2021年4月16日 (金)

米国経済に依存する我が国経済の回復について考える!!!

このブログでもたびたび指摘していますが、米国バイデン政権がワクチン接種を進めると同時に、次々と強力な財政政策ほかを打ち出しており、米国経済の回復が強力に進むことから、我が国へのその波及効果が期待されています。特に、一昨日の4月14日に大和総研から「米国経済V字回復による日本経済への恩恵」と題するリポートを明らかにしています。まず、リポートから1ページ目の[要約]4点を引用すると以下の通りです。

[要約]
  • 米国では、新型コロナウイルスワクチン接種による経済の正常化と、大型景気対策によるV字回復への期待感が高まっている。米国の内需の急回復は、輸入の増加を通じて、貿易相手国経済にもプラスの効果をもたらす可能性が高い。
  • 地域別では、米国との結びつきが強いカナダ、メキシコ経済への好影響が特に大きいとみられる。加えて、米国最大の輸入相手国である中国でも輸出の大幅な増加が見込まれる。日本の輸出への影響はこれらの国と比べると小さくなるとみられるものの、輸出感応度は比較的高いため日本の米国向け輸出も高い伸びが期待される。
  • 日本の輸出関数を推計すると、米国の国内需要1%の増加に対して、米国向け輸出は3.8%増加するという関係が確認される。当社の米国経済見通しを基にすれば、2021年の米国向け実質輸出は2020年から約4.8兆円増加し、実質GDPを0.9%程度押し上げると推計される。業種別では、米国向け輸出に占めるウエイトが最も高い輸送用機器が特に米国内需拡大の恩恵を受けやすい。
  • ただし、足元では部材となる半導体の不足によって、世界的に自動車メーカーは減産を余儀なくされる状況が広がっている。自動車の大幅な増産は当面難しいとみられ、米国向け輸出のけん引役として期待される自動車輸出の回復は半導体不足が解消するまで後ずれする可能性が高い。

ということで、リポート冒頭丸々1ページのテキストを引用していますので、これで十分という気もしますが、次に、リポートp.4/5の 図表3:世界各国輸出の米国内需に対する感応度と対米貿易依存度 を引用すると下の通りです。

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見て明らかな通り、米国と国境を接するメキシコやカナダほどではなく、日本の米国向け貿易収支の対GDP比で代理した縦軸の米国依存度については、図中の11か国中7位と必ずしも高くないものの、米国国内需要に対する輸出感応度で測った横軸の輸出感応度はブラジル、カナダ、中国、メキシコに次いで5番目に高いことが示されています。ですから、米国内需の拡大によって米国向け輸出は他国に比べて増加しやすい経済構造となっていることが確認されています。高度成長期には「米国がクシャミをすると、日本が風邪を引く」と例えられたこともありますが、逆に、米国の高成長が日本に輸出を通じて経済的な恩恵をもたらすこともあるわけです。そして、最初に引用したリポートの[要約]のように、大和総研では今年2021年に米国経済のV字回復により、日本経済には+5兆円、GDP比で+1%近い押上げ効果があるのと試算結果を示しています。もちろん、産業別には輸送機械、というか、自動車の比率が高く、半導体不足から自動車の減産が計画されていますので、この押上げ効果が半導体生産の回復まで後ズレする可能性が十分あるものの、現在のワクチン接種の大きな遅れや経済政策の無策のために、政治が新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミックを防げず、経済の足を引っ張る構図が少しでも緩和される方向にあることは確かです。

最後に、昨日、日銀支店長会議にて「さくらリポート」(2021年4月) が明らかにされています。もちろん、pdfの全文リポートもポストされています。各地域の景気の総括判断と前回との比較は下のテーブルの通りで、北海道と東北の景気判断は下方修正された一方で、他の地域は据え置かれています。「厳しいながらも、持ち直し」というのが大雑把な平均でしょうか?

