2019年7月17日 (水)

日銀の考える「賃金上昇が抑制されるメカニズム」やいかに?

先週7月12日金曜日に日銀ワーキングペーパー「賃金上昇が抑制されるメカニズム」が、日銀調査統計局の職員と東大社研の玄田教授との共著で明らかにされています。もちろん、pdfでもアップされており、ダウンロードができます。玄田教授は、先年、『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』という本を編集しており、私もこのブログの2017年5月20日付けの読書感想文で取り上げています。ということで、本論文を私が読んだ範囲でのエッセンスについて簡単に取り上げると以下の通りとなります。

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まず、第1に、本論文では、非正規雇用の労働市場がルイス転換点を迎えると、それ以前に比べて賃金はより急速に上昇する、と基本的な考えを明らかにしています。それが上のグラフで、ワーキングペーパーの p.4 (図表2) から引用しています。ルイス転換点に達すると労働供給曲線の傾きがスティープになります。ただ、上のグラフの右上がりの太線の労働供給曲線が賃金に対して弾力的であれば、すなわち、少しの賃金上昇で労働供給が大きく増加するのであれば、均衡賃金の増加は小幅にとどまり、2000年代には非正規雇用の労働供給の主要な担い手であった女性や高齢者は、まさに、この通りに労働供給の賃金弾力性が高かった、と指摘しています。
第2に、企業マインドや企業行動のひとつのパターンとして、賃金の上方硬直性を指摘する見方も紹介されています。すなわち、賃金はもともとケインズの指摘を待つまでもなく下方硬直性があるわけですが、この下方硬直性に起因して、将来の賃金引き下げを回避するために現時点では賃上げしない、という企業マインドや企業行動が観察されると指摘します。

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第3に、ルイス転換点にホントに近づいているのか、という疑問に答えるため、留保賃金の動向からの分析があります。それが上のグラフで、ワーキングペーパーの p.10 (図表4) から引用しています。私はこの点がもっとも大きな疑問となっており、実は、ルイス転換点はまだそれほど近づいていないのではないか、別の表現をすれば、賃金上昇がみられない現状は完全雇用ではない、と考えなくもないんですが、この疑問にかなり正面から回答しようと試みています。その結果、男性と55歳以上高齢者は留保賃金が高くてまだルイス転換点には近づいておらず、潜在的な労働供給拡大の余地が残されている一方で、女性は留保賃金が低くてルイス転換点が近づいており、女性の労働供給をさらに増加させるためには大幅な時給上昇は不可欠、と結論しています。追加的に、労働力調査のフローデータの分析から、労働力人口ストックの拡大は女性と55歳以上高齢者が労働市場から退出あるいは引退しないことにより押し上げられていると指摘しています。

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第4に、ある意味で日本的な賃金支払い方法として賞与の分析がなされています。それが上のグラフで、ワーキングペーパーの p.28 (図表20) から引用しています。見れば理解できる通り、特別給与=賞与は好景気-賃金上昇局面と不況期-賃金抑制局面で非対称性があり、企業の売上高利益率の1%の下落は今期のボーナスに対して4~5%程度の変化をもたらす一方で、利益率1%の上昇はボーナスを1~2%程度しか押し上げておらず、ボーナスには賃金上昇を抑制する方向での非対称性が存在する、と結論しています。ただ、惜しむらくは、この非対称性の原因は追求されていません。加えて、ボーナスと雇用流動性や転職との関係も分析されており、特別給与は人材流出対策として中高年よりも流動性が高い若年に手厚く配分されてきており、この点も賃金上昇を抑制する要因のひとつとなっていると指摘しています。
最後に、必ずしも賃金上昇に完結するトピックではなく、賃金上昇から物価上昇につながるルートについても分析が行われており、賃金と生産性と単位労働コストの関係については、特に、製造業、建設業、飲食・宿泊業等で賃金上昇を生産性の向上が相殺し、単位労働コストの上昇を抑制して、さらに、物価上昇に波及しないようなメカニズムができている、と指摘しています。ただし、運輸・郵便業では生産性向上は見られるものの、人手不足による賃金上昇の方が大きく、単位労働コストは結果として上昇しており、また、医療福祉業では賃金上昇とともに生産性も低下しており、単位労働コストが上昇している、と結論しています。
最後の最後に、今後の課題として上げられているうちで私の目を引いたのが、外国人労働者の就業は人工知能(AI)による技術革新とともに、労働需要の増大を緩和し賃金上昇を抑制する可能性です。その通りだと思います。

