2か月ぶりの前月比マイナスながら基調判断が据え置かれた1月の機械受注
本日、内閣府から1月の機械受注が公表されています。民間設備投資の先行指標であり、変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て前月から▲5.5%減の9824億円と、2か月ぶりのマイナスを記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。
1月の機械受注5.5%減、2カ月ぶり減少 基調判断「持ち直し」維持
内閣府が19日発表した1月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標とされる船舶・電力を除く民需(季節調整済み)は前月比で5.5%減の9824億円だった。2カ月ぶりの減少となった。基調判断は「持ち直しの動きがみられる」で据え置いた。
QUICKが事前にまとめた市場予測の中央値は10.0%減だった。毎月ごとのぶれをならした3カ月移動平均は0.1%減だった。
製造業が12.5%減の4358億円だった。2カ月ぶりの減少となった。大型受注があった前月の反動減で石油製品・石炭製品が75.9%減少し、全体を押し下げた。非鉄金属も前月からの反動減で落ち込んだ。
自動車・同付属品は5.3%減で2カ月ぶりに減少した。米国による一連の関税政策の影響について、内閣府の担当者は「関税が始まる前の水準には戻っていない」と述べた。
非製造業は6.8%増の5632億円だった。2カ月連続の増加となった。商業用のトレーラーなどの道路車両の受注が伸び、運輸業・郵便業が13.9%増でプラスに寄与した。
包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、機械受注のグラフは上の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

まず、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは前月比▲10.0%減が見込まれていましたので、実績の▲5.5%減は予想レンジ上限は下回るものの、やや上振れした印象です。ただし、前月の昨年2025年12月の前月比が+19.8%に達していましたし、引用した記事にもあるように、「毎月ごとのぶれをならした3カ月移動平均は0.1%減」でしたので、統計作成官庁である内閣府では、基調判断を「持ち直しの動きがみられる」と据え置いています。足元の1~3月期の見通しは前期比▲4.5%減ですから、この先も引き続き増加が続くという見通しではない、とはいうものの、それほど弱い印象でもない、ということなのだと思います。業種別に前月比で見て、前月2026年12月に大きく延びた石油製品・石炭製品が▲75.9%減、同じく非鉄金属も▲57.1%減のほか、自動車・同付属品の前月比▲5.3%減をはじめ、製造業が▲12.5%減、非製造業では卸売業・小売業が+26.5%増、電力業が+33.4%増、運輸業・郵便業が+13.9%増など、非製造業全体で+0.2%増でした。
日銀短観などで示されたソフトデータの投資計画が着実な増加の方向を見込んでいる一方で、機械受注やGDPなどのハードデータで設備投資が増加していないという不整合があり、現時点ではまだ解消されているわけではないと私は考えています。人手不足は見込み得る範囲の近い将来にはまだ続くことが軽く予想されますし、DXやGXに向けた投資が盛り上がらないというのは、低迷する日本経済を象徴しているとはいえ、大きな懸念材料のひとつです。かつて、途上国では機械化が進まないのは人件費が安いからであるという議論が広く見受けられましたが、日本もそうなってしまうのでしょうか。設備投資の今後の伸びを期待したいところですが、先行きについては決して楽観はできません。特に、日銀が金利の追加引上げにご熱心で、市場における積極財政の評価もあって、長期金利はかなり高い水準にまで上昇しています。本日終了した日銀金融政策決定会合で政策金利は据え置かれたとはいえ、為替への影響を別にしても、金利に敏感な設備投資には悪影響を及ぼすことは明らかです。米国とイスラエルによるイラン攻撃をはじめ、地政学的なリスクも不透明ですし、どう考えても、先行きについてリスクは下方に厚いと考えるべきです。
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