自動車の出荷減で2か月連続の下降となった2025年12月の景気動向指数
本日、内閣府から昨年2025年12月の景気動向指数が公表されています。統計のヘッドラインを見ると、CI先行指数は前月から+0.3ポイント上昇の110.2を示した一方で、CI一致指数は▲0.4ポイント下降の114.5を記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事をロイターのサイトから引用すると以下の通りです。
景気一致指数、12月は2カ月連続マイナス 自動車出荷減など響く
内閣府が6日公表した2025年12月の景気動向一致指数(速報、2020年=100)は前月比0.4ポイント低下の114.5と2カ月連続のマイナスとなった。
基調判断は「下げ止まりを示している」で据え置いた。
一致指数を押し下げたのは、耐久消費財出荷指数や小売販売額、投資財出荷指数など。自動車や半導体製造装置などの出荷減少、ガソリン価格の低下などが影響した。
一方、先行指数は前月比0.3ポイント上昇の110.2と、8カ月連続で改善した。新設住宅着工床面積や新規求人数、中小企業売上見通しなどが指数を押し上げた。新設住宅着工床面積は昨年4月の省エネ基準適合義務化を控えた駆け込み需要の反動で落ち込んだ後、緩やかに改善傾向が続いている。
いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、まん中のパネルはDI一致指数を、下のパネルは景気を把握する新しい指数(一致指数)を、それぞれプロットしています。一番下のパネルのみ、最新データは2025年11月です。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

繰返しになりますが、昨年2025年12月統計のCI一致指数は、前月から▲0.4ポイント下降しました。加えて、内閣府のプレスリリースによれば、3か月後方移動平均は3か月ぶりの下降で前月から▲0.13ポイント下降した一方で、7か月後方移動平均は前月から▲0.14ポイント下降し、こちらは2か月連続の下降となっています。統計作成官庁である内閣府による基調判断は、5月統計から「下げ止まり」に下方修正されましたが、12月統計でも「下げ止まり」に据え置かれています。私はいろいろと紆余曲折を経つつも、米国経済がソフトランディングに成功するとすれば、そう簡単には日本経済が景気後退局面に入ることはない、と考えています。ただし、米国経済でも日本経済でもまだまだインフレが高止まりしており、特に、日本ではすでに景気回復・拡大局面の後半に入っている点は忘れるべきではありません。加えて、長期金利が2%超となっている中で、多くのエコノミストが円高を展望して待ち望んでいる金融引締めは景気を下押しすることが明らかであり、引き続き、注視する必要があるのは当然です。
ただ、今月は景気動向指数に3枚目のグラフを新たに付け加えました。上のグラフの一番下のパネルの景気を把握する新しい指数(一致指数)です。12月データがまだ利用可能ではありませんが、青いラインの現行のCI一致指数が停滞気味であるのに比べて、赤の景気を把握する新しい指数(一致指数)は明らかに現行CI一致指数よりも上向きとなっています。そして、その景気を把握する新しい指数(一致指数)を構成する生産・分配=所得・支出の3面と財・サービス別のコンポーネントをプロットしています。新指標を構成する3面の中では、生産よりも支出が上昇し、さらに支出よりも分配=所得が上昇し、新指標をけん引している点が読み取れます。もちろん、財・サービス別では財よりもサービスの方の上昇が大きくなっています。この新指標はまだ参考指標ではありますが、何となく私の実感によくマッチしている気がします。
最後に、CI一致指数を構成する系列を前月差に対する寄与度に従って詳しく見ると、耐久消費財出荷指数が▲0.35ポイント、次いで、商業販売額(小売業)(前年同月比)が▲0.26ポイント、投資財出荷指数(除輸送機械)が▲0.17ポイント、などが下降の方向で寄与しています。引用した記事にある「自動車出荷減」は耐久消費財集荷指数や商業販売額(小売業)に現れているようです。逆に、商業販売額(卸売業)(前年同月比)が+0.26ポイント、有効求人倍率(除学卒)が+0.13ポイント、営業利益(全産業)は+0.10ポイント、などが上昇の方向での寄与を示しています。ついでに、前月差+0.3ポイントと上昇したCI先行指数についても上昇要因だけ数字を上げておくと、新設住宅着工床面積が+0.51ポイント、新規求人数(除学卒)が+0.33ポイント、中小企業売上げ見通しDIが+0.22ポイント、などとなっています。
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