途中でも書いたように、私は、ホントに労働市場がルイス転換点に近づいているのか、別の表現をすれば、フィリップス曲線の傾きがスティープになる局面に入っているのか、その意味で、ホントに人手不足なのか、という疑問がありました。本論文による留保賃金の分析から、その点はかなりクリアになった気がします。ただ、1点だけマクロ経済の観点から労働分配率の低下が見逃されている気がします。すなわち、昨年2018年8月23日のこのブログで取り上げたように、IMF Working Paper WP/18/186 では、「先進国において雇用保護規制の緩和は15パーセントに相当する平均的な労働分配率の低下に寄与した可能性がある」("job protection deregulation may have contributed about 15 percent to the average labor share decline in advanced economies") と指摘しており、この労働分配率の低下が賃金上昇の抑制にどのような影響を及ぼしたのか、あるいは、逆なのか、すなわち、賃金上昇の抑制が労働分配率の低下につながったのか、が残されたマクロ経済学的な論点のひとつだという気がします。

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2019年7月16日 (火)

消費税率引き上げに関する企業の見方やいかに?

先週相次いで、7月9日に東京商工リサーチから、さらに、7月11日に帝国データバンクから、消費税率の引き上げに関する企業の意識を問うアンケート調査の結果が明らかにされています。私の見るところ、ビミョーに結果が異なっています。

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まず、上のグラフは東京商工リサーチから引用しています。見れば判る通り、予定通りの実施が51.4%の過半を制しています。また、昨年2018年9月時点の調査から、+4.4%ポイントの上昇となっています。ただし、消費税率引き上げの帰結として、景気がよくなるはわずかに0.7%であったのに対して、悪くなるは65.0%に上っています。

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他方、上のグラフは帝国データバンクから引用しています。こちらは、予定通りの実施は44.1%を占めるに過ぎず、延期や実施しないなどの否定的見方が44.3%とほぼ拮抗する水神に達しています。しかも、昨年2018年10月の調査から+0.8%ポイントしか上昇していません。ですから、東京商工リサーチの調査結果に比較して、帝国データバンクの方は消費税率引き上げにやや否定的な見方を示している、というふうに私は受け止めています。

まあ、大雑把に、企業規模が小さくなるほど消費税率引き上げには否定的ですから、帝国データバンクに比較して東京商工リサーチの調査対象がやや大企業に偏っているんだろうと私は想像しています。あるいは、業種別に見ると、おそらく、小売業が飛び抜けて否定的な見方を示すでしょうから、そのあたりのサンプルのバイアスがあるんだろうと思います。当然ながら母集団は同じと考えるべきですから、このやや似通った両社の調査結果を見る時のサンプルの偏りを垣間見たような気がします。

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2019年7月12日 (金)

マクロミル・ホノテ「2019年会社員の夏休み」の調査結果やいかに?

旧聞に属する話題ながら、先週木曜日の7月4日付けで、マクロミル・ホノテから「2019年会社員の夏休み」調査の結果が明らかにされています。私の勤務するオフィスでも、今週あたりから夏休みの休暇予定の取りまとめが始まり、梅雨も明けないうちから雰囲気が盛り上がっているのかもしれません。まず、マクロミル・ホノテのサイトから調査結果のTOPICSを6点引用すると以下の通りです。

TOPICS
  • 会社員の夏休み、タイミングは"お盆"がダントツ。一方で、会社員の5人に1人が"夏休みなし"
  • 連休日数は平均「6.5連休」。最多は「9連休」で22%
  • 連休日数の"理想と現実"の間には1.2日の差。昨年よりも差が縮まる
  • 4月からスタートした有給休暇の取得義務化。
    "夏休みにつなげて有休取得"が「推奨されている」26%、「義務付けられている」5%
  • 休みの予算は、平均48,977円。昨年よりも大きく減少
  • 夏休みの過ごし方、1位は「家でゆっくり」49%。その2人に1人が「たっぷりと睡眠をとる」

元官庁エコノミストとして気になっているのは、5点めの夏休み予算の激減なんですが、それも含めて、いくつか図表を引用しつつ、週末前のお気楽なテーマとして、簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上はマクロミル・ホノテのサイトから会社員の夏休みの有無と時期のグラフを引用しています。「夏休みの有無」というのが、会社員ではなく公務員だった私には判りにくいんですが、製造ラインを止めるとかで特定の日付を休みにする制度がある、という意味なんでしょうか。私が定年退職まで勤務していた役所には、連続であれば有給休暇にプラスして3日の休みが追加で取れる、という制度はありました。これも夏休みなんでしょうか。よく判らないながら、8割の会社員は夏休みがあり、その夏休みの時期は8月のお盆周辺が過半を占めています。これは判りやすい結果となっています。

