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2026年3月24日 (火)

ほぼ4年ぶりに日銀物価目標を下回った2月の消費者物価指数(CPI)

本日、総務省統計局から2月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPI上昇率は、季節調整していない原系列の前年同月比で見て、前月からさらに減速して+1.6%を記録しています。日銀物価目標の+2%を下回ったのは3年11か月ぶりだそうです。生鮮食品を含むヘッドライン上昇率は+1.3%まで減速している一方で、生鮮食品とエネルギーを除く総合で定義されるコアコアCPI上昇率は+2.5%となっています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

2月の消費者物価指数1.6%上昇 伸び率3年11カ月ぶりに2%下回る
総務省が24日発表した2月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は変動が大きい生鮮食品を除く総合指数が111.4となり、前年同月比で1.6%上昇した。伸び率は3年11カ月ぶりに2%を下回った。昨年末のガソリン旧暫定税率の廃止や政府の電気・ガス代補助などでエネルギー価格が下がった。
QUICKが事前にまとめた市場予測の中央値は1.7%の上昇だった。2月末に始まった米国・イスラエルによるイラン攻撃の影響で原油価格は高騰しており、3月以降は再び2%を超える可能性がある。
エネルギー価格は9.1%下がった。ガソリン旧暫定税率の廃止や政府が1月から実施する電気・ガス代補助の影響が重なった。電気代は8.0%、都市ガス代は8.2%、ガソリンは14.9%それぞれ低下した。
生鮮食品を除く食料は5.7%上昇した。7カ月連続で上昇率が縮小した。24年夏ごろから価格が上がっていたコメ類は17.1%の上昇だった。
菓子類は8.1%上昇した。原材料のカカオ豆の高騰などでチョコレートが26.9%上がり、全体を押し上げた。主産地のブラジルの天候不良でコーヒー豆が51.4%上がった。
インバウンド(訪日客)の需要増加などで宿泊料が6.0%上がった。
生活実感に近い生鮮食品を含めた総合指数は1.3%上昇した。生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は2.5%上がった。

何といっても、消費者物価指数(CPI)は現在もっとも注目されている経済指標のひとつですので、やや長い記事でしたが、いつものように、よく取りまとめられているという気がします。続いて、消費者物価(CPI)上昇率のグラフは下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIと生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPI、それぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフはコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。寄与度はエネルギーと生鮮食品とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1ケタの指数を基に私の方で算出しています。丸めずに有効数字桁数の大きい指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。統計局の公表数値を入手したい向きには、総務省統計局のサイトから引用することをオススメします。

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引用した記事の2パラめにもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは+1.7%ということでした。実績にジャストミートしたようです。総務省統計局のプレスリリースによれば、ガソリンの暫定税率廃止及び政策による効果の寄与度が試算されており、ガソリンについては当月分で▲0.94%、ただし、前年剥落分が+0.61%あり、合わせて▲0.32%の寄与、同様に、電気代についても当月分で▲0.49%、ただし、前年剥落分が+0.27%あり、合わせて▲0.22%の寄与などの結果が示されています。品目別に消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率とヘッドライン上昇率である+1.3%に対する寄与度を少し詳しく見ると、まず、エネルギーの寄与度は2月統計ではマイナスであり、前月の1月統計の▲0.42%に対して、2026年1月は▲0.71%となっています。したがって、いわゆる寄与度差は▲0.29%に達していて、コアCPI上昇率が1月の+2.0%から2月の+1.6%に▲0.4%ポイント減速したうちのほとんどを占めています。逆にいえば、エネルギーを除く物価には大きな変化はない、と考えるべきです。例えば、生鮮食品を除く食料価格の上昇は引き続き大きく、前年同月比で+5.7%、寄与度で+1.39%に上ります。ヘッドラインCPIの上昇率である+1.3%のほぼすべてが食料価格の上昇に起因するというわけです。引き続き、コメの価格上昇が大きい結果となっており、生鮮食品を除く食料の寄与度+1.39%のうち、コシヒカリを除くうるち米の寄与度は+0.11%を占めています。引用した記事の「コメ類は17.1%の上昇」とは少し分類が異なりますが、コシヒカリを除くうるち米の上昇率は前年同月比で+16.6%ですから、一時のピークは超えた可能性が大きいものの、まだまだ高い上昇率と考えるべきです。コメが値上げされれば、当然に、おにぎりやすしの価格も上がります。ただ、こういった食料価格の上昇がピークアウトしつつある可能性も十分あります。
多くのエコノミストが注目している食料の細かい内訳について、前年同月比上昇率とヘッドラインCPI上昇率に対する寄与度で見ると、繰り返しになりますが、生鮮食品を除く食料が上昇率+5.7%、寄与度+1.39%に上ります。その食料の中で、これも繰り返しになりますが、コシヒカリを除くうるち米が寄与度+0.11%あります。コメに加えて、カカオショックとも呼ばれたチョコレートなどの菓子類も上昇率+8.1%、寄与度+0.22%に上っています。特に、その中でも、チョコレートは上昇率+26.9%、寄与度0.11%に達しています。コメ値上がりの余波を受けた調理カレーなどの調理食品が上昇率+4.9%、寄与度+0.19%に上っています。同様に、すしなどの外食も上昇率+3.7%、寄与度+0.18%を示しています。ほかの食料でもコーヒー豆などの飲料も上昇率+9.1%、寄与度0.16%となっており、コアCPIの外数ながら、ぶりなどの生鮮魚介が上昇率+9.5%、寄与度+0.12%、などなどと書き出せばキリがないほどです。食料はエネルギーとともに国民生活に欠かせない基礎的な財であり、実効ある物価対策とともに、価格上昇を上回る賃上げや最低賃金の大幅な引上げを期待しています。

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