 【2021年1月判断】前回との比較【2021年4月判断】
北海道新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあり、足もとでは持ち直しのペースが鈍化している新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあり、横ばい圏内の動きとなっている
東北厳しい状態にあるが、持ち直しの動きがみられている基調としては持ち直しているが、足もとはサービス消費を中心に新型コロナウイルス感染症再拡大の影響が強まっているとみられる
北陸厳しい状態にあるが、持ち直しつつある厳しい状態にあるが、持ち直しつつある
関東甲信越引き続き厳しい状態にあるが、持ち直している。ただし、足もとではサービス消費を中心に感染症の再拡大の影響がみられているサービス消費を中心に引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している
東海厳しい状態が続く中でも、持ち直している厳しい状態が続く中でも、持ち直している
近畿新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状態にあるが、全体として持ち直しの動きが続いている新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状態にあるが、全体として持ち直している。もっとも、まん延防止等重点措置が実施されるもとで、サービス消費への下押し圧力は強い状態にある
中国新型コロナウイルス感染症の影響から、依然として厳しい状態にあるが、持ち直しの動きが続いている新型コロナウイルス感染症の影響から、依然として厳しい状態にあるが、持ち直しの動きが続いている
四国新型コロナウイルス感染症の影響から一部に足踏み感もあるが、全体としては持ち直しの動きがみられている新型コロナウイルス感染症の影響から一部に弱い動きもみられるが、全体としては持ち直しの動きが続いている
九州・沖縄厳しい状態にあるものの、持ち直しつつある厳しい状態にあるものの、輸出・生産を中心に持ち直しつつある

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2021年4月15日 (木)

海外紙の論調を見つつ東京オリンピック中止の決断について考える!!!

やや旧聞に属する話題も含めて、海外紙でいくつか開幕100日前のタイミングで東京オリンピックに関するコラムが取り上げられています。まず、もっとも注目すべき論調のひとつとして、今週月曜日の4月12日に New York Times 紙にて "It's Time to Rethink the Olympics" と題するコラムが掲載されています。タイトルは幅広くオリンピックについて考え直すことを提唱していて、例えば、北京冬季オリンピックのボイコット問題なども取り上げています。しかし、日本では、もちろん、今夏の東京オリンピックに対してとても否定的な見解が示されたと受け止められています。例えば、共同通信は「東京五輪は『最悪のタイミング』 一大感染イベントと米紙」と題して発信されています。まず、New York Times 紙のサイトから記事のうちの東京オリンピックに関する4パラだけを引用すると以下の通りです。

It's Time to Rethink the Olympics
In July, yet another wildly overbudget Summer Games, originally slated for 2020 but postponed because of the pandemic, will begin in Tokyo.
The timing remains awful.
Japan has worked hard to tamp down the coronavirus, but now cases are creeping up, and the nation's vaccination rate is lagging. Organizers just rerouted the torch relay planned this week to reach the streets of Osaka, where one health official said the spread of new variants had pushed the medical system to "the verge of collapse."
Into this troubled environment, 11,000 athletes from all corners of the globe will descend, along with coaches, officials, Olympic support staff, media workers and more. The Tokyo Games could end up being a three-week superspreader event that leads to death and illness across Japan and far beyond.

引用したうちの大きなサイズの青いフォントの部分が共同通信のタイトルになっている「最悪のタイミング」とか、「一大感染イベント」に相当するんではないかと思います。ほかに、英国紙も否定的な論調を示しており、取りあえず、タイトルだけ示すと以下の通りです。

ということで、後者の The Guardian では明確に "With coronavirus surging in Japan and internationally, this summer's Games are a risky prospect" と指摘していますし、前者のThe Times では "The question of whether the Games will happen appears resolved for now, though whether they should is a debate still causing vexation among the Japanese public, with more than 70 per cent in the latest poll against staging the Games this summer." として、我が国の国内世論も否定的であると論じています。

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その国内世論について、私が直近で見た新聞社の世論調査でも、先週末の調査結果が朝日新聞のサイトにあり、東京オリンピックは中止35%、延期34%で、今夏開催は28%にとどまっていて、国内の支持もほとんどないといえます。同じ朝日新聞のサイトからそのグラフを引用すると上の通りです。観客についても通常通りとする意見はごく少数です。このブログでも3月22日付けで新聞通信調査会から「対日メディア世論調査」の結果を取り上げていて、諸外国でも調査対象となったすべての国で中止+延期が70%を超えていると紹介しましたが、日本でもまったく同じです。

私も、東京オリンピック・パラリンピックは中止すべきであると考えています。ただ、3月22日の記事でも指摘したように、いわゆる「兵力の逐次投入」の逆で、「五月雨式撤退」になりそうな予感もします。すなわち、まず、すでに決まった海外からの観戦客の受入れをヤメにして、次に、国内の観戦客もヤメにして無観客とし、いくつかの国からの選手団の派遣がポロポロと櫛の歯が抜けるようにヤメになり、最後に開催そのものがヤメになる、というところなんでしょうが、最後の決断を現政権は出来ない可能性も併せて指摘しておきたいと思います。ですから、おそらく、米国あたりからの強力な外圧をもってオリンピック中止の判断が下るのではないか、と私は予想しています。恐ろしいことに、現在の菅内閣はそこまで無能な気がしてなりません。

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2021年4月14日 (水)

基調判断が下方修正された機械受注の先行きをどう見るか?