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次に、上はマクロミル・ホノテのサイトから夏休みと有給休暇をつなげることが推奨または義務付けられているかのグラフを引用しています。見て判る通り、推奨が26%、義務が5%となっています。その昔から、日本人は働き過ぎで労働時間が長い、とされていますので、夏休みがあるケースでは有給休暇とすなげて、より長い休暇を取るように推奨したり、あるいは、義務付けたりするのもアファーマティブ・アクションとしてよさそうな気もします。ただ、パーソナルな予定とミートしない夏休みの設定の場合、義務とされてしまうとかえって苦しくなる可能性もあるんではないかという気がします。

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最後に、上はマクロミル・ホノテのサイトから最大連休日数の理想と現実、また、予算の平均を示す画像を引用しています。連休日数の理想と現実については、昨年2018年のその差2日余りから、今年2019年は1日余りに激減しました。ついでに、平均予算も1万円近く激減しています。マクロミル・ホノテのサイトでも考慮しているように、今年はゴールデンウィークが10連休と超大型でしたので、お休みもお休みで使う予算もゴールデンウィークと夏季で分散したのだろうと私は受け止めています。

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2019年7月10日 (水)

とうとう下落に転じた6月の企業物価(PPI)をどう見るか?

本日、日銀から6月の企業物価 (PPI) が公表されています。ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は▲0.1%の下落と、とうとうマイナスになってしまいました。前年比マイナスは2016年12月の▲1.2%以来、1年半ぶりです。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
6月の企業物価、前年比で下落に転じる 2年半ぶり 米中摩擦響く
日銀が10日発表した6月の国内企業物価指数(速報値、2015年平均=100)は101.2と、前年同月に比べて0.1%下落した。前年比で下落に転じるのは2016年12月以来2年半ぶり。前月比でも0.5%下落した。米中間の貿易摩擦懸念の高まりを背景に国際商品市況の悪化が国内企業物価を押し下げた。
米中の追加関税引き上げ措置などを受けて米中貿易摩擦への懸念が再燃した。商品市況の悪化を背景に、銅など非鉄金属が前年比9.3%下落と前月から下落幅を拡大したほか、スクラップ類も同15.4%下落した。
日銀調査統計局は「米中摩擦に対する市場の見方が商品市況にどう影響するかに大きく左右される展開が続くとみられる」という。
公表している744品目のうち、前年比で上昇したのは378品目、下落したのは275品目だった。上昇から下落を引いた品目がプラスとなるのは27カ月連続だった。
いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、企業物価(PPI)上昇率のグラフは下の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。
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日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは、ヘッドラインの国内物価の前年同月比上昇率で見て+0.3%と、大きくプラス幅が縮小するものの、まだプラス圏内ということだったんですが、実績ではマイナスの結果となりました。予測のレンジでも、下限がゼロでしたので、その下限を突き抜けたマイナスですので、ややびっくりです。米中貿易摩擦に起因する国際商品市況の下落が大きな要因と考えられ、例えば、すべて前年同月比で見て、国内物価では非鉄金属が▲9.3%、石油・石炭製品が▲5.5%、化学製品が▲2.4%などが大きなマイナスをつけています。ただ、電力・都市ガス・水道についてはタイムラグがあって+5.4%の上昇を記録しています。また、同じように、輸出物価でも化学製品▲12.2%、金属・同製品▲5.8%が大きなマイナスで、輸入物価でも金属・同製品▲8.4%、石油・石炭・天然ガスが▲7.0%、化学製品が▲6.8%などとなっています。国際商品市況における動きの激しい品目や中国の需要に大きく左右される品目の下落が大きい印象です。そして、これらの国際商品市況の動向については、実需もさることながら、米中間の貿易摩擦やそれに基づく世界経済の先行きなどに関する期待の影響が大きく、ひょっとしたら、企業物価については日本国内の金融政策よりも国際経済動向の方にウェイトがあるのかもしれません。日銀の物価目標はあくまで消費者物価(CPI)、それも生鮮食品を除くベースのコアCPIですが、当然ながら、その川上に当たる企業物価(PPI)の影響も強く受けます。合わせて、為替動向も見極めて、米国連邦準備制度理事会(FED)の金融政策動向も考慮に入れつつ、日銀による金融政策の舵取りが難しくなってきたように感じています。

