2026年2月17日 (火)

2025年10-12月期GDP統計速報1次QEは前期比年率+0.2%成長でやや下振れ

昨日今日と、別用あって経済指標を追いきれていませんが、昨日内閣府から公表された昨年2025年10~12月期のGDP統計速報1次QEは前期比+0.1%、年率で+0.2%の低い伸びにとどまりました。コンセンサスが+2%を少し下回る+1%台後半の年率の伸びでしたから、やや下振れた印象です。+0.5~1.0%くらいの潜在成長率にも届かなかった、というところです。他方で、インフレ率が年度末の3月統計までには日銀物価目標の+2%を下回るというコンセンサスですので、低成長かつ高インフレのスタグフレーションではなく、成長もインフレも低い単純な不況という印象です。
下のグラフはニッセイ基礎研究所のリポートから引用しています。

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総選挙で高い支持を得た高市内閣の責任ある積極財政やいかに?

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2026年2月16日 (月)

年齢と幸福度の関係

私は60代も後半になって、もともとのめでたい性格が増幅されて、幸福度が増してきているように感じています。通常、幸福度は年齢とともに低下し、30代から40代にかけて底を打って、その後は上昇する、と考えられているのですが、それを実証する論文が明らかにされています。全米経済研究所(NBER)の "Well-being Increases in Age Among Workers: Evidence From 103 Countries" と題するワーキングペーパーです。まず、論文の引用情報は以下の通りです。

続いて、NBERのサイトからABSTRACTを引用すると次の通りです。

ABSTRACT
We examine how workers' and non-workers' wellbeing varies by age across 171 countries in eight international surveys. In 103 countries (60%) we find evidence that workers' wellbeing rises with age and workers' illbeing falls with age. This relationship appears to have strengthened over time in some countries. Patterns are different among non-workers and are sensitive to survey mode. Where surveys are conducted using Computer-Assisted Web-based Interviews (CAWI) non-workers' wellbeing is U-shaped, but this is less clear-cut when the data are collected with Computer-Assisted Telephone Interviews (CATI). The change in the age profile of workers' wellbeing may reflect changes in selection into (out of) employment by age, changes in job quality, or changes in young workers' orientation to similar jobs over time. But changes in smartphone usage - often the focus of debate regarding declining young peoples' wellbeing - are unlikely to be the main culprit unless there are sizeable differences in smartphone usage across young workers and non-workers, which appears unlikely.

要するに、調査対象の171か国において労働者と非労働者の幸福度 wellbeing が年齢とともにどのように変化するかを検証し、調査対象の60%に当たる103か国で年齢とともに幸福度 wellbeing が上昇するという結果を得ています。下のグラフは、pdfファイルの論文から Chart 1a. Despair for non-workers, Chart 1b. Despair for workers, and Chart 1c. Despair overall を引用しています。プロットされているのは幸福度 wellbeing とは真逆の失望/落胆 despair ですが、この逆が幸福度と考えてよさそうです。

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本日、内閣府から昨年2025年10~12月期のGDP統計速報1次QEが公表されているのですが、諸般の事情により、明日にでも取り上げたいと思います。

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2026年2月13日 (金)

バレンタインデーとチョコの売行きを家計調査から考える

明日はバレンタインデーです。私は60歳の定年まで勤めた官庁にせよ、もちろん、今の大学にせよ、義理チョコとは縁のない職場ですが、バレンターンデーの季節にはチョコレートの売行きが伸びるのは多くの日本人が実感しているところかと思います。私が総務省統計局への出向時に担当していた家計調査から簡単に統計に当たっておきたいと思います。

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上のグラフはどちらもデータソースは総務省統計局の家計調査なのですが、上のパネルは昨年2025年1年間の月別のチョコレートへの支出金額を、下のパネルは2025年2月における日別の支出額を、それぞれプロットしています。もともと、チョコレートは寒い時期によく売れる季節商品であり、毎年12月から2月ころの支出が多いのは決して不思議ではありません。でも、2月は通常28日と日数が少ないにもかかわらず、チョコレートの売上が突出しているのが見て取れます。しかも、日別で見ると2月14日のバレンタインデー当日を含めてその前数日の売上げが大きいのに対して、2月15日になると大きく落ちているのが見て取れます。おそらく、実感としてはいわゆるクリスマスケーキが12月24日までと25日以降で、これとよく似た段差があるような気がするのですが、さすがに、クリスマスケーキとそれ以外のケーキを別にした統計は見当たりません。

昨年2025年のバレンタインデーのチョコレートの市場規模は約300億円と一般社団法人 日本市場規模協会の市場規模総合研究所では推計しています。果たして、今年のバレンタインデーやいかに?

