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2026年4月16日 (木)

先進国の貧困ラインは1日4,000円くらい?

諸般の事情で必要あって、世界の貧困ラインを調べました。実は、私は長崎大学のころに貧困指標に関する紀要論文 "A Survey on Poverty Indicators: Features and Axioms" を取りまとめたこともあり、この分野は一応判ってはいるつもりですが、事実関係の確認という意味合いもあって調べた次第です。
調べたのは世界銀行によるリポートであり、引用情報は以下の通りです。もちろん、pdfの全文リポートもアップロードされています。

このリポートの p.52 BOX 1.1 Revisiting the poverty line for a changing global population で貧困ライン poverty line が明らかにされています。1パラめだけを引用すると次の通りです。

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重要なポイントは3か所あります。すなわち、世銀では、極度の貧困 extreme poverty に対する貧困線は1人1日当たり$2.15、そして、上位中所得国 upper-middle-income countries における貧困ラインは 1人1日当たり$6.85、下位中所得国 lower-middle-income countries における貧困ラインは 1人1日当たり$3.65、そして、高所得国の貧困ラインは$24.35、としています。世界銀行のサイトでは、高所得国、上位中所得国、下位中所得国、低所得国、がそれぞれ地図による色分けで示しています。きわめて大雑把に、上位中所得国はラテンアメリカの多くの国、中国、南アフリカ、などとなります。当然、日本は高所得国に分類されています。なお、世界銀行では、昨年2025年6月に June 2025 Update to Global Poverty Lines ということで、極度の貧困線だけ、1人1日当たり$2.15から、$3.00にアップデートしています。
高所得国の貧困ラインは$24.35ですから、ホントは2017年の購買力平価=PPPによるドルなのですが、ごく単純に、最近時点でのスポット市場レートを丸めて$1が160円として日本円に換算すると、1人1日当たり4,000円弱となります。これまた、単純に30倍すると、12万円近い月収が高所得国における貧困ラインということです。

我が日本の学生生活を振り返ると、東京私大教連による「私立大学新入生の家計負担調査 2025年度」では、仕送り額から家賃を除いた自宅外生の月間の生活費が19,800円、日額にすれば660円です(p.12)。東京での学生生活ですから、全国平均を少し上回っている可能性がありますが、家賃を除いているとはいえ、1日660円というのは高所得国の貧困ライン$24.35にははるかに及ばない数字です。バブル経済末期の1990年には、仕送り額から家賃を差し引いた月額生活費は7万円を超えていましたから、単純に30日で除すると1日当たり2,000円を上回っていたことになります。この額なら、高所得国の貧困ラインは下回るものの、上位中所得国の貧困ラインは余裕で上回っていました。この35年ほどで、学生に仕送りをしている保護者のお給料がそれほど増加せず、それでも、特に東京では家賃が増加してしまって、自宅外の学生の生活費がきわめて苦しくなっている実態が明らかになっています。金利の先高感もあって、有利子の奨学金を躊躇する姿勢も見られますし、高校に続いて高等教育の無償化、その実現までに、貸与型ではない給付型の奨学金の充実が必要です。

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