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2019年7月 9日 (火)

JTBによる2019年夏休みの旅行動向やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、7月4日にJTBから2019年夏休みの旅行動向が明らかにされています。ここでの夏休みとは、7月15日の海の日から8月31日いっぱいまでです。もちろん、詳細なpdfの全文リポートもアップされています。まず、JTBのサイトから調査結果のヘッドラインを4点引用すると以下の通りです。

2019年夏休みの旅行動向
  • 海外旅行人数は過去最高
  • 総旅行人数は7,734万人(▲0.1%)と微減
  • 国内旅行人数 7,435万人 (▲0.2%)
  • 海外旅行人数 299万人 (+3.5%)

ということで、今年は7月も8月もそれぞれ海の日と山の日の3連休がありい、カレンダーの日並びはいい一方で、夏季ボーナスが昨年より減少したり、米中貿易摩擦に起因してビジネス環境の不透明感が広がったりと、様々な条件を考慮して策定されているようです。加えて、この夏から秋にかけてのイベントとしては、香川県と岡山県の12の島と港で開催される現代美術の国際芸術祭「瀬戸内国際芸術祭2019」(7月19日~8月25日)や、来年2020年を前に開催されるスポーツイベントなどがあるそうです。海外旅行に関しても、為替がやや円高に振れていることや、座席供給数の増加などから、特に、若い世代の海外旅行意欲が高い、と結論しています。2000年以降の総消費額と旅行者数の推移をプロットしたグラフは下の通りです。

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我が家は、私がもう定年退職して、老夫婦で旅行するというよりも、子供達が夏休みに帰省で我が家に帰って来るのを待つ姿勢に変化してしまいました。近場に繰り出すことはあっても、たぶん、旅行らしい旅行はしないような気がします。

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2019年7月 8日 (月)

前月から減少した機械受注と弱さが続く景気ウォッチャーと貿易収支が大きなマイナスとなった経常収支!

本日、内閣府から5月の機械受注と6月の景気ウォッチャーが、また、財務省から5月の経常収支が、それぞれ公表されています。機械受注のうち変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て前月比▲7.8%減の8429億円を示しており、景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から▲0.1ポイント低下の44.0を記録した一方で、先行き判断DIは+0.2ポイント上昇の45.8となり、また、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+1兆5948億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

5月の機械受注、7.8%減 基調判断は据え置き
内閣府が8日発表した5月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比7.8%減の8429億円だった。4カ月ぶりの減少で、QUICKがまとめた民間予測の中央値(4.0%減)を下回った。2018年9月以来8カ月ぶりの下げ幅となったものの、直近3カ月でみると堅調さを維持しているとして内閣府は基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
製造業の受注額は前月比7.4%減の3706億円だった。2カ月ぶりの減少で、17業種のうち7業種で減少した。4月に大型案件があった「造船業」や、好調だった「はん用・生産用機械」での反動減が目立った。
非製造業も同9.0%減の4710億円。前月比で3カ月ぶりの減少となった。「運輸業・郵便業」でのパソコンなどの受注減が響いた。
前年同月比での「船舶・電力を除く民需」の受注額(原数値)は3.7%減だった。前月比でみた受注総額は6.0%減、官公需の受注は19.5%増、外需の受注額は0.8%減だった。
機械受注は機械メーカー280社が受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。受注した機械は6カ月ほど後に納入され、設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。
6月の街角景気、現状判断指数は3年ぶり低水準 旅行など反動減で
内閣府が8日発表した6月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)は44.0と前の月から0.1ポイント低下(悪化)し、2016年6月以来3年ぶりの低水準となった。悪化は2カ月連続。旅行などのサービス分野で、好調だった5月の10連休の反動が出た。内閣府はウオッチャーの見方を「回復に弱さが見られる」で据え置いた。
家計動向、企業動向、雇用動向の中で家計動向が低下した。サービス関連が3.5ポイント低下したことが響いた。「大型連休の反動もあり、個人の客足が非常に鈍い。企業も団体旅行など足踏み状態であり、様子見」(甲信越の旅行会社)といった声があった。
企業動向関連では非製造業が1.7ポイント低下した。「日中間の輸出入の件数が10%ほど落ち込んでいる」(東海の輸送業)などと、米中貿易摩擦の影響を指摘する声が聞かれた。
2~3カ月後を占う先行き判断指数は45.8と、前の月から0.2ポイント上昇した。上昇は5カ月ぶり。家計動向、雇用関連が上昇した。「百貨店や家電量販店などで10月に控えた消費増税前の駆け込み期待が見られる」(内閣府)という。
内閣府はウオッチャーの先行きの見方について「海外情勢等に対する懸念がみられる」とまとめた。
調査期間は毎月25日から月末で、29日実施の米中首脳会談の調査結果への反映はまちまちだという。
5月の経常黒字額は15.8%減 中韓向け輸出減で貿易収支の赤字拡大
財務省が8日発表した5月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆5948億円の黒字だった。黒字は59カ月連続となったものの、黒字幅は前年同月比で15.8%縮小した。中国や韓国向けの輸出が振るわず、貿易収支の赤字幅が拡大したことが影響した。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6509億円の赤字(前年同月は3158億円の赤字)だった。中国や韓国向けに半導体等製造装置の輸出が減少したほか、中国向けに自動車部品の輸出も減少した。輸出額は前年同月比6.3%減の5兆9180億円だった。輸入額は同0.9%減の6兆5690億円だった。液化天然ガスや有機化合物の輸入が減った。
海外企業から受け取る配当金や投資収益を示す第1次所得収支は2兆2574億円の黒字だった。一部の特殊要因により海外子会社からの配当金が減少し、前年同月の2兆3994億円の黒字から黒字幅は縮小した。
第2次所得収支は1488億円の赤字(前年同月は1989億円の赤字)だった。輸送や旅行といった取引の収支を示すサービス収支は1372億円の黒字(前年同月は103億円の黒字)と、黒字幅が拡大した。