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2026年2月12日 (木)

上昇率が縮小する1月の企業物価指数(PPI)

本日、日銀から1月の企業物価 (PPI) が公表されています。統計のヘッドラインとなる国内物価は前年同月比で+2.3%の上昇となり、59か月、ほぼほぼ5年連続の上昇です。先月2025年12月統計からやや伸びは縮小したとはいえ、日銀物価目標の+2%を上回って高い上昇率が続いています。まず、ロイターのサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

国内企業物価、1月は前年比2.3%上昇 銅など非鉄金属市況が上昇
日銀が12日に発表した1月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数は前年比2.3%上昇した。非鉄金属や農林水産物などが上昇に寄与した。59カ月連続プラス。前月比では0.2%上昇だった。
前年比の伸び率は前月からわずかに縮小。ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値と一致した。
指数は2020年水準を100として128.4。比較可能な1980年以降で最高水準となっている。
前年比の上昇で最も指数の押し上げに寄与したのは非鉄金属で、前年比33.0%上昇した。銅などの市況上昇が影響している。
農林水産物は同22.4%上昇した。集荷業者が農家に支払う概算金が引き上げられたことがコメの値上がりにつながった。飲食料品は同4.7%上昇。引き続き原材料や包装資材などの諸コスト上昇を転嫁する動きが出ている。
全515品目中、前年比で上昇したのは356品目、下落は132品目。差し引きは224品目となった。
日銀の担当者は「銅をはじめとする非鉄金属市況の上昇と、原油市況の下落が相殺し、全体として小動きとなった」と、今月の特徴を説明した。
先行きについて、大和証券のエコノミスト、鈴木雄大郎氏は「2月から4月にかけて政府による電気代・ガス代の補助策の影響で、事業用電力価格や都市ガス代などが押し下げる方向に寄与する」と指摘。前年比はプラス2%を下回る可能性が高いとみている。

インフレ動向が注目される中で、長くなってしまいましたが、いつもながら、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業物価指数(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下のパネルは国内物価指数そのものを、それぞれプロットしています。また、影を付けた部分は景気後退期を示しています。

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まず、企業物価のうちヘッドラインとなる国内物価上昇率は、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは+2.4%でした。引用した記事の2パラにもあるように、ロイターでも同じ+2.3%と見込んでおり、実績の+2.3%とジャストミートし、引き続き、日銀物価目標の+2%を大きく上回っています。国内物価が上昇率が高止まりしている要因は、引用した記事の4-5パラにもあるように、非鉄金属と農林水産物の価格上昇であり、さらに、農林水産物に連動して飲食料品の価格上昇も継続しています。もちろん、コメなどが高い上昇率を示しています。また、対ドル為替相場は、高市内閣の成立により円安が進んでおり、2025年10月+2.2%、11月+2.6%の円安の後、12月も+0.5%、2026年に入っても1がつ+0.5%の円安となり、平均で対ドルレートは150円台後半を記録しています。さらに、私はエネルギー動向に詳しくないので、日本総研「原油市場展望」(2026年2月)を参考として見ておくと、1月のWTI原油先物価格は、米国によるベネズエラ攻撃やイランにおける反政府デモの激化、さらに、ロシアの石油タンカーに対するドローン攻撃など、地政学的リスクの増大を通じた供給懸念により一時60ドル台に乗せたものの、先行き見通しについては「原油価格は、年央にかけて50ドル台に下落する見通し」とされています。需要サイドでは中国経済の低迷が理由に上げられています。加えて、「OPECプラスやブラジル・ガイアナ・カナダなどの南北アメリカ大陸の産油国が増産を行う」と予想しています。ただ、円ベースの輸入物価指数の前年同月比は、今年2025年2月から11か月に渡ってマイナスを続けてきましたが、2025年12月統計では前年同月から+0.2%の上昇、2026年1月統計でも+0.5%の上昇を示しています。いずれにせよ、国内物価の上昇は原油価格ではなく国内要因による物価上昇であることは明らかです。
企業物価指数のヘッドラインとなる国内物価を品目別の前年同月比上昇率・下落率で少し詳しく見ると、まず、引用した記事にもある通り、非鉄金属が2025年12月の+22.2%から2026年1月には+33.0%に上昇率が加速し、農林水産物も2025年12月の+26.1%からやや減速したとはいえ、2026年2月も+22.4%と高止まりしています。農林水産物の価格上昇に伴って、飲食料品の上昇率も1月は+4.7%と、前月2025年12月の+4.8%とほぼ同じ上昇率となっています。電力・都市ガス・水道は▲4.3%と政府の電気・ガス料金負担軽減支援事業により下落しています。ただ、この政策は3月使用分までですので、4月からはどうなるのか不透明です。

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2026年2月11日 (水)

家計調査で注目するのはエンゲル係数だけなのか?

