前期比年率換算+2.0%)と、2四半期ぶりのプラス成長になったと見込まれる。個人消費や設備投資といった内需が底堅く推移したほか、トランプ関税の影響で落ち込んでいた米国向けを中心に、輸出に下げ止まりの動きがみられたことも下支えとなった。加えて、制度変更の影響で前期に大きく落ち込んだ住宅投資が、住宅着工の持ち直しを受けて前期比プラスに転じたことも押し上げに寄与した。 |
| 三菱総研 | +0.4% (+1.6%) |
先行きの日本経済は、内需の底堅さに支えられ、1%近傍のプラス成長が続くとみる。 個人消費は、家計の購買力回復・マインド改善から、緩やかに持ち直すとみる。26年春闘では5%超の高い賃上げ率が維持され、先行きの実質賃金が前年比プラス基調に転じるだろう。 企業の設備投資は、DX・GX・供給網強靱化などの構造的な取り組みに加え、設備投資促進政策の押し上げもあり、拡大傾向が続くだろう。 |
| 伊藤忠総研 | +0.4% (+1.8%) |
2026年1~3月期は、米国経済の減速に加え、春節期間の訪日中国人客の大幅減が懸念されるため、輸出は再び前期比で減少に転じるとみられる。一方、政府の物価高対策の効果もあり個人消費は増勢を強め、設備投資は拡大基調を維持、公共投資も今年度補正予算での追加分が執行され増加に転じると見込まれるため、マイナス成長は回避すると予想。ただ、実質GDP成長率は減速する可能性があろう。 |
| 明治安田総研 | +0.4% (+1.8%) |
先行きは、コメをはじめとする食品価格の寄与低下や、ガソリン税の旧暫定税率廃止などの影響で物価上昇率が鈍化することから、実質賃金はプラス圏に浮上することが見込まれる。ただし、プラス幅自体は限定的とみられ、個人消費はあくまで緩やかな回復にとどまるとみる。設備投資は、日銀短観など各種調査でみられるとおり計画は堅調で、良好な企業収益に加え、省力化投資の需要が安定的に見込まれることを追い風に底堅い推移が続くと予想する。一方、住宅投資は、住宅価格の高止まりと住宅ローン金利の上昇が足枷になるとみる。 外需については、インバウンド需要は一定程度下支え要因となるものの、米国の関税が引き続き自動車を中心に下押し圧力になるほか、中国景気が力強さを欠くことなどから財輸出は停滞気味の推移が見込まれる。これらを踏まえると、2026年の日本景気は緩やかな回復傾向で推移するというのがメインシナリオである。 |
| 農中総研 | 10~12 月期のGDPについて、実質成長率は前期比0.5%(同年率換算2.1%)と、2期ぶりのプラスと予想する。前年比も0.8%と6期連続のプラスが見込まれる。また、名目成長率は前期比0.9%(同年率3.6%)と2期ぶりのプラスとなるだろう。 | |
| 東京財団 | +0.28% (+1.13%) |
モデルは、2025年10-12月期のGDP(実質、季節調整系列前期比)を、0.28%と予測。※年率換算: 1.13% |
すべてのシンクタンクが2025年10~12月期をプラス成長と見込んでいます。大雑把に、+1%台後半から+2%台前半というところかと思います。そして、現在の足元の1~3月期もプラス成長を見込んでいるシンクタンクが多くなっています。昨期の10~12月期と足元の1~3月期に共通して、大雑把な見方として、政府の物価高対策を含めて物価上昇率が低下してきたのに従って、実質所得が増加して消費が増加しているのが大きな要因のひとつと私は考えています。ただ、米国のトランプ関税などで輸出は伸び悩んでおり、外需が内需の足を引っ張っている、という構図かと思います。ただ、内需にしても、住宅投資は制度要因によるかく乱から脱したばかりですし、設備投資も日銀短観などに示された投資計画通りに実行されるという保証はありません。特に、みずほリサーチ&テクノロジーズが想定しているように、日銀が政策金利を2回に渡ってベーシスずつ引き上げて1.25%になったりすると、設備投資や住宅投資には金利上昇の悪影響が出始めかねないと私は危惧しています。ただ、少なくとも現時点では今年の春闘でも+5%程度の賃上げとなり、消費者物価上昇率が今年前半には+2%を下回る可能性が高いですから、消費が今年2026年に拡大する可能性は高まっていると考えられます。例えば、日本経済研究センター(JCER)のESPフォーキャストによれば、いずれも予想値の平均で、2026年の春季賃上げ率は5.02%、2026年1~3月期の消費者物価上昇率は+1.90%と、それぞれ予想されています。ですので、実質賃金は+2-3%の伸びとなる可能性が高まっています。消費はその実質所得の増加に従って拡大すると期待してよさそうです。
最後に、下のグラフはニッセイ基礎研究所のリポートから引用しています。
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