とてつもなく長くなりました。この記事さえしっかり読めばそれでOKそうに思えます。いずれにせよ、いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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ということで、5月の機械受注は日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは、船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済み系列の前月比で▲4.5%減、レンジの下限でも#x25B2;7.4%減でしたので、やや大きな減少と私は考えたんですが、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「持ち直しの動き」で据え置いています。というのは、5月の10連休が何らかの影響を及ぼしている可能性がエコノミストの間で取り沙汰されており、その根拠は、今年2019年に入ってから伸びを続けてきた運輸業・郵便業が大きく伸びを鈍化させているからです。いずれにせよ、季節調整済みの系列の前月比で見て、製造業が▲7.4%減、電力と船舶を除く非製造業が▲9.0%減ですから、かなり多くの業種で減少していることが理解できます。コア機械受注は今年2019年に入ってから、1月こそ▲5.4%減を記録したものの、2月は+1.8%増、3月+3.8%増、4月も+5.2%増と3か月連続の前月比プラスとなっていたわけで、4~5月をならしてみればほぼ横ばいですから、大きく減少に転じたとの印象は私にはありません。

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続いて、景気ウォッチャーのグラフは上の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期です。景気ウォッチャーを構成する3つのコンポーネントを現状判断DIについて詳しく見ると、家計動向関連が前月から#x25B2;0.5ポイント低下した一方で、企業動向関連は前月から横ばい、雇用関連が+3.2ポイントの上昇となっています。ただ、雇用関連は5月の大型連休が何か影響しているようで、6月統計で大きく上昇したというよりは、5月統計が大きく下がっていた、というのが正しい見方のような気がします。いずれにせよ、上のグラフを見れば明らかで、消費者マインドはかなり長期にわたって低下を続けています。先週7月1日に公表された消費者態度指数は、大雑把に、2017年11月の44.6をピークに1年半余りに渡って下がり続けていますし、景気ウォッチャーも現状判断DI、先行き判断DIともに、細かい動きを別にすれば、2017年10~12月期をピークにトレンドとして低下を続けているように見えます。先週公表された日銀短観を見る限り、企業マインドはまずまず底堅く堅調な印象だった一方で、消費者マインドはまだ低下を継続中のようです。さすがに、景気ウォッチャーを見る限り、ゴールデンウィークの反動減が色濃く出ただけで、そろそろ下げ止まりから反転するんではないか、という期待があるものの、マインド指標は明らかに実体経済の先行指標ですので、10月に消費税率の引き上げを控えて、とても気にかかる指標のひとつです。

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続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。いずれにせよ、仕上がりの経常収支の+1兆円超の黒字はトレンドとして大きな変更はなく、海外からの第1次所得収支の黒字が大きな部分を占めているんですが、5月の経常収支については貿易収支が季節調整済みの系列で▲5000億円近い大きな赤字を計上しています。上のグラフで最新の利用可能な5月統計で、積み上げ棒グラフのうちで黒の貿易収支が大きな赤字となっているのが見て取れると思います。引用した記事にもある通り、中国と韓国向けの輸出が減少したことが大きな要因であり、中国と韓国向けに半導体等製造装置の輸出が減少したほか、中国向けの自動車部品の輸出も減少しています。中国については米中貿易摩擦による経済の減速が要因となっていると私は考えています。韓国についても、我が国からの輸出規制はまだ5月統計には現れていませんが、これから、何らかの影響をもたらすことはいうまでもありません。

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2019年7月 6日 (土)

雇用増が回復した6月の米国雇用統計から米国金融政策はどう動くのか?

