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2026年4月27日 (月)

大学生の楽単志向について考える

関西大学から紀要論文「学生の視点からみた学びのリアリティ -楽単志向と履修選択基準の分析-」が明らかにされています。タイトル通りの内容で、私も学生の楽単志向がより深く理解できた気がします。まず、論文の引用情報は次の通りです。

続いて、論文の要旨を引用すると次の通りです。

要旨
本研究では、学生の視点から「学びのリアリティ」を捉えるため、楽単志向と履修選択基準の分析を行った。楽単志向の学生は、高校時代の学習への興味・関心が低く、大学での成績や資質能力の獲得感も低いことが示された。楽単志向の背景要因を質的に分析したところ、卒業目的の重視、コスパ重視、リスク回避といった<学生側の要因>に加え、シラバスからの情報不足、厳しい教員態度、授業の質の問題といった<教員側の要因>、GPAを単一指標とする制度の弊害といった<制度面の要因>等が複雑に絡み合っていることが判明した。履修選択基準では、「学問的興味・好奇心」が最も多く挙げられる一方、多くの学生はまず「時間割の都合」を考慮し、その条件の中で興味のあるものを選択していることが示された。楽単志向の問題は、学生の意欲の欠如にのみ帰結できるものではなく、教育提供者が教育のあり方を抜本的に見直し、問題解決に向けて臨むことが肝要である。

見ての通りで、いくつかの研究テーマが示されています。大きく分けて、タイトル通りに、楽単志向と履修選択基準です。私は楽単志向の方に興味があります、そして、その楽単志向についても、ベネッセ教育総合研究所「第4回大学生の学習・生活実態調査」(2021年度)の1~4年生4,124名のデータを用いた数量データ分析と関西大学社会科学系学部の3-4年生40人とのディスカッションから得た質的データの分析です。まず、論文から 単位取得(履修)に関する選好 のグラフを引用すると次の通りです。

photo

見れば明らかに楽単志向が傾向的に増加している点が読み取れると思います。いくつかの分析結果を示していますが、まず、。分野系統では、「楽単志向」が最も多いのは医・薬・保健70.4%、次いで社会科学66.7%、逆に、「興味志向」がもっとも多いのは教育43.0%、次いで、人文科学41.8%となっています。医療系は卒業後に国家試験でのチェックを受けるわけですし、やや例外と論文では指摘し、まあ、私の所属する経済学部をはじめとする社会科学系で楽単志向が高くなっているわけです。はい、私も日々実感しています。また、高校時代の学習について分析結果を示しており、「楽単志向」の学生は、授業に対する関心・興味が低く、授業についていけないと感じたことが多い、と指摘しています。また、グループワークやディスカッションへの参加、予習・復習、自主的・計画的な学習、進路や将来に対する積極性についても低くなっているとし、高校時代の学習の及ぼす影響は小さくない、と結論しています。また、大学の学業成績については、当然ながら、「楽単志向」より「興味志向」の学生の方が成績は有意に高い、との分析結果を示しています。したがって、論文では「成績評価が適切になされている結果」と指摘しています。

最後に、私は「楽単志向」にせよ、何にせよ、「ラクをしたい」という人間本来の欲求は正しいと考えています。ラクしたいので技術革新が進み、例えば、産業革命につながった可能性は忘れるべきではありません。宗教的な修行ではないのですから、ひたすら苦痛に耐え忍ぶのは意味がありません。その意味で、楽単志向で授業選択をし、余ったエネルギーや時間で何をするかが重要なのだろうという気はします。まあ、ややこじつけなのは自覚しています。

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