やや旧聞に属するトピックかもしれませんが、先週2月6日に総務省統計局から家計調査の2025年データが公表されています。いつも、ラーメン消費額やギョーザ消費額の都市別のランキングばかりが注目されますが、今回についてはエンゲル係数の上昇も注目されました。私は、3年近くに渡って総務省統計局に出向し消費統計担当課長を務めた経験もありますので、家計調査(2人以上世帯)をひも解いて、少し詳しめに見ておきたいと思います。

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まず、その注目のエンゲル係数の推移です。エンゲル係数とは消費支出に占める食料費の割合ですから、一般に、国民が豊かになるほど低下すると考えられています。日本でも実際に高度成長末期の1960年代から低下を続けてきましたが、21世紀に入って00年代半ばを境に反転しているのが見て取れます。時期だけを考えると、小泉内閣が2001年4月から2006年9月まででしたから、1990年代初頭のバブル経済の崩壊後、21世紀に入ってから新自由主義的な経済政策が強化されるとともに国民の貧困化が進んだ可能性が否定できません。

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次に、2025年の家計調査結果から所得分位別のエンゲル係数と食料費の代わりに光熱・水道費をとった割合をそれぞれプロットしています。なお、年間収入の境界は以下の通りです。すなわち、第Ⅰ分位と第Ⅱ分位の境界は280万円、第Ⅱ分位と第Ⅲ分位の境界は343万円、第Ⅲ分位と第Ⅳ分位の境界は408万円、第Ⅳ分位と第Ⅴ分位の境界は493万円、第Ⅴ分位と第Ⅵ分位の境界は580万円、第Ⅵ分位と第Ⅶ分位の境界は681万円、第Ⅶ分位と第Ⅷ分位の境界は789万円、第Ⅷ分位と第Ⅸ分位の境界は923万円、第Ⅸ分位と第Ⅹ分位の境界は1,152万円です。私が家計調査に基づいて計算したところ、もっとも年間所得の少ない第Ⅰ分位のエンゲル係数は34.4%に上るのに対して、第Ⅹ分位は24.1%に過ぎません。上のグラフを見ても明らかなように、第Ⅶ分位の下位30%までのエンゲル係数は平均を上回っています。下のパネルはエンゲル係数の分子の食料費に代わって光熱・水道比を取った係数です。コチラはもっと所得格差が大きくて、第Ⅰ分位は11.0%に達するのに対して、第Ⅹ分位は半分以下の5.3%にとどまります。2人以上世帯の家計で年間300万円万円足らずの支出のうち、食料費と光熱・水道費に合わせて45%を割かねばならないとすれば、残りは150万円ほどになります。かなり苦しい生活といわざるを得ません。

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最後に、こういった結果が生じる最大の要因のひとるは所得とともに物価上昇率に差があることです。上のグラフは2020年=100とする消費者物価指数のうち。ヘッドラインの総合指数に加えて、食料と光熱・水道もプロットしています。物価の場合、上昇率が注目されますが、2020年から5年間の累積支出額はこの折れ線グラフを積分したものとなります。食料とともに、光熱・水道も決して無視できない家計負担となっている点を見逃すべきではありません。

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2026年2月10日 (火)

身長と所得は実は関係がない?

身長と所得の関係について、従来は正の相関があるような学説もありましたが、全米経済研究所(NBER)から "Why Does Height Pay? Evidence from the Kenya Life Panel Survey" と題するワーキングペーパーが明らかにされています。まず、引用情報は以下の通りです。

続いて、NBERのサイトからABSTRACTを引用すると次の通りです。

ABSTRACT
Taller people earn more, especially in low- and middle-income countries. We present among the first evidence of this phenomenon in Africa, using longitudinal microdata on a cohort of middle-aged Kenyan adults. We document a substantial height/earnings premium: controlling for gender, age, and other socio-demographics, monthly earnings increase by 1.07% per centimeter (or 2.72% per inch). Nearly half this effect can be explained by differences in cognition, measured from an unusually rich battery containing 27 modules. Additional shares of the premium can be attributed to measures of physical strength and non-cognitive ability. In contrast to prior work, we find little role for occupational sorting: conditional on cognitive and non-cognitive ability, taller people do not appear more likely to work in higher paid sectors. Leveraging repeated measures of height and an instrumental variables specification, we find suggestive evidence that measurement error may be attenuating the estimated relationship.