日本時間の昨日、米国労働省から6月の米国雇用統計が公表されています。非農業雇用者数は前月統計から+224千人増と雇用の増加が回復した一方で、失業率は先月から0.1%ポイント上昇したものの3.7%と歴史的に見ても低い水準を記録しています。いずれも季節調整済みの系列です。まず、USA Today のサイトから、長くなりますが、記事を10パラ引用すると以下の通りです。

June jobs report: Economy adds 224,000 jobs, easing recession fears
Hiring rebounded strongly in June as employers added 224,000 jobs, easing recession fears and posing a dilemma for a Federal Reserve that's expected to cut interest rates later this month.
The unemployment rate ticked up from its 50-year low of 3.6% to 3.7%, the Labor Department said Friday. Payroll gains for May were revised down to 72,000 from 75,000.
Economists surveyed by Bloomberg expected 160,000 job gains.
"Today's jobs report shows the U.S. economy continues to create jobs at a strong pace even as we enter the longest period of economic expansion on record," said Tony Bedikian, managing director and head of global markets at Citizens Bank in an email.
"The bounce back in the June jobs number may splash cold water on the notion of an imminent Fed rate cut," he added. "We will have to see whether the equity markets can shrug that off when balanced against other macroeconomic factors, such as the hope of a China trade truce."
White House press secretary Stephanie Grisham celebrated the report in a tweet, saying "Thanks to President Trump, America's economy is stronger than ever!"
Economists eagerly awaited the June jobs report after the weak May total stirred recession concerns. Another anemic showing would have amplified those worries but this robust performance underscores that the May number overstated an anticipated cooling in hiring.
Payroll gains are expected to moderate from a monthly average of 223,000 in 2018 to about 160,000 this year as the effects of federal tax cuts and spending increases fade and the low unemployment rate makes it harder to find qualified workers. But a more dramatic slowdown could fuel fears that the trade conflict is having an even bigger impact on hiring or that an economic downturn may be on the horizon.
The Fed, meanwhile, has signaled that it could lower its key short-term interest rate as soon as this month to head off a possible recession amid the Trump administration's trade war with China and a slowing global economy. Markets have priced in a 100% chance of at least a quarter-point rate cut at the Fed's July 30-31 meeting.
This healthy jobs report, however, could give the Fed pause.

やや長く引用してしまいましたが、いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは上の通りです。上のパネルから順に、非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門と失業率をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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ということで、引用した記事の3パラめにあるように、ブルームバーグの集計による市場の事前コンセンサスでは+160千人増とのことでしたので、これを大きく上回りました。先月5月の雇用増が+72千人でしたから、6月の+224千人増は雇用増が回復し、米国労働市場がかなり完全雇用に近い状態にあることを裏付けていると考えるべきです。ただし、というか、何というか、ADP統計では先月5月の+41千人増に対して、6月も+102千人増にとどまっており、米国労働省の雇用増ほどは増加幅が大きくありません。これも、先月の統計公表時にこのブログで頭の体操をしたように、完全雇用に近ければ労働スラックも尽きかけており、雇用増すら小幅にとどまり、賃金が大きく上昇する、という局面に入ってもおかしくないのかもしれません。下のグラフに見られる通り、もちろん、現実には、そこまで賃金が上昇しているわけではありませんから、労働スラックが尽きているわけではありません。というように、かなりビミョーな局面で、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FED)が金融政策運営で、どのような判断を下すのかに注目が集まっています。