本日、内閣府から2月の機械受注が公表されています。変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て前月比▲8.5%減の7698億円と、2か月連続で前月比マイナスを記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の機械受注、前月比8.5%減 市場予想は2.8%増
内閣府が14日発表した2月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比8.5%減の7698億円だった。QUICKがまとめた民間予測の中央値は2.8%増だった。
うち製造業は5.5%減、非製造業は10.9%減だった。前年同月比での「船舶・電力を除く民需」受注額(原数値)は7.1%減だった。
内閣府は基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に変更した。
機械受注は機械メーカー280社が受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。受注した機械は6カ月ほど後に納入されて設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。

続いて、機械受注のグラフは上の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影を付けた部分は景気後退期なんですが、貿易統計のグラフと同じで、このブログのローカルルールにより勝手に直近の2020年5月を景気の谷として暫定的に同定しています。

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日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注で見て、前月比で+2.3%増、予想レンジの下限でも▲1.9%減でしたので、実績の▲8.5%減という結果は、この振れの大きい統計から考えても、かなりのサプライズと受け止められています。ですので、引用した記事にもあるように、統計作成官庁である内閣府でも基調判断を「持ち直している」から、「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に半ノッチ下方修正しています。ただし、上のグラフを見ても分かる通り、6か月後方移動平均の太線ではまだ下方に屈折したというわけではありません。その意味で、基調判断も半ノッチの下方修正にとどめているのであろうと、私は想像しています。
コア機械受注は1~2月と前月比マイナスが続き、しかも、製造業、コア非製造業ともマイナスです。当然ながら、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響を受けているわけで、製造業よりも船舶と電力を除く非製造業のマイナス幅の方が大きくなっています。ただ、世界的な半導体の供給不足で自動車メーカーには生産調整の計画もあり、今後の動向は不透明です。なお、先行きの設備投資を占う上ではコア機械受注が指標となりますが、他方で、外需がその先行指標となっているのも事実です。その外需は、上のグラフに見られるように、2月に大きくジャンプしています。前月比+76.2%増の1兆8061億円に上りました。コア機械受注の2倍を超えるわけです。このため、コアだけではない機械受注総額は前月比+26.4%増の3兆312億円に達しています。バイデン政権の積極的な財政政策に支えられた米国などの景気回復はかなり本格的ですし、またまた、機械受注も外需主導の増加を示しているといえます。

ワクチン接種政策はひどいもので、財政政策もダメ、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大を一方的に国民の気の緩みに押し付けている政府や地方公共団体のどうしようもない失策のために、経済も足踏みするしかないのかもしれません。

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2021年4月13日 (火)

前年割れが予想される夏季ボーナスはどれくらい消費に影響するか?

先週から今週にかけて、例年のシンクタンク3社から2021年夏季ボーナスの予想が出そろいました。どうも、みずほ総研とみずほ情報総研が合併して、みずほリサーチ&テクノロジーズになって、ボーナス予想から撤退したようです。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると以下のテーブルの通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、公務員のボーナスは制度的な要因で決まりますので、景気に敏感な民間ボーナスに関するものが中心です。可能な範囲で、消費との関係を中心に取り上げています。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、あるいは、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブでリポートが読めるかもしれません。なお、「公務員」区分について、日本総研と三菱リサーチ&コンサルティングでは国家公務員の組合員ベースの予想、と聞き及んでおります。