要するに、Kenya Life Panel Survey (KLPS)なるデータを用いたケニヤの例なのですが、単純に、性別、年齢、その他の社会人口統計学的要因を考慮して controlling for gender, age, and other socio-demographics、月収は身長1センチ高いと1.07%多くなる、と推計しています。インチで示すと、1インチで2.72%です。ただし、このプレミアムのほぼ半分は詳細な認知能力指標により説明されます。measured from an unusually rich battery containing 27 modules だそうなのですが、私は専門外でそれほど理解が及びません。さらに残る半分も体力 physical strength と非認知能力により決まっていることが明らかにされ、結果として、当然ながら、身長だけで所得のプレミアムが決定されるわけではなく、認知能力や非認知能力、さらに体力まで加えた広い意味での人的資本を経由したプレミアムである、と結論しています。まあ、そうなんでしょうね。最後に、下のグラフはワーキングペーパーのp.24からFigure 1: Height, Earnings, and Human Capitalの一部、すなわち、上2つのグラフを引用しています。

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2026年2月 9日 (月)

天候要因に左右される1月の景気ウォッチャーと黒字が続く12月の経常収支

本日、内閣府から1月の景気ウォッチャーが、また、財務省から昨年2025年12月の経常収支が、それぞれ公表されています。各統計のヘッドラインを見ると、景気ウォッチャーでは、季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から▲0.1ポイント低下の47.6、先行き判断DIは+0.6ポイント上昇の50.1を記録しています。経常収支は、季節調整していない原系列の統計で+7288億円の黒字を計上しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事をロイターのサイトから引用すると以下の通りです。

街角景気1月は0.1ポイント低下、3カ月連続の悪化 大雪など影響
内閣府が9日に発表した1月の景気ウオッチャー調査で現状判断DIは47.6となり、前月から0.1ポイント低下した。3カ月連続のマイナスとなった。調査期間中は大雪などに見舞われた地域が多く、内閣府は基調判断に天候の影響を加えた上で景気は「持ち直している」とした。
指数を構成する3部門では、企業動向関連が前月から0.9ポイント上昇して49.5となった。一方、家計動向関連が0.1ポイント低下して47.1、雇用関連は1.4ポイント低下して47.2となった。
今回は「大雪」や「寒波」に関するコメントが多くみられた。内閣府の担当者は、天候要因は一時的なものであるものの「全国的に景況感に影響を及ぼしたのは否めない」とみている。
2-3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは、前月から0.6ポイント上昇の50.1。2カ月連続で前月を上回った。内閣府は先行きについて「価格上昇の影響などを懸念しつつも、持ち直しが続くとみられる」とまとめた。
調査期間は1月25日から31日。
経常収支12月は7288億円の黒字、2025年黒字額は過去最高=財務省
財務省が9日発表した国際収支状況速報によると、12月の経常収支は7288億円の黒字となった。ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値1兆0604億円程度の黒字を下回った。
経常黒字は、11カ月連続。但し黒字幅は大きく減速し、対前年比3430億円黒字幅が縮小した。
サービス収支が赤字転化したため、全体の黒字幅は縮小した。また、6月と12月は季節的な要因として、海外への配当金の支払い増加で証券投資収益の赤字幅が拡大することも挙げられる。
貿易・サービス収支は2052億円の赤字だった。海外からの研究開発サービスの受取額の減少に伴うもの。
悪化する日中関係も、経常収支に影響している。12月の旅行収支は、インバウンド訪日外国人観光客のうち中国人が前年比45%減少したことから、黒字が21.5%の減少を記録した。
経常収支の稼ぎ頭で、海外への直接投資からの収益や海外の子会社からの配当の受け取り等からなる第1次所得収支は1兆1894億円の黒字となり、第2次所得収支は2554億円の赤字だった。
2025年暦年では、経常収支は31兆8799億円の黒字となり、前年比3兆1931億円黒字幅が拡大した。1985年以降過去最大の黒字額となった。貿易収支が赤字幅を縮小したため経常黒字が膨らんだ。また、第一次所得収支が黒字幅を拡大したことが、貿易・サービス収支の赤字を補って余りある経常黒字をもたらした。

長くなりましたが、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、景気ウォッチャーのグラフは下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしており、色分けは凡例の通りです。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

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景気ウォッチャーの現状判断DIは、最近では昨年2025年10月統計の48.2まで6か月連続で上昇または横ばいを記録した後、11月48.0、12月47.7、そして、本日公表の2026年1月47.6と3か月連続で低下しています。ただし、現状では横ばい圏内の動きであり、それほど大きな低下というようには見えません。逆に、先行き判断DIは1月統計で上昇を見せており、こちらは2025年12月、今年2026年1月と2か月連続の上昇を記録しています。本日公表の昨年1月統計の季節調整済みの現状判断DIをより詳しく前月差で見ると、家計動向関連のうちでは、住宅関連が▲4.6ポイントの低下のほかは、飲食関連が+2.0ポイント、サービス関連も+1.7ポイント、小売関連が+0.6ポイント、それぞれ上昇しています。したがって、それほど悪化したという印象ではありません。企業関連では、製造業が+1.9ポイント上昇し、非製造業も+0.9ポイント上昇しています。製造業でも、米国の通商政策の影響が一巡した可能性が十分あります。ただし、家計関連と企業関連とは別の雇用関連は前月から▲2.5ポイント低下しています。統計作成官庁である内閣府では、基調判断を昨年2025年10月統計から「景気は、」と上方修正し、1月統計でも基本的にこれを据え置いています。ただし、「持ち直している」の前に「天候要因の影響がみられるが」をつけて、やや留保気味の姿勢を見せています。私の理解がよく進まないのですが、天候要因よりも、国際面での米国の通商政策とか、国内では物価上昇の方が重要ではないか、という気がするものの、いずれにせよ、今後の動向が懸念されるところです。景気判断理由の概要については、内閣府の調査結果の中から近畿地方の家計動向関連に着目すると、「年明け以降、気温が急激に下がる日が続き、暖房器具の販売が少し伸びた一方、雪が積もる地域では来客数が減り、販売量が減少している(家電量販店)。 」といった天候の影響も確かに見かけました。