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ということで、上のグラフは時間あたり賃金上昇率の推移を前年同月比で見ています。昨年2018年8月に賃金上昇率が+3%に達してから、ほぼほぼ1年の11か月連続で賃金上昇率が3%か3%超を記録しています。先月6月18~19日の米国連邦公開市場委員会(FOMC)では、雇用などの米国の国内情勢というよりは、中国との貿易摩擦や世界経済の減速などを背景に、利上げをストップし、金融緩和に転じる動きを見せましたが、次回今月7月30~31日のFOMCでは利下げに転じると見られており、特に、金融先物市場ではほぼ100%利下げが織り込まれています。ただ、FOMCメンバーは必ずしも次回FOMCでの利下げで一枚岩かというとそんなことはなく、6月のFOMCでメンバー17人が示した2019年中の年内の利下げを主張した8人に対して、同じく8人は現状維持を予測し、利上げを予想するメンバーすら1人いました。公表されたばかりの6月の米国雇用統計の底堅さは、金融緩和に慎重な「タカ派」の方向に傾く可能性をもたらしそうで、もしもFOMCメンバー間の意見集約が遅れれば、7月FOMCでの利下げが見送られる可能性もゼロではありません。

来週7月10日には、FEDパウエル議長が米国議会下院で議会証言に臨む予定となっていて、それはそれで注目です。このブログで従来から私が指摘しているように、現状の我が国経済の最大の下振れリスクは為替です。米国が利下げに転じれば、円高を防止するために日銀はさらなる金融緩和を模索することになるかもしれません。

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2019年7月 5日 (金)

「悪化」から「下げ止まり」に基調判断が上方修正された景気動向指数!

本日、内閣府から5月の景気動向指数が公表されています。CI先行指数は前月差▲0.7ポイント下降して95.2を、CI一致指数は+1.1ポイント上昇して103.2を、それぞれ記録し、基調判断は「悪化」から「下げ止まり」に上方修正されています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

5月の景気一致指数、1.1ポイント上昇 基調判断「下げ止まり」に上方修正
内閣府が5日発表した5月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.1ポイント上昇の103.2と2カ月連続で上昇した。内閣府は一致指数の動きを機械的に求める景気の基調判断を「悪化を示している」から「下げ止まりを示している」に上方修正した。
基調判断を上方修正するのは2016年10月以来、2年7カ月ぶり。「下げ止まり」の表現を使うのは2013年4月以来、6年1カ月ぶりとなる。
一致指数を構成する9系列中、速報段階で算出対象となる7系列のうち5系列が指数のプラスに寄与した。デスクトップ型パソコンを含む「生産指数(鉱工業)」、海外向けの液晶パネル製造装置を含む「投資財出荷指数(除輸送機械)」、鉄鋼・非鉄金属を含む「鉱工業生産財出荷指数」など生産関連指標が堅調だった。
数カ月後の景気を示す先行指数は前月比0.7ポイント下落の95.2で、2カ月ぶりに下落した。景気の現状に数カ月遅れて動く遅行指数は0.4ポイント上昇の105.0で、2カ月ぶりに上昇した。
CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気動向の大きさやテンポを表し、景気の現状を暫定的に示す。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。でも、景気局面がビミョーな時期に入りましたので、かなり熱心に取材したのかインタビュー結果も多く、通常の月に比べてとても長い記事になっています。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

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ということで、引用した記事にもある通り、基調判断は「悪化」から「下げ止まり」に上方修正されています。ここでおさらいですが、今年2019年に入ってからの景気動向指数の基調判断を振り返ると、1~2月は「下方への局面変化」、3~4月は「悪化」と着実に下方修正された後、5月には「下げ止まり」に上方修正されました。景気動向指数の基調判断の上方修正は2016年10月以来だそうで、2年7か月振りです。取りあえず、メディアなどで注目されていた景気後退懸念は大きく和らいだと私は受け止めています。すなわち、景気転換点ないし景気後退局面入りが同定されるためには、悪化の度合いのdepthとともに悪化局面のdurationが必要、として、最低でも6か月くらいというのがエコノミストの間での大雑把なコンセンサスですので、2か月の「悪化」で景気後退と同定するのはムリがあると考えるべきです。5月統計を少し詳しく見ると、これも引用した記事にある通り、生産指数(鉱工業)、投資財出荷指数(除輸送機械)、鉱工業生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数などのプラス寄与が大きかった一方で、有効求人倍率(除学卒)や商業販売額(卸売業)(前年同月比)がマイナス寄与を示しています。やっぱり、鉱工業生産指数(IIP)の影響が大きいと改めて実感させられました。

繰り返しになりますが、昨年暮れから今年2019年1~3月期に景気転換点があったんではないか、という議論は今回の景気動向指数で後景に退くことと思いますが、10月には消費税率の引き上げが控えていますし、世界経済の動向次第では今年度後半に1年遅れで、というか、何というか、景気後退に陥る可能性がまだ残されています。というか、少なくともゼロではありません。繰り返しになりますが、今年1~3月期にすでに景気後退に陥っていた、という可能性が大きく低下しただけですので念のため。

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2019年7月 4日 (木)

世界経済フォーラムが考える Top 10 Emerging Technologies 2019 やいかに?