機関名民間企業
(伸び率)
国家公務員
(伸び率)
ヘッドライン
日本総研37.1万円
(▲3.2%)
66.5万円
(▲2.2%)
新型コロナの賞与への影響は、既に顕在化。昨年の賞与は、大企業において一人当たり賞与額の削減、小企業において支給の見送り(支給対象人数の削減)を主因に減少。業種別では、飲食サービス、生活関連サービス、運輸・郵便(旅客輸送)が大幅な落ち込みに。
こうした傾向は今夏も続き、賞与支給総額は、同▲4.1%の減少となる見込み。一人当たり支給額に加え、支給対象者数の減少も続く見込み。新型コロナの感染拡大前に2020年度の支給額が決まっていた大企業では、今夏から新型コロナの影響が本格化。
第一生命経済研(▲3.6%)n.a.20年については、雇用者報酬が悪化するなかでも、特別定額給付金の支給によって所得が増加した世帯が多く、雇用や賃金の減少が消費の制約にはなっていなかった。だが、給付金の支給がない21年については、賃金の減少が可処分所得の悪化に直結する。今後はこうした所得の悪化が景気回復の頭を押さえる材料としてクローズアップされてくるだろう。新型コロナウイルスの感染者数が再び増加に転じていることもあり、個人消費の先行きについては慎重に見ておく必要がある。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング37.5万円
(▲2.3%)
66.1万円
(▲2.8%)
一人当たり支給額の減少の大きさに加え、支給事業所割合も大幅に低下したことから、冬のボーナスの支給総額1(一人当たり支給額×支給労働者数)は16.1兆円(前年比-5.5%)と、東日本大震災の影響が残る2012年以来8年ぶりに前年を下回った。もっとも、特別定額給付金支給や株高の影響もあって家計金融資産は20年末時点で過去最高を記録しており、予算制約が個人消費の回復を制限する懸念は小さいだろう。

いずれにせよ、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミックの中で、ワクチン接種が遅れて第4波の感染拡大が始まっているわけですから、夏季ボーナスが増加するとはとても思えません。毎月の定額のお給料もそうですが、ボーナスは特に強く景気に相関するからです。しかも、1人当りの支給額が減少するのに加えて、支給対象労働者数も減少しますから、その積で求められる支給総額はダブルパンチで減少を示すこととなります。支給総額について、日本総研では前年比▲4.1%減、三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは▲4.8%減、第一生命経済研ではビミョーに表現が異なっていて「ボーナスの支給がない労働者も含めた平均」として▲5.0%減を見込んでいます。マクロの消費の要因となるのはコチラの支給総額であり、こういった支給総額の減少が消費に及ぼす影響についてはシンクタンクの間でも見方が分かれています。すなわち、日本総研では特に言及ありませんが、第一生命経済研では「個人消費の先行きについては慎重に見ておく必要」としている一方で、三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは「特別定額給付金支給や株高の影響もあって家計金融資産は20年末時点で過去最高を記録しており、予算制約が個人消費の回復を制限する懸念は小さい」と指摘しています。支給総額の減少幅については両機関でそれほど大きな違いは見られませんので、純粋に分析の結果に依存する、ということになります。私自身の感触としては、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの分析結果のように金融資産の取崩しによる流動性制約の解決というよりは、従来から、我が国家計の消費は恒常所得仮説がある程度成り立っており、その意味で、ボーナスという臨時収入よりも所定内賃金とかの恒常的な所得により強く反応し、この程度のボーナスの落ち込みに対する消費のダメージは決して大きくない、と見込んでいます。ただ、こういったボーナス減も繰り返して長期化すればダメージは決して無視できず、我が国家計に対する再度の特定給付金支給、あるいは、時限的であっても消費税率の引下げないし廃止などの実質所得をサポートする政策が必要と考えています。
下は夏季賞与の支給総額のグラフを日本総研のリポートから引用しています。

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誠についでながら、NHKのサイトにある世界のワクチン接種回数 (100人あたり)のグラフを引用すると以下の通りです。このブログの3月23日付けで取り上げたのと同じ Our World in Data の Coronavirus (COVID-19) Vaccinations のサイトのデータを参照しているようです。第一生命経済研のリポート「ワクチン接種率で決まる世界経済」では、我が国のワクチン接種率は英米の1/40にしか過ぎず、「ワクチン接種率が圧倒的に遅いとなると、日本経済の回復が諸外国に比べて大幅的に遅れることが必然」であると、タイトル通りの主張がなされています。従って、ワクチン接種後は国や地域によりK字型の回復になると指摘しています。英米はK字型の上の方、日本は下の方、なんでしょうね。ボーナスは減るし、景気回復は大きく遅れそうだし、原発処理水は海洋放出するし、で、結局、総選挙の結果で国民の意志を示すしかないのでしょうか?

