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2026年2月26日 (木)

AI活用はどうあるべきか?

やや旧聞に属するトピックながら、先週木曜日の2月19日、日本総研から「AI 導入、『効率化』に終われば低成長」と題するリポートが明らかにされています。日本総研のリポートから1ページ目の要点4点のうち、2点目と3点目を引用すると次の通りです。

要点
  • 人口減少が加速するわが国では、今後も業務効率化を目的としたAI活用が先行しやすい。こうした利用は、人手不足の緩和に資する面もあるが、提供される製品・サービスの中身や需要構造を大きく変えない限り、経済全体への波及効果は限定的となる。試算によると、生成AIの利用が効率化にとどまる場合、経済押し上げ効果は年率0.2~0.4%に過ぎず、労働力人口の減少ペースなどを踏まえると、成長戦略と位置づけるには力不足である。地域によっては効果がほとんど現れず、格差拡大を招く恐れもある。
  • 高成長につなげるためには、AIの利用を効率化にとどめず、新たな製品・サービスの創出に振り向けることにある。そのためには、予測・最適化・常時監視などAIが持つ機能を軸に業務プロセスを再設計し、品質の向上や新しい事業の立ち上げにつなげる取り組みが不可欠である。とくに、医療、介護、物流といったエッセンシャル・サービスで付加価値の創出が進めば、経済押し上げ効果を年率1%以上に高めることも可能となり、成長底上げと格差縮小の余地が広がる。

少し前に、内閣府がAIと労働について「世界経済の潮流 2024年Ⅰ」で分析した際には、IMF による次の Cazzaniga et ak. (2024) に基づいていたのですが、ここで取り上げた日本総研のリポートは次の OECD による Filippucci et al. (2025) に基づいています。それぞれの引用情報は以下の通りです。

続いて、日本総研のリポートから AI導入率(中核業務における本格導入) と AIの利用割合(地域別、2024年) のグラフを引用すると次の通りです。

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見ての通りで、中核業務におけるAIの本格導入について見ると、先進国の中では日本がもっとも遅れています。今さらながら、広く知れ渡った事実だという気がします。日本国内の地域別を見ると、首都圏を中心とする南関東や近畿圏で利用が広がっているものの、まだ20%にも達していない、という結果です。この地域別も、軽く想像されるところです。このリポートにはグラフなどはありませんが、企業規模別に見ると、おそらく、大企業ほど導入が進んでいるのは間違いのないところでしょう。なお、日本総研のリポートには、(図表7) AI利用率の想定 があり、引用はしませんが、2040年の時点で米国68.0%に対して、日本は37.6%にとどまる、との試算が示されています。

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続いて、日本総研のリポートから 生成AIによる経済押し上げ効果 のグラフを引用すると上の通りです。これまた、見ての通りで、3ケースが示されていますが、保守ケースとは生成AIの利用範囲が現状並みにとどまる場合であり、今後15年間の経済押上げ効果は年率+0.20%と小さなものにとどまり、今後想定される適用タスクの拡大を一定程度見込む標準ケースでも年率0.42%に過ぎません。これに対する進展ケースでは、日本総研のリポートによれば、経済効果を高めるために、AIが持つ機能を軸にタスク構成そのものを組み替え、「人間とAIの協働領域」や「AIだけができる領域」を起点に、品質の向上や新事業の立ち上げにつなげ、AIを幅広い分野に適用するとともに、導入の採算性を高めることで利用する企業を増やすことができると指摘しています。さらに、人間とAIの協働を前提とした設計が進むことで、補完的な活用も増えやすくなり、その結果として、対人対応、判断の説明、関係構築といった「人間にしかできない領域」を厚くする循環が生まれ、経済成長力を高めることが期待される、との主張です。そして、この進展ケースでは15年間の経済効果は+1.26%に達することが示唆されています。
このための方策としては、政府が昨年2025年12月に決定した「人工知能基本計画」の着実な推進による供給サイドの施策とともに、AIを活用した製品・サービスへの需要の創出、販路の開拓などによる需要サイドの施策も必要、と強調しています。

はい、私もそう思います。強調表示しておいた「導入の採算性を高める」がもっとも重要なポイントであり、単に補助金でAI導入コストを下げて導入を促進するのではなく、企業が採算面から本格導入を進めることができるかどうかがポイントになります。でも、企業や経済団体は今までのパターンからすると、国民には痛みを伴う改革を求めながら、企業は補助金を欲しがるんでしょうね。

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