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続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。引用した記事の通り、ロイターによる市場の事前コンセンサスは+1兆円余りの黒字ということでしたし、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでも、+1兆円余りの黒字の見込みでしたので、実績の+7000億円超の黒字はやや下振れした印象です。季節調整していない原系列の統計では、引用した記事にあるような季節変動がならされて、2.7兆円近い黒字を計上しています。何といっても、日本の経常収支は第1次所得収支が巨大な黒字を計上していますので、貿易・サービス収支が赤字であっても経常収支が赤字となることはほぼほぼ考えられません。はい。トランプ関税によって貿易収支や貿易・サービス収支の赤字が拡大したとしても、第1次所得収支で十分カバーできると考えるべきです。ただ、経常黒字幅がかなり大きくなってきており、私の計算では2025年7~9月期にはGDP費で5%を超えています。ですので、その昔の米国に次ぐ世界第2位の経済大国であったころには、何らかの対外摩擦を生じていた可能性すらあります。いずれにせよ、対外不均衡の問題が経常収支にせよ、貿易・サービス収支にせよ、たとえ赤字であっても何ら悲観する必要はありません。エネルギーや資源に乏しい日本では消費や生産のために必要な輸入をためらうことなく、経常収支や貿易収支が赤字であっても何の問題もない、逆に、経常黒字が大きくても特段めでたいわけでもない、と私は考えています。ただ、米国の関税政策の影響でやたらと変動幅が大きくなるのは避けた方が望ましいのは事実です。

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2026年2月 6日 (金)

自動車の出荷減で2か月連続の下降となった2025年12月の景気動向指数

本日、内閣府から昨年2025年12月の景気動向指数が公表されています。統計のヘッドラインを見ると、CI先行指数は前月から+0.3ポイント上昇の110.2を示した一方で、CI一致指数は▲0.4ポイント下降の114.5を記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事をロイターのサイトから引用すると以下の通りです。

景気一致指数、12月は2カ月連続マイナス 自動車出荷減など響く
内閣府が6日公表した2025年12月の景気動向一致指数(速報、2020年=100)は前月比0.4ポイント低下の114.5と2カ月連続のマイナスとなった。
基調判断は「下げ止まりを示している」で据え置いた。
一致指数を押し下げたのは、耐久消費財出荷指数や小売販売額、投資財出荷指数など。自動車や半導体製造装置などの出荷減少、ガソリン価格の低下などが影響した。
一方、先行指数は前月比0.3ポイント上昇の110.2と、8カ月連続で改善した。新設住宅着工床面積や新規求人数、中小企業売上見通しなどが指数を押し上げた。新設住宅着工床面積は昨年4月の省エネ基準適合義務化を控えた駆け込み需要の反動で落ち込んだ後、緩やかに改善傾向が続いている。

いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、まん中のパネルはDI一致指数を、下のパネルは景気を把握する新しい指数(一致指数)を、それぞれプロットしています。一番下のパネルのみ、最新データは2025年11月です。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