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2021年4月12日 (月)

+1.0%の上昇を示した3月の企業物価(PPI)をどう見るか?

本日、日銀から3月の企業物価 (PPI) が公表されています。ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+1.0%を示しています。まず、REUTERSのサイトから記事を引用すると以下の通りです。朝刊休刊日のためか、日経新聞のサイトに記事が見当たりません。

企業物価、3月は前年比+1.0% 13カ月ぶり上昇
日銀が12日に発表した3月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比プラス1.0%となり、13カ月ぶりに上昇した。ロイターがまとめた市場予想(プラス0.5%)も上回った。前年比プラスとなったものの、コロナ前の水準を回復したと判断するのは早計だという。
前年比の上昇幅は2020年1月以来の大きさ。電力・都市ガス・水道、プラスチック製品などがマイナス方向に寄与したものの、非鉄金属、石油・石炭製品、スクラップ類などがプラスに寄与し、指数全体を押し上げた。国内の需要動向を比較的反映しやすい鉄鋼や木材・木製品も緩やかながら回復している。
744品目中、前年比で上昇したのは307品目、下落したのは333品目。下落が上昇を26品目上回った。下落品目数が上昇品目数を上回っている状況を踏まえると、「完全にコロナ前の水準に戻ったというのはまだ早い」(日銀の担当者)という。
前月比ではプラス0.8%と4カ月連続のプラス。石油・石炭製品、非鉄金属、化学製品などが押し上げに寄与した。最もプラスに寄与した石油・石炭製品は、2月中旬から3月にかけての原油市況がサウジアラビアの自主的な追加減産の継続や米国経済の回復などを背景に上昇したことを受けて値上がりした。
日銀の担当者は「価格上昇の裾野が広がっている様子がみられたが、主な押し上げ寄与は原油や非鉄金属などの国際市況上昇からきている。国内の需要がものすごく強まっているというより、米中経済の回復にけん引されている側面が強い」とコメントした。

続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは下の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。また、影を付けた部分は景気後退期であり、直近の2020年5月を景気の谷として暫定的にこのブログのローカルルールで同定しています。

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先月統計の公表時にも、このブログで「順調に足元で物価が下げ止まりつつあります」と評価していますが、まさに、その通りの展開と受け止めています。日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスも、引用した記事にあるロイターがまとめた市場予想も、ともにPPIのヘッドラインとなる国内物価の前年同月比で+0.5%の上昇でしたから、やや上振れたといえます。私はかなりの程度に順調に物価上昇率が拡大していると受け止めていますので、引用した記事のように、上昇と下落の品目数で物価の基調を見るのもどうかと思います。品目別で前年同月比を詳しく見ると、非鉄金属が+28.7%、石油・石炭製品が+9.8%、鉄鋼が+2.2%などとなっています。季節調整していない原系列の統計ながら、前月比も+0.8%の上昇を示しており、品目別でも、石油・石炭製品、非鉄金属、化学製品の寄与が大きく、国際商品市況における石油ほかの1次産品価格の上昇とともに、中国をはじめとする新興国における景気回復が背景にあるものと考えるべきです。その意味で、これも引用した記事にあるように、米中経済の回復にけん引された物価上昇である可能性が高いと考えられます。内需主導ではなく、物価まで外需主導になっているわけです。まあ、それはそれで、デフレから本格的に脱却できればいいような気がしないでもありません。

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2021年4月 9日 (金)

東洋経済オンライン「2.5万人の就活生が選ぶ『就職人気ランキング』」の結果やいかに?

すでに、大学では就活が始まっています。学部4回生や大学院修士課程の2回生などについては、授業の進捗などについて私も配慮するようにしています。その中で、4月4日に東洋経済オンラインにて「2.5万人の就活生が選ぶ『就職人気ランキング』」の結果が明らかにされています。私は昨年4月に今の大学に赴任したばかりで、まだ来年卒業の4回生のゼミは持っていませんが、下の倅もこの4月から最終学年に入って就活に励んでいるようですし、もちろん、大いに気にかかるところです。下のテーブルは、東洋経済オンラインのサイトから引用しています。男女ともに伊藤忠商事がトップだったりします。

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2021年4月 8日 (木)

景気ウオッチャーと消費者態度指数に見るマインドは改善続く!!!