一昨日の7月2日、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムから Top 10 Emerging Technologies 2019 と題するリポートが明らかにされています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。トップは話題の石油から作られるプラスチックからの脱却で注目されているバイオプラスチックです。トップ10は以下の通りです。

1
Bioplastics for a Circular Economy
Advanced solvents and enzymes are transforming woody wastes into better biodegradable plastics
2
Social Robots
Droid friends and assistants are penetrating deeper into our lives
3
Tiny Lenses for Miniature Devices
Thin, flat metalenses could replace bulky glass for manipulating light
4
Disordered Proteins as Drug Targets
New possibilities for treating cancer and other ills
5
Smarter Fertilizers Can Reduce Environmental Contamination
New formulations deliver nourishment on demand
6
Collaborative Telepresence
Soon participants in virtual gatherings will feel like they are physically together
7
Advanced Food Tracking and Packaging
A combination of two technologies could vastly improve food safety
8
Safer Nuclear Reactors
Resilient fuels and innovative reactors could enable a resurgence of nuclear power
9
DNA Data Storage
Life's information-storage system is being adapted to handle massive amounts of information
10
Utility-Scale Storage of Renewable Energy
A roadblock to sustainable energy solutions is coming unstuck

私はもともとがエコノミストでしたし、それも定年退職してしまい、エンジニアとかではなかったわけですから、新しい技術の中身についてはサッパリです。2番めの Social Robots くらいでしたら、まあ、判らなくもありませんし、7.番目の Advanced Food Tracking and Packaging や8番目の Safer Nuclear Reactors なども、「ウン、そうだね」と思うんですが、3番目の Tiny Lenses や4番目の Disordered Proteins となれば、それがそもそも何なのかすら理解できません。まあ、仕方ないのかもしれません。下の画像は、リポートの5ページ目をそのまま画像ファイルにしています。

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2019年7月 3日 (水)

リクルートライフスタイルによる「外食市場調査」(2019年5月度)の統計やいかに?

先週金曜日の6月28日に、リクルートライフスタイルから2019年5月度の「外食市場調査」の結果が明らかにされています。もちろん、pdfのリポートもアップされています。普段は取り上げない情報なんですが、何分、今年のゴールデンウィークは10連休と豪華で、昨日公表の6月調査の日銀短観などでも宿泊業や飲食業などが潤った印象がありますので、軽く見ておきたいと思います。
まず、この調査は、私の知る限り、2012年10月から月次で実施されており、外食実施率、外食頻度、外食単価、外食市場規模の4項目が明らかにされています。季節調整済みの系列は利用不可能で、当然に、毎年12月が実施率でも頻度でも単価でも、これらを総合した市場規模でも、ピョンとスパイクします。まあ、仕方ありません。明らかにされている4項目のうち、総合的な指標と考えられる外食市場規模とその前年同月差のグラフは以下の通りです。

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ということで、グラフから明らかなんですが、昨年2018年の4~5月に比べて今年2018年の4~5月が特に市場規模で拡大した、という結果にはなっていません。ただし、今年2019年1~3月期は軒並み前年比マイナスでしたので、それに比べれば前年比でプラスに転じて一息ついた、ということはいえるかもしれません。また、月単位でならした結果ですので、さすがに、ゴールデンウィーク10連休は大入りだった一方で、ゴールデンウィークに含まれない、という意味で、その他4月や5月はやや節約が志向された、というか、ゴールデンウィーク10連休のためにその他4月や5月は外食を控えてゴールデンウィーク10連休に備えた、という形が出たのかもしれません。あるいは、このリクルートライフスタイルの調査地域は首都圏・関西圏・東海圏の都市部に限定されますので、それ以外の飲食店での外食が多かったのかもしれません。いずれにせよ、リクルートライフスタイルの「外食市場調査」の結果だけからは、特に、ゴールデンウィーク10連休や「令和」への改元ないし新時代の祝賀ムードの盛り上がりによる外食の増加は限定的、ということになりそうです。もちろん、10連休や祝賀は外食でなく、家庭料理で豪華に、という選択肢もあったわけですが、それでは宿泊業や飲食業の売上への寄与は小さそうな気もします。よく判りません。

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