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繰返しになりますが、昨年2025年12月統計のCI一致指数は、前月から▲0.4ポイント下降しました。加えて、内閣府のプレスリリースによれば、3か月後方移動平均は3か月ぶりの下降で前月から▲0.13ポイント下降した一方で、7か月後方移動平均は前月から▲0.14ポイント下降し、こちらは2か月連続の下降となっています。統計作成官庁である内閣府による基調判断は、5月統計から「下げ止まり」に下方修正されましたが、12月統計でも「下げ止まり」に据え置かれています。私はいろいろと紆余曲折を経つつも、米国経済がソフトランディングに成功するとすれば、そう簡単には日本経済が景気後退局面に入ることはない、と考えています。ただし、米国経済でも日本経済でもまだまだインフレが高止まりしており、特に、日本ではすでに景気回復・拡大局面の後半に入っている点は忘れるべきではありません。加えて、長期金利が2%超となっている中で、多くのエコノミストが円高を展望して待ち望んでいる金融引締めは景気を下押しすることが明らかであり、引き続き、注視する必要があるのは当然です。
ただ、今月は景気動向指数に3枚目のグラフを新たに付け加えました。上のグラフの一番下のパネルの景気を把握する新しい指数(一致指数)です。12月データがまだ利用可能ではありませんが、青いラインの現行のCI一致指数が停滞気味であるのに比べて、赤の景気を把握する新しい指数(一致指数)は明らかに現行CI一致指数よりも上向きとなっています。そして、その景気を把握する新しい指数(一致指数)を構成する生産・分配=所得・支出の3面と財・サービス別のコンポーネントをプロットしています。新指標を構成する3面の中では、生産よりも支出が上昇し、さらに支出よりも分配=所得が上昇し、新指標をけん引している点が読み取れます。もちろん、財・サービス別では財よりもサービスの方の上昇が大きくなっています。この新指標はまだ参考指標ではありますが、何となく私の実感によくマッチしている気がします。
最後に、CI一致指数を構成する系列を前月差に対する寄与度に従って詳しく見ると、耐久消費財出荷指数が▲0.35ポイント、次いで、商業販売額(小売業)(前年同月比)が▲0.26ポイント、投資財出荷指数(除輸送機械)が▲0.17ポイント、などが下降の方向で寄与しています。引用した記事にある「自動車出荷減」は耐久消費財集荷指数や商業販売額(小売業)に現れているようです。逆に、商業販売額(卸売業)(前年同月比)が+0.26ポイント、有効求人倍率(除学卒)が+0.13ポイント、営業利益(全産業)は+0.10ポイント、などが上昇の方向での寄与を示しています。ついでに、前月差+0.3ポイントと上昇したCI先行指数についても上昇要因だけ数字を上げておくと、新設住宅着工床面積が+0.51ポイント、新規求人数(除学卒)が+0.33ポイント、中小企業売上げ見通しDIが+0.22ポイント、などとなっています。

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2026年2月 5日 (木)

さ来週公表予定の10-12月期GDP統計速報1次QEの予想やいかに?

先月末あたりから必要な統計がほぼ出そろって、さ来週2月17日に、昨年2025年10~12月期GDP統計速報1次QEが内閣府より公表される予定となっています。すでに、シンクタンクなどによる1次QE予想が出そろっています。ということで、いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下のテーブルの通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、GDP統計の期間である昨年2025年10~12月期ではなく、足元の1~3月期から先行きの景気動向を重視して拾おうとしています。先行き経済について言及しているシンクタンクは大和総研やみずほリサーチ&テクノロジーズなど多くあり、特にこの2機関は詳細に分析していますので長々と引用してあります。いずれにせよ、1次情報にご興味ある向きは一番左の列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。なお、"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。

 

(+2.1%)