本日、内閣府から3月の景気ウォッチャー消費者態度指数が、また、財務省から2月の経常収支が、それぞれ公表されています。各統計のヘッドラインを見ると、景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から+7.7ポイント上昇の49.0を示した一方で、先行き判断DIは▲1.5ポイント低下して49.8を記録しています。消費者態度指数は前月から+2.2ポイント上昇し36.1となっています。経常収支は、季節調整していない原系列で+2兆9169億円の黒字を計上しています。まず、統計のヘッドラインを手短に報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

街角景気、現状判断指数は2カ月連続改善
内閣府が8日発表した3月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)は49.0で、前の月に比べて7.7ポイント上昇(改善)した。改善は2カ月連続。家計動向、企業動向、雇用が改善した。
2~3カ月後を占う先行き判断指数は49.8で、1.5ポイント低下した。低下は4カ月ぶり。家計動向、企業動向が悪化した。
内閣府は基調判断を「新型コロナの影響による厳しさは残るものの、持ち直している」に変更した。
3月の消費者態度指数、前月比2.2ポイント上昇の36.1
内閣府が8日発表した3月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比2.2ポイント上昇の36.1だった。内閣府は消費者心理の判断を「依然として厳しいものの、持ち直しの動きが続いている」で据え置いた。
態度指数は消費者の「暮らし向き」など4項目について、今後半年間の見通しを5段階評価で聞き、指数化したもの。全員が「良くなる」と回答すれば100に、「悪くなる」と回答すればゼロになる。
2月の経常収支、2兆9169億円の黒字 80カ月連続黒字
財務省が8日発表した2月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は2兆9169億円の黒字だった。黒字は80カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値は1兆9803億円の黒字だった。
貿易収支は5242億円の黒字、第1次所得収支は2兆6311億円の黒字だった。

3つの統計を取り上げましたので、やや長くなりましたが、いつもの通り、よく取りまとめられた記事だという気がします。次いで、景気ウォッチャーと消費者態度指数のグラフは下の通りです。上のパネルは景気ウォッチャーの現状判断DIと先行き判断DIをプロットしており、下の消費者態度指数のグラフでは、ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。どちらのグラフも、影を付けた部分は景気後退期なんですが、このブログのローカルルールで直近の2020年5月を景気の谷として暫定的に同定しています。

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景気ウォッチャーについては、ままあることながら、現状判断DIが上昇した一方で、先行き判断DIは低下しています。現状判断DIでは、コンポーネントの家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべてのDIが上昇しています。特に、飲食関連は+12.2ポイントと2ケタの上昇を示しています。ただし、先行き判断DIでは、家計動向関連と企業動向関連は低下し、雇用関連だけが上昇を示しています。先行き判断DIが低下しているのは、足元で新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染者が増加していることがマインドに反映しているのであろうと私は考えています。消費者態度指数はすべてのコンポーネントが前月から上昇していて、詳しく見ると、「雇用環境」が+3.3ポイント、「耐久消費財の買い時判断」が+2.0ポイント、「暮らし向き」が+1.8ポイント、「収入の増え方」が+1.6ポイント、それぞ上昇しています。景気ウォッチャーでもマイナスを示した先行き判断DIにおいて、雇用関連だけがプラスでしたし、消費者態度指数のコンポーネントも「雇用環境」がひときわ大きなプラスを示しています。おそらく、人口動態の影響からしても、人手不足が雇用に楽観的な見方をもたらしているのではないかと考えられます。いずれにせよ、マインド調査の結果は極めて整合的と私は受け止めています。景気ウォッチャーの基調判断は、この統計の特徴で、ゴチャゴチャといろんな限定を付しつつ「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直している」に半ノッチ上方修正されています。

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次に、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。ということで、上のグラフを見れば明らかなんですが、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響は経常収支でも最悪期を脱した可能性があります。季節調整済みの系列で見る限り、貿易収支は7月統計から黒字に転じ、本日公表の2月統計で小幅に赤字に転じていますが、これは中華圏の春節による影響ではないかと考えられます。COVID-19のために、インバウンド消費はもうどうしようもありませんが、それ以外の財貨とサービスの輸出入は米国などでワクチン接種が進んで、かなりカッコつきながら「正常化」しているように私は感じています。米国のワクチン普及と大型の財政支出を見るにつけ、我が国の政策の不毛を感じます。政府はやるべきことをやってほしいと思います。

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2021年4月 7日 (水)

緊急事態宣言の影響で悪化した2月の景気動向指数をどう見るか?

