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2026年4月 3日 (金)

2月の米国雇用統計は市場予想よりも堅調

日本時間の今夜、米国労働省から3月の米国雇用統計が公表されています。非農業雇用者数の前月差は、2月統計の▲133千人減から3月統計では+178千人増となり、失業率は2月の4.4%から▲0.1%ポイント低下して4.3%を記録しています。まず、CNNのサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

The US economy added a higher-than-expected 178,000 jobs last month
The US economy added 178,000 jobs in March, a signal that businesses were moving forward with hiring plans before the war with Iran escalated.
The unemployment rate eased to 4.3% from 4.4%, according to new data released Friday by the Bureau of Labor Statistics.
Economists expected a net gain of 60,000 jobs, a rebound after a surprising swing negative in February when 133,000 jobs were lost.
However, a contributor to February's job losses also boosted March's gains: 32,000 formerly striking employees at Kaiser Permanente and Starbucks had returned to work by the start of last month.
Friday's jobs report is one of the first major economic data releases since the start of the US-Israeli war with Iran. The escalating conflict in the Middle East wasn't expected to affect March's employment numbers; however, economists caution that the health of the US labor market and broader economy hinge on the scope and duration of the war.

CNNからは初めて記事を引用しましたが、よく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルでは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門を、さらに、下は失業率をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。NBERでは2020年2月を米国景気の山、2020年4月を谷、とそれぞれ認定しています。ともかく、2020年4月からの雇用統計からやたらと大きな変動があって縦軸のスケールを変更したため、わけの判らないグラフになって、その前の動向が見えにくくなっています。少し見やすくしたのですが、それでもまだ判りにくさが残っています。その上、米国連邦政府のシャットダウンにより、2025年10月の失業率は公表されていません。よ~く見ると、下のパネルの失業率がその部分が欠損値になっているのが見て取れます。

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米国の雇用は非農業部門雇用者の増加については、最新の利用可能な3月統計もさることながら、1月統計の非農業部門雇用者の前月差が前回公表値の+126千人増から+160千人増へ、また、2月統計のデータも▲92千人減から▲133千人減へ、それぞれ修正されている点も注目されています。失業率は4%台前半から半ばにあるとはいえ、わずかながら低下しています。引用した記事にもあるように、非農業部門雇用者の伸びに関する市場の事前コンセンサスは+60千人増でしたので、実績はこれを大きく上回りました。ただし、これも記事にある通り、この数字には保険会社カイザーパーマネンテとスターバックスでのストライキからの職場復帰の32千人が含まれていて、いわゆる実力ベースでは+150千人増くらいと考えるべきです。ただ、これでも2月の▲133千人減を上回っていますので、2-3月をならして見ればわずかながら雇用者が増加している、ということになります。米国労働省は "unemployment rate changes little" と評価していますが、これまた、わずかながら失業率が低下しているのも事実です。1月の消費者物価指数のヘッドライン上昇率は+2.4%であったことも考え合わせると、雇用はまだ堅調でインフレ圧力も残っている、という見方もできます。ただ、米国とイスラエルによるイラン攻撃の影響は、雇用には影響しないという意見も根強いながら、不透明であることはいうまでもありまsね。
米国連邦準備制度理事会(FED)は2025年中に175ベーシスの利下げを実行していますが、この雇用統計を受けて、次回4月28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利下げが決定されるかどうか、私はビミョーだと受け止めています。どうしてかというと、米国とイスラエルによるイラン攻撃は、石油価格の上昇を通じて明らかにインフレ圧力を高めると考えられるからです。雇用と物価のデュアルマンデートを背負う米国連邦準備制度理事会(FED)は難しい金融政策の舵取りを担うことになります。

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