機関名 実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研 +0.2%
(+0.7%)
2025年7~9月期の実質GDP(2次QE)は、設備投資と公共投資が大幅に下方改定される見込み。この結果、成長率は前期比年率▲2.4%(前期比▲0.6%)と、1次QE(前期比年率▲1.8%、前期比▲0.4%)から下振れると予想。
大和総研 +0.2%
(+0.7%)
2026年1-3月期の日本経済は、プラス成長を続けると見込んでいる。所得環境の改善により個人消費が増加に転じるほか、設備投資も増加を続けよう。輸出は、トランプ米政権による高関税政策(トランプ関税)や中国政府の渡航自粛要請の影響などから、財、サービスいずれも減少するとみられる。
個人消費は増加すると予想する。背景にあるのは、実質賃金の上昇だ。10月以降の最低賃金の大幅引き上げなども背景に、名目賃金上昇率が堅調に推移する一方、物価上昇率は政府のエネルギー高対策や食料品価格の上昇鈍化などにより、大きく低下しよう。例年以上の高水準となったとみられる2025年の年末賞与も、ラグを伴いつつ、2026年1-3月期の消費を下支えすると見込んでいる。
設備投資は増加すると予想する。日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(日銀短観)によると、12月調査時点での2025年度の設備投資計画(全規模全産業、除く土地、含むソフトウェア・研究開発)は前年度比+9.5%と堅調だった。トランプ関税の影響により輸出企業の一部で投資意欲が下押しされる面はあるものの、日本経済全体ではソフトウェアや研究開発にけん引される形で、設備投資の増加基調が維持されると見込んでいる。
住宅投資は、2025年4月の法改正前後の駆け込み需要と反動減の影響がおおむね一巡し、横ばい圏で推移すると見込んでいる。
公共投資は増加すると予想する。防災・減災、国土強靱化にかかる事業の進捗に下支えされる中、2025年後半に弱含んだ反動が一部で表れよう。政府消費は、高齢化に伴う医療費増などにより増加すると見込んでいる。
輸出は減少が続くと予想する。トランプ関税への対応で、企業が米国での販売価格を引き上げたり、現地生産・調達を増やしたりする動きが加速することで、財輸出は米国向けを中心に減少しよう。サービス輸出も、中国政府の渡航自粛要請により中国人訪日客の減少が続くことなどから、弱含むとみられる。
みずほリサーチ&テクノロジーズ +0.6%
(+2.4%)
2026年1~3月期の実質GDPも、個人消費や設備投資などの内需を中心に緩やかな拡大が続くだろう。
個人消費は、実質賃金の改善が追い風になると見込む。名目賃金の上昇傾向が続く一方、食料インフレの減速や政府の物価高対策を受けて物価の伸びが抑制されるためだ。2025年末にいわゆるガソリン暫定税率が廃止されたことに加え、2025年度補正予算に盛り込まれた電気・ガス代支援の効果が2~4月のインフレ率を押し下げる(支援実施期間は1~3月)ことで、コアCPI(生鮮食品を除く総合)は一時的に前年比+2%を下回ると考えられる。
設備投資は、企業の堅調な景況感・業績や、省力化・DX関連投資といった構造的な投資需要を背景とする旺盛な設備投資意欲を受け、拡大傾向が続くだろう。米国の高関税は今後も残るものの、日本の輸出をさらに下押しする可能性は小さく、設備投資への影響も限定的とみる。
さらに、2026年度の日本経済は、こうした個人消費や設備投資の拡大に、高市政権の総合経済対策の効果も本格的に加わり、前年比+1%前後の堅調な成長になると見込まれる。公共投資を中心とする公的需要の拡大、エッセンシャルワーカーの処遇改善や子育て応援手当などを通じた消費喚起、そして、「危機管理投資・成長投資」による設備投資の支援策が、2026年度の成長率を押し上げる要因になろう。
金融政策については、経済・物価や為替の動向などを踏まえて日本銀行が今後2026年度内に2回の追加利上げを行い、政策金利が1.25%の水準に到達すると現時点で見込んでいる。
ニッセイ基礎研 +0.4%
(+1.7%)
2025年10-12月期は、外需がほぼ横ばいとなる中、民間消費、住宅投資、設備投資がいずれも増加し、国内民間需要中心のプラス成長になったとみられる。輸出は当面横ばい圏にとどまるものの、物価高対策による実質購買力の改善を主因として民間消費が底堅く推移し、高水準の企業収益を背景に設備投資の増加が続くことが見込まれる。現時点では、2026年1-3月期の実質GDPは前期比年率1%台のプラス成長を予想している。
第一生命経済研 +0.4%
(+1.5%)
現時点では、26年1-3月期もプラス成長を予想している。米国経済が底堅く推移していることから輸出の緩やかな持ち直しが見込めることに加え、物価の鈍化に伴って実質賃金の下げ止まりが予想されることが下支え要因となるだろう。これまで賃金の伸びが物価上昇に追い付かず、実質賃金は減少が続いていた。だが、ガソリン旧暫定税率廃止や電気・ガス代補助金の再開といった政策要因もあり、1-3月期のCPIは前年比+2%を割り込む可能性が高く、実質賃金もプラス圏に浮上することが予想される。所得面での下押しが和らぐことが、個人消費の下支えになるだろう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング +0.5%
(+2.0%)
2025年10~12月期の実質GDP成長率(1次速報値)は、前期比+0.5%(前期比年率換算+2.0%)と、2四半期ぶりのプラス成長になったと見込まれる。個人消費や設備投資といった内需が底堅く推移したほか、トランプ関税の影響で落ち込んでいた米国向けを中心に、輸出に下げ止まりの動きがみられたことも下支えとなった。加えて、制度変更の影響で前期に大きく落ち込んだ住宅投資が、住宅着工の持ち直しを受けて前期比プラスに転じたことも押し上げに寄与した。
三菱総研 +0.4%
(+1.6%)
先行きの日本経済は、内需の底堅さに支えられ、1%近傍のプラス成長が続くとみる。
個人消費は、家計の購買力回復・マインド改善から、緩やかに持ち直すとみる。26年春闘では5%超の高い賃上げ率が維持され、先行きの実質賃金が前年比プラス基調に転じるだろう。
企業の設備投資は、DX・GX・供給網強靱化などの構造的な取り組みに加え、設備投資促進政策の押し上げもあり、拡大傾向が続くだろう。
伊藤忠総研 +0.4%
(+1.8%)
2026年1~3月期は、米国経済の減速に加え、春節期間の訪日中国人客の大幅減が懸念されるため、輸出は再び前期比で減少に転じるとみられる。一方、政府の物価高対策の効果もあり個人消費は増勢を強め、設備投資は拡大基調を維持、公共投資も今年度補正予算での追加分が執行され増加に転じると見込まれるため、マイナス成長は回避すると予想。ただ、実質GDP成長率は減速する可能性があろう。
明治安田総研 +0.4%
(+1.8%)
先行きは、コメをはじめとする食品価格の寄与低下や、ガソリン税の旧暫定税率廃止などの影響で物価上昇率が鈍化することから、実質賃金はプラス圏に浮上することが見込まれる。ただし、プラス幅自体は限定的とみられ、個人消費はあくまで緩やかな回復にとどまるとみる。設備投資は、日銀短観など各種調査でみられるとおり計画は堅調で、良好な企業収益に加え、省力化投資の需要が安定的に見込まれることを追い風に底堅い推移が続くと予想する。一方、住宅投資は、住宅価格の高止まりと住宅ローン金利の上昇が足枷になるとみる。
外需については、インバウンド需要は一定程度下支え要因となるものの、米国の関税が引き続き自動車を中心に下押し圧力になるほか、中国景気が力強さを欠くことなどから財輸出は停滞気味の推移が見込まれる。これらを踏まえると、2026年の日本景気は緩やかな回復傾向で推移するというのがメインシナリオである。
農中総研   10~12 月期のGDPについて、実質成長率は前期比0.5%(同年率換算2.1%)と、2期ぶりのプラスと予想する。前年比も0.8%と6期連続のプラスが見込まれる。また、名目成長率は前期比0.9%(同年率3.6%)と2期ぶりのプラスとなるだろう。
東京財団 +0.28%
(+1.13%)
モデルは、2025年10-12月期のGDP(実質、季節調整系列前期比)を、0.28%と予測。※年率換算: 1.13%