本日、内閣府から2月の景気動向指数公表されています。CI先行指数が前月から+1.2ポイント上昇して99.7を示した一方で、CI一致指数は前月から▲1.3ポイント上昇して89.0を記録しています。統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

2月の景気一致指数、1.3ポイント低下
内閣府が7日発表した2月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.3ポイント低下の89.0となった。数カ月後の景気を示す先行指数は1.2ポイント上昇の99.7だった。
内閣府は、一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「上方への局面変化」で据え置いた。
CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気変動の大きさやテンポを示す。

短いながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。意図的に短めの記事を選びはしたものの、統計を3種類並べると長くなるのは仕方ありません。次に、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しているんですが、直近の2020年5月を景気の谷として暫定的にこのブログのローカルルールで勝手に同定しています。

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まず、CI先行指数については、消費者態度指数と日経商品指数(42種総合)が大きなプラス寄与を示しています。消費者態度指数は明らかにマインド指標ですし、日経商品指数もそういえなくもありません。ということで、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のワクチン普及への期待もあって、先行きはかなり見通しが明るくなった気がします。本日公表の日銀「生活意識に関するアンケート調査」(第85回)でも同様のマインドがうかがわれ、足元の改善はそれほどでもないんですが、1年後の先行きはレベルとしてはまだマイナスというものの、かなり改善が進むというマインドが示されています。他方で、CI一致指数のマイナス寄与は、耐久消費財出荷指数、輸出数量指数、生産指数(鉱工業)、鉱工業用生産財出荷指数などで大きくなっています。2月時点での足元は、緊急事態宣言が首都圏で解除されていなかったこともあって、家計も企業も経済活動はまだ回復が進んでいませんでした。しかし、基調判断の基準となる7か月後方移動平均や3か月後方移動平均はまだ余裕でプラスなので、引用した記事にもある通り、「上方への局面変化」の判断は維持されています。

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2021年4月 6日 (火)

国際通貨基金(IMF)「世界経済見通し」見通し編を読む!!!

この週末に予定されている春の世銀・IMF総会に向けて「世界経済見通し」見通し編 World Economic Outlook が公表されています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。ヘッドラインとなる世界の経済成長見通しは今年2021年+6.0%、来年2022年+4.4%と見込まれています。今年2021年1月時点での見通しから、2021年は+0.5%ポイント、2022年も+0.2%ポイント、それぞれ上方改定されています。まず、成長率の総括見通しのテーブルをIMFのサイトから引用すると以下の通りです。ただ、これではあまりに愛想がないので、下の画像をクリックすると、リポート pp.8-9 Table 1.1. Overview of the World Economic Outlook Projections だけを抜き出したpdfファイルが別タブで開きます。

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昨日のうちに分析編を概観しておきましたので、本編たる見通し編についても簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、大学教員として気にかかる教育面での新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響ですが、上のグラフはリポートから p.5 Figure 1.9. Global Education Losses Due to the COVID-19 Pandemic を引用しています。昨年2020年における平均的な教育の損失日数をプロットしてあります。軽く想像される結果ですが、先進国では教育損失はそれほど大きくありませんが、低所得国ほど損失が大きくなっています。この教育の損失は世界的な国間レベルでの格差拡大のひとつの要因と考えるべきです。

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次に、上のグラフはリポートから p.7 Figure 1.13. Effect of Lockdowns on Activity: Beginning versus End, 2020 を引用しています。2020年4月までの第1波の感染拡大と10~12月の第3波の感染拡大におけるロックダウン強度を横軸の stringency index で計測し、縦軸は composite PMI なんですが、大雑把に経済活動のレベルと考えていいでしょう。2020年年初の状況を示す赤いドットにおいては、我が日本はロックダウンの強度はそれほどでもなかったのですが、10~12月期はかなり平均的なロックダウン強度と経済活動の落ち込みを記録しているように見えます。

いずれにせよ、IMFのリポートをザッと読んだ限りでは、経済回復のカギはワクチン接種にあります。ですから、政治的な利権が絡んだGoToキャンペーンに執心するより、ワクチンをしかるべく確保し効率的に接種するような手立てが、実は、経済回復にはもっとも重要な政策手段なのだろうと私は考えています。その点で、日本政府は絶望的に遅れているとしか思えません。

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2021年4月 5日 (月)

国際通貨基金(IMF)「世界経済見通し」分析編を読む!!!

