2023年1月25日 (水)

伸井太一・鎌田タベア『笑え! ドイツ民主共和国』(教育評論社)を生協の書店に注文する

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今日は雪が融けずにキャンパうには近づけなかったのですが、今週に入って、伸井太一・鎌田タベア『笑え! ドイツ民主共和国』(教育評論社)を生協の書店に注文しました。先週末の朝日新聞の書評欄で紹介されていました。出版社の宣伝文句によれば、ドイツ語原文があるので語学学習も出来る、という方はそれほど評価しなかったのですが、図版資料約200点の方は大いに気に入りました。研究費というわけにもいかないので、私費での購入です。
旧ソ連や東欧の共産主義諸国が雪崩を打って崩壊した1989年から1990年代前半といえば、我が国ではバブル経済が爛熟し、さらにバブルが崩壊し、その後の景気後退期で、私の勤務していた役所でも経済対策の策定などで大忙し、加えて、1993年の冷夏長雨でコメが不作になって輸入米をみんなで食べる、といった時期だったのを記憶している40~50歳以上の人も少なくないと思います。実は、同じころ、私は南米はチリの日本大使館で優雅な外交官生活を送っており、旧ソ連や東欧の共産主義体制に関するジョークはいくつか聞き及んでいます。例えば、チリのタクシーの多くは旧ソ連製のラダだったので、ラダに置き換えられていたのですが、もともとは、上の本書の表紙画像にある旧東ドイツ製の自動車であるトラバントに関するジョークで、以下のような趣旨の小ネタがありました。

ロバ:
こんにちは、自動車くん。
トラバント:
こんにちは、ロバくん。
ロバ:
おいおい、私は君のことを「自動車」って格上げして呼んでるんだよ。君も私のことを「ウマ」くらいにお世辞をいえないものかね?

まあ、旧ソ連製のラダにせよ、旧東ドイツ製のトラバントにせよ、ロバがウマでないのと同じように、自動車かどうか怪しい、というジョークです。このジョークが収録されているのかどうか、未読の段階ですので不明ですが、表紙画像にトラバントが入っていますので、少なくとも、トラバントに関するジョークは豊富に含まれていそうな気がします。

本書は、来週には入手できるのではないかと期待しています。そのうちに、読書感想文をポストしたいと思います。未読ですので「読書感想文のブログ」に分類するのは心苦しく、「海外生活の思い出のブログ」に分類しておきます。

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2022年6月28日 (火)

日本の道路はスピードが出せないのか?

久しぶりに、いくつか国際機関のサイトを見ていて、6月8日に公表されていた経済協力開発機構(OECD)の「経済見通し」OECD Economic Outlook をすっかり見逃していたことに気づきました。まあ、こんなこともあります。ということで、気を取り直して、国際通貨基金(IMF)のサイトで IMF Blog "Where Are the World's Fastest Roads?" と題する記事を見つけました。以下の Working Paper で開発した手法に基づく推計です。

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上の Maszoro and Soto (2022) で開発された手法に基づいて、この pp7-9 で Table 2. Mean Speed Scores by Country が推計されており、それに基づく世界地図となっています。それほど熱心にペーパーを読んだわけではありませんが、道路渋滞がひどいとスピードを出せずにスコアが悪くなることになっています。ちなみに、日本のスコアは81です。韓国の93や中国の90を下回り、トップの米国の107にはるかに及びません。私が海外生活を送って自動車の運転をした経験があるのは、チリ92とインドネシア55という、上の地図でもほぼほぼ両極端な2国なのですが、もう30年とか20年も前のことながら、実に、私の実感によく合致しています。当然ながら、チリではスイスイと渋滞なく運転できましたし、インドネシアのジャカルタでは、平日は勤務先の役所の運転手さんに送迎してもらっていたのですが、朝夕の通勤時は渋滞がひどかったです。でも、日曜日なんかに私が運転して家族で出かける際にはさすがにそれほどの渋滞ではありませんでした。
国内では私はもう何十年も自動車は持っておらず、自転車しか乗っていません。それも、夏休みや春休みの休暇期間中の大学への通勤を別にすれば、ほとんどが週末乗っているだけです。引越す前の東京都内では自動車の数が多かったのか、それほど道路にスピード感はなくて、ほぼほぼ路線バスに匹敵するくらいのスピードで自転車に乗っていた記憶があります。でも、東京から関西に引越した今となっては、私の自転車はスピードの点で路線バスにまったくかないません。琵琶湖周辺では道路が空いているのか、はたまた、私が年齢とともに運動能力を落としたのか、そのあたりは不明です。

国際機関であるIMFの情報を取り上げましたが、久しぶりに「海外生活の思い出の日記」に分類しておきます。

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2021年11月23日 (火)

チリ大統領選挙の決選投票の行方やいかに?