 

すべてのシンクタンクが2025年10~12月期をプラス成長と見込んでいます。大雑把に、+1%台後半から+2%台前半というところかと思います。そして、現在の足元の1~3月期もプラス成長を見込んでいるシンクタンクが多くなっています。昨期の10~12月期と足元の1~3月期に共通して、大雑把な見方として、政府の物価高対策を含めて物価上昇率が低下してきたのに従って、実質所得が増加して消費が増加しているのが大きな要因のひとつと私は考えています。ただ、米国のトランプ関税などで輸出は伸び悩んでおり、外需が内需の足を引っ張っている、という構図かと思います。ただ、内需にしても、住宅投資は制度要因によるかく乱から脱したばかりですし、設備投資も日銀短観などに示された投資計画通りに実行されるという保証はありません。特に、みずほリサーチ&テクノロジーズが想定しているように、日銀が政策金利を2回に渡ってベーシスずつ引き上げて1.25%になったりすると、設備投資や住宅投資には金利上昇の悪影響が出始めかねないと私は危惧しています。ただ、少なくとも現時点では今年の春闘でも+5%程度の賃上げとなり、消費者物価上昇率が今年前半には+2%を下回る可能性が高いですから、消費が今年2026年に拡大する可能性は高まっていると考えられます。例えば、日本経済研究センター(JCER)のESPフォーキャストによれば、いずれも予想値の平均で、2026年の春季賃上げ率は5.02%、2026年1~3月期の消費者物価上昇率は+1.90%と、それぞれ予想されています。ですので、実質賃金は+2-3%の伸びとなる可能性が高まっています。消費はその実質所得の増加に従って拡大すると期待してよさそうです。
最後に、下のグラフはニッセイ基礎研究所のリポートから引用しています。

 

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2026年2月 4日 (水)

KPMGリポート「経済安全保障・地政学リスク2026」

先週金曜日の1月30日にBig4会計法人のひとつであるKPMGから「経済安全保障・地政学リスク2026」と題するリポートが公表されています。まず、2026年の注目テーマとして9項目が上げられており、最初の6項目は地域別で、米中関係、米国、東アジア、ロシア・ウクライナ、欧州、グローバルサウス、となっており、残り3項目が地域横断的に、サステイナビリティ、経済安保、テクノロジー、となっています。

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上のテーブルは、KPMGのサイトから、【米国・中国・EU・日本のAI政策比較】を引用しています。現在の株高などをAI技術がサポートしている面があるのは広く報じられている通りです。ただ、テーブルから、私なりに2点だけ読み取ると、第1に、AIのリスクを意識しているのは欧州だけで、米中日はどうも、手放しでAI振興の方向性を打ち出しているように見受けられます。それにしては、第2に、投資規模が日本だけ1桁小さいような気がします。米国が5000億ドル、中国が1兆元=22兆円、欧州も2000億ユーロ=36兆円、に対して日本は1兆円、ということのようです。KPMGの取りまとめですので、抜けがないとはいい切れませんし、そもそも、GDPで見た経済規模が日本だけ小さい、ということもいえますが、リスクを考えていない割には投資規模が小さい、というのが日本のAI政策の特徴かもしれません。

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