春の世銀・IMF総会に向けて「世界経済見通し」分析編 Analytical Chapters of the World Economic Outlook が公表されています。今回の「世界経済見通し」分析編は豪華3本立て、以下の通りです。

Ch 2
After-Effects of the COVID-19 Pandemic: Prospects for Medium-Term Economic Damage
Ch 3
Recessions and Recoveries in Labor Markets: Patterns, Policies, and Responses to the COVID-19 Shock
Ch 4
Shifting Gears: Monetary Policy Spillovers During the Recovery from COVID-19

各チャプターからグラフを引用して簡単に取り上げておきたいと思います。もちろん、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の経済的な影響が中心になります。なお、明日は第1章の見通し編が公表される予定です。

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まず、第2章はタイトル通り、中期的な新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の経済的影響を分析しています。上のグラフはリポート p.54 Figure 2.12. Medium-Term Output Losses を引用しています。中期とはどれくらいかというと five-year horizon としています。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のGDP損失は先進国よりも新興国・途上国で大きいと見込まれています。どうして先進国でダメージが小さいかというと、政策支援とワクチンの効果、their larger policy support and anticipated faster access to vaccines and therapies と分析しています。ただ、前回のリーマン証券破綻後の世界金融危機よりも今回のCOVID-19の方が経済損失が小さい理由は特に触れられていません。私はCOVID-19の経済的ダメージは短期的には金融危機よりも大きかったと考えているのですが、逆に、中期的に小さい理由は不良債権の発生が少ないからだろうと想像しています。我が国が1990年代初頭のバブル崩壊後に長い経済停滞に陥ったのは、もちろん、日銀の不適切な金融政策対応もありますが、膨大な不良債権が積み上がったことも大きな要因と考えています。その意味で、リーマン証券破綻後の世界金融危機は世界レベルで不良債権が発生しましたが、今回のCOVID-19ショックではそれほどの不良債権の発生を見ていないのは明らかです。

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次に、第3章ではCOVID-19の経済的影響のうち労働市場に関する不平等が拡大する方向のインパクトを分析しています。上のグラフはリポート p.64 Figure 3.1. Labor Market Conditions in Advanced Economies を引用しています。実は、この次の Figure 3.2. は新興国・途上国における同じ趣旨のグラフであったりします。大きくは違いませんし、日本は先進国でしょうからコチラのグラフを引用しておきます。ということで、左側のパネルは縦に見て失業率の変化、右側は労働参加率の変化、ということになります。年齢的にはいわゆる壮年よりも若年層が不利な結果を受け、性別には男性、熟練度では低熟練労働者に対して、それぞれ大きなマイナスのショックが及んでいます。年齢階級は24/25歳でカットしていて、熟練度は大卒かそれ未満かで区別しています。ちょっと意外なのは、女性よりも男性の方のショックが大きい点です。ただ、失業率と労働参加率で計測していますので、労働市場から退出した女性がそのまま就労意欲を低下させて非労働力人口化した可能性が十分あると私は考えています。

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最後に、第4章ではCOVID-19の経済的ダメージからの回復局面において、ワクチン接種と大規模な財政政策で米国が先行しているわけですが、その米国経済の回復がもたらす金利上昇が新興国や途上国経済に決していい影響を及ぼすものではない、と分析しています。すなわち、2013年のテイパー・タントラムの再来、a repeat of the "taper-tantrum" episode of 2013 を思い起こさせるとしています。特に、途上国ではワクチンへのアクセスに遅れが生じており、加えて、財政支援の余地が限定されているため、途上国では先進国の景気回復に比べて時間がかかる見込みであるからです。上のグラフはリポート p.90 Figure 4.12. Effects of Positive News about US Economic Activity を引用しています。米国マクロ経済の代表的な指標である雇用統計のうちの非農業部門雇用者数の2標準偏差のサプライズに対する反応を中心値と90%信頼区間で表示しています。米国雇用統計の positive news に対して、途上国では金利が上昇し景気回復にマイナスの影響を及ぼしかなねい結果が示されています。

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