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2026年4月10日 (金)

上昇率が加速した3月の企業物価指数(PPI)国内物価

本日、日銀から3月の企業物価 (PPI) が公表されています。統計のヘッドラインとなる国内物価は前年同月比で+2.6%の上昇となり、先月2月統計の+2.1%から上昇率が加速しています。2021年3月に前年同月比上昇率がプラスに転じてから61か月、すなわち、5年連続の上昇です。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

企業物価指数、3月2.6%上昇 伸び率6カ月ぶり拡大
日銀が10日に発表した3月の企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は129.5と前年同月比で2.6%上昇した。伸び率は2月から0.5ポイント拡大した。飲食料品や農水産物関連の取引価格の上昇が影響した。中東情勢悪化による金などの国際価格の上昇も指数を押し上げた。
企業物価指数は企業間で取引するモノの価格動向を示す。サービス価格の動向を示す企業向けサービス価格指数とともに消費者物価指数(CPI)に影響を与える。前年同月での伸び率が前の月から拡大するのは25年9月以来、6カ月ぶり。民間予測の中央値(2.3%)を0.3ポイント上回った。
内訳を見ると、飲食料品が4.3%上昇した。包装資材などのコスト増分を価格に転嫁する動きが続いている。農林水産物はコメの概算金引き上げなどもあり18.9%上がった。
非鉄金属は31.1%上昇した。米・イスラエルのイラン攻撃に伴う金相場の上昇などが影響した。
石油・石炭製品は7.3%下落した。ただ中東情勢の悪化で原油相場が急騰したこともあり、下落幅は2月(マイナス11.7%)から縮小した。化学製品は前年同月から0.4%下落した。
日銀が公表している515品目のうち、価格が上昇したのは365品目、下落したのは129品目だった。21品目では価格が変わらなかった。

インフレ動向が注目される中で、長くなってしまいましたが、いつもながら、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業物価指数(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下のパネルは国内物価指数そのものを、それぞれプロットしています。また、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

photo

まず、企業物価のうちヘッドラインとなる国内物価上昇率は、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは+2.3%でした。引用した記事の2パラにもあるように、実績の+2.6%は上振れした印象です。国内物価上昇率が加速した要因は、引用した記事にあるように、農林水産物や非鉄金属の価格上昇であり、さらに、農林水産物に連動して飲食料品の価格上昇も継続しています。2月28日からの米国とイスラエルによるイラン攻撃に起因する中東情勢は3月の石油価格を押し上げていますが、まだ前年同月比で見てマイナス幅が縮小した程度の影響にとどまっています。また、対ドル為替相場は、2月に入って+2.3%の円安で、平均で対ドルレートは150円台後半を記録しています。さらに、私はエネルギー動向に詳しくないので、日本総研「原油市場展望」(2026年3月)を参考として見ておくと、WTI原油先物価格の先行き見通しについては、「イラン戦争の3月中の終結を前提とする標準シナリオでは、原油価格は当面高止まりした後、4月以降に下落に転じる見通し。一方、戦争が長期化するリスクシナリオでは、価格が120ドルへ上昇する可能性も。」とされています。ただ、3月中に集結していませんし、4月に入って停戦がアナウンスされても、米国とイスラエルによるイラン攻撃やホルムズ海峡の封鎖などにより、石油価格動向はまったく不透明です。いずれにせよ、3月統計を見る限り、現時点では、国内物価の上昇は原油価格ではなく国内要因による物価上昇であることは明らかです。
企業物価指数のヘッドラインとなる国内物価を品目別の前年同月比上昇率と下落率で少し詳しく見ると、まず、引用した記事にもある通り、農林水産物が2月の+18.3%から、3月も+18.9%と2ケタの高い上昇率を示しています。農林水産物の価格上昇に伴って、飲食料品の上昇率も3月は+4.3%と、前月2月の+4.8%と大きな違いはない上昇となっています。非鉄金属は2月+32.6%、3月+31.1%と、きわめて高い上昇率が続いています。電力・都市ガス・水道は3月▲6.5%と政府の電気・ガス料金負担軽減支援事業により下落しています。ただ、この政策は3月使用分までですので、4月からはどうなるのか不透明です。最後に、石油・石炭製品は2月▲11.7%に続いて、3月統計でも▲7.3%の下落を見せていますが、指標となるWTI先物価格が大きく乱高下しており、4月統計でどうなるかはまったく見通せません。

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