私は今を去ること30年ほど前の1990年代前半の3年間を大使館の経済アタッシェとしてチリの首都サンティアゴで過ごしたのですが、この日曜日の11月22日にチリ大統領選挙が実施されています。過半数を制する候補がいなかったので、左派連合の Sr. Gabriel Boric Font (政党は Convergencia Social 所属)と中道右派連合の Sr. José Antonio Kast (政党は Partido Republicano 所属)の間で、12月19日に実施される決選投票となるようです。

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ワクチン接種が進んでいて、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大はかなり下火のようですが、成長率はそこそこ高い一方で、南米特有のインフレ体質の経済もあって、国際商品市況における石油価格高騰の影響を受けて物価上昇率が高まっています。上のグラフは第一生命経済研のリポート「チリ大統領選、右派と左派の両名による決選投票へ」から引用しています。

もうあまりコンタクトはありませんが、3年余りを過ごして、いい思い出がいっぱいある国です。10年前の2010年にチリが経済開発協力機構(OECD)に加盟した際には、当時のアレジャーノ蔵相が会議に出席していたようですが、30年前に私がチリ大使館に勤務していたころは大蔵省の予算局長をしていました。私も何度かあった記憶があります。それだけに、決選投票が少し気にかかるところです。

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2020年11月 3日 (火)

Top 20 Country GDP (PPP) の変遷やいかに?

WawamuStats が YouTube にポストしている World GDP (PPP) by Country の動画です。このグループは、細菌では新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関連する動画が多い気もしますが、経済関係ではもっともポピュラーなGDPを基準にした1800年から予想を含めて2040年までの超長期のデータに基づく動画となっています。もうちょっとBGMに工夫があれば、という気もしますが、ご参考まで。

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2020年6月22日 (月)

第一生命経済研のリポート「インドネシア: 中銀は『財政ファイナンス』を厭わず政策運営はギャンブルの様相」やいかに?

先週金曜日の6月19日付けで、第一生命経済研から「インドネシア: 中銀は『財政ファイナンス』を厭わず政策運営はギャンブルの様相」と題するリポートが明らかにされています。先週木曜日の6月18日には同じ第一生命経済研のチリに関するリポートを取り上げましたし、何となく、やっぱり、3年間を過ごしたその昔の赴任地の状況は気にかかるものです。ということで、やっぱり、第一生命経済研のリポート、インドネシアに関するリポートを取り上げておきたいと思います。

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リポートから図1 新型肺炎の新規感染者数と死亡者数(累計)の推移 を引用すると上の通りです。先週木曜日に取り上げたチリと同じように、赤い折れ線グラフの死亡者数は累計ですので右肩上がりなのは当然としても、感染者数も一向に終息しそうな気配すら見られません。従って、我が家が3年間滞在した首都ジャカルタでは非常事態宣言を発令して移動制限や娯楽施設の閉鎖、公共交通機関の利用制限及び罰則付きの行動制限措置などロックダウンに加えて、ラマダン明けの帰省や国内外への旅行が禁止されるなど、国内外を対象に移動制限を課す措置が実施されました。今年のラマダンは4月下旬から5月23日の日没で明けたんではないかと記憶しています。
しかし、上のグラフに見られるように、5月下旬から6月上旬に感染者数の増加ペースが落ちたのを捉えて、6月初めから行動制限措置が一部緩和されたほか、中旬にはショッピングモールの営業が再開されるなど、経済活動の正常化を始めてしまい、移動の活発化を受けて足下の感染者数の拡大ペースはむしろ加速してしまったとのことです。その上で、リポートのタイトルにあるように、中銀が大幅な金融緩和策を取っているんですが、このあたりの評価は私とリポートではかなり異なるので、論評は控えておきます。

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2020年6月18日 (木)

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)になすすべなしのチリはどうなるのか?

