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2026年3月 8日 (日)

大学生の学生生活やいかに?

やや旧聞に属するトピックながら、2月24日に全国大学生協協同組合連合会から「第61回学生生活実態調査」の結果が報告されています。やや、国立大学に偏りあるものの、全国の国公私立の大学学部生13,000人余からの回答を得ている大規模調査です。まず、長くなりますが、リポートp.2から調査結果の特徴を5点引用すると次の通りです。

調査結果の特徴
  1. 自宅生・下宿生ともに、物価高の中で食費は増加する一方、交通費や教養娯楽費、学習関連支出を抑制している。とくに書籍費は2016年以降で初めて1,000円を下回り、学習関連支出の低下が続いている。収入総額は維持・拡大しており、収入の中心はアルバイト収入や仕送り・小遣いなどである。
  2. 給付型奨学金受給者が増加し、授業料の減額・免除を受けている学生の割合も上昇していることから、修学にあたって支援を受けられる学生が増えている。しかし、貸与型奨学金受給者に限れば、引き続き、暮らし向きは苦しいと感じる学生が相対的に多く、返済不安など困難を抱えている割合も多い。
  3. 登校日数や平均滞在時間は2019年水準に近づいているが、滞在時間の分布構造はコロナ禍前と異なる。中程度の滞在時間層が縮小する一方、短時間滞在と長時間滞在が増加している。
  4. 大学生活における人間関係形成のあり方として、従来想定されてきたサークルなどの組織的な活動への参加よりも、趣味や推し活など個々の関係性への接続を重視する方向へと、緩やかな変化が生じている。
  5. 「生成AIの利用経験あり」は92.2%に大幅に増加した。利用目的は授業・研究やレポート作成など学修関連が中心であるが、翻訳や相談相手など補助的・日常的な用途にも広がっている。

まず、最初の特徴のひとつに上げられていますが、書籍費がここ数年で激減しています。1か月の支出額で見て、自宅生は2024年に1,450円あった書籍費が2025年には970円となり、下宿生では2024年1,500円から2025年990円となっています。そして、食費については自宅性と下宿生の差が大きいでしょうから、下宿生を見るとリポートにある2016年以降10年間に渡って、月3万円を下回っています。1日当たり1,000円未満で済ませていることになります。大丈夫なのか、という気にさせられます。私の興味あるところから、グラフを2枚だけ引用しておくと次の通りです。

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まず、上のグラフは、リポート p.19 ChatGPTなど生成AIの利用状況 を引用しています。見れば明らかですが、毎年大きく増加してきており、最近時点では90%を超えています。どこまで使いこなせているかは別にして、事実上、100%と見なして差し支えないものと考えるべきです。今でもリポートや論文作成の際に、生成AI禁止で臨んでいる教員がいると聞き及んでいますが、むしろ、ChatGPTなどの生成AIは積極的に活用した方がいいと私は考えています。禁止してしまうと使い方を教えないので、逆に、使い方を間違う可能性が高くなって、その方が望ましくないと考えるべきです。先日、別の大学の先生と会議の合間に雑談していて、私がどのように生成AIを使ったかをお話した記憶があります。最近の紀要論文 "How Tourism Promotes Economic Development: A Case of Cambodia" は、カンボジアを例にした観光経済学の論文なのですが、ギャンブルが観光資源として適格(eligible)かどうか、を論じる際に、私は不適格だと考えているのでChatGPTにギャンブルは観光資源として不適格とする論文をリストアップしてもらって、いくつか読んで引用したのですが、実は、ギャンブルは観光資源として適格でありしっかりと活用すべき、という論文も負けず劣らずいっぱいあるのを知った、と笑い話をしていました。

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次に、読書時間です。上のグラフは、リポート p.22 1日の読書時間「0分」と読書時間(分)の推移 を引用しています。50歳以上くらいで年配になればなるほど、最近の大学生や若者は読書しない、という根拠のない思いこみを持つ人が多いのですが、そんなことはありません。むしろ、数十年前から比べて読書時間は増えているくらいですし、ここ10年という短期ながら、少なくとも読書ゼロが増加していたり、読書時間が減少していたり、という年輩の方の思いこみに根拠はないということが読み取れます。

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