私が在チリ大使館の経済アタッシェをしていたのは1991-94年ですから、もう30年近くも昔のことなんですが、そのころからチリは経済的には「中南米の優等生」とされていました。私のような左派・リベラルのエコノミストには決して快くはありませんでしたが、アジェンデ政権をクーデタで倒したピノチェト大統領のもとにシカゴ学派のエコノミストが集まって、ジャーナリストのナオミ・クライン女史のいうところの「惨事便乗型資本主義」でもって、メチャメチャな経済運営をしながら、銅という天然資源に恵まれて順調な経済発展を続けて来ました。
長らく、チリ経済についても注目されてこなかったのですが、一昨日の6月16日第一生命経済研から「チリ: 感染『第2波』直撃もなす術なし、事態収束の見通しはみえず」と題するリポートが出ていることを知りました。すなわち、昨年10月の地下鉄料金引上げをきっかけとした反政府デモが激化し、11月のAPEC首脳会議の開催が放棄された、ところまでは知っていましたが、加えて、12月のCOP25も開催できず、国際的な信認を失墜していた上に、さらにさらにで、世界を覆った新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の抑え込みにも失敗し、リポートでは、「中南米で政治の流動化が懸念される上、チリがその発火点となる可能性にも注意が必要である。」とすら指摘されています。

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チリでは3月にCOVID-19感染者が確認され、政府は感染封じ込めに向けて国境封鎖のほか市民の移動制限を実施した結果、4月下旬にはピニェラ大統領が「感染拡大のピークは過ぎた」と発言して外出制限の解除に踏み切ったんですが、外出制限が解除されたことで5月から感染者数が急拡大したため、再び5月中旬に首都サンティアゴなどを対象に強制的な外出制限を課す事実上のロックダウン措置を取ったものの、その後も感染拡大が収まっていません。上のグラフの引用元である第一生命経済研のリポートでは、タイトルでもそうなっていて、「第2波」と考えているようですが、私のようなシロートが上のグラフを見る限り、そもそも第1波も終わっていないのではないのか、とすら思えます。例えば、チリの累積の感染者数は約18万人と中南米地域ではブラジルの約89万人、ペルーの約23万人に次いで3番目となっていますが、ブラジルなんぞとは人口規模がケタ違いですから、人口対比では突出しています。
しかも、本格的な夏に向かう我が国などの北半球と違って、チリなどの南半球はこれから気温が下がって冬に向かい、まあ、日本でいえばインフルエンザが流行したりするシーズンに入るわけです。私が滞在したのは30年近く前のことですが、50年前の1970年9月の大統領選挙ではアジェンデ大統領が当選し政権に就いた歴史を考えれば、今年は50周年に当たります。果たして、チリはどこに向かうのでしょうか?

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2019年8月18日 (日)

アジア開発銀行による気候変動と災害のインフォグラフィックス!

昨週半ばに、大型の台風10号クローサが西日本を縦断した後、北海道にも接近しました。昨日今日と東京都心、すなわち、気象庁のある大手町でも最高気温が35度を軽く超えると報じられており、災害級の猛暑となっています。もっとも、ひと月ほど前、梅雨が長引いていた時期には、「冷夏が日本経済に及ぼす影響」なんて、今から後知恵で考えればアサッテの方向のリポートを出したシンクタンクもあり、私は軽く無視していたりしました。私が統計局に出向して消費統計を担当していた折など、猛暑は消費を喚起するひとつの要因と考えられていたんですが、今年の猛暑は、それほど長期間続くとは思えないものの、ひょっとしたら、日本経済にはマイナスではないのか、という気すらします。私ははなはだ専門外ながら、これも地球環境問題、気候変動のひとつの帰結なのか、と思わないでもありません。

ということで、アジア開発銀行(ADB)から、アジア太平洋地域における気候変動と災害 Climate Change and Disasters in Asia and the Pacific と題するインフォグラフィックスが明らかにされていて、以下の引用のような解説が加えられています。

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Climate change and disasters threaten the long-term sustainability of development in Asia and the Pacific. The region has experienced a significant increase in the number, intensity, and impact of extreme weather events such as tropical cyclones, floods, droughts, and heat waves. Geophysical hazards, including earthquakes and tsunamis, have also caused significant loss of lives and economic damage.

日本や韓国を除いたアジア新興国・途上国は、一般に緯度が低く、それだけに気温が高くて暑さが厳しいのは容易に想像されるところであろうと思います。引用した解説にも、サイクロンや洪水、干ばつといった災害と並べて、「熱波」heat waves という表現があり、20年近く前まで一家でインドネシアの首都ジャカルタにいた時のことを思い出してしまいました。ちょうど今ごろ、7~8月は「草木も枯れる」といわれたジャカルタの乾季の中でも、暑さのピークだったような記憶があります。でも、我が家がいたころには、ジャカルタで35度を超える日はほとんどなかったんではないかと思います。

どうでもいいことながら、久し振りに、海外生活の思い出のブログに分類しておきます。

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2017年4月 2日 (日)

チリからのワイン輸出の大半は我が国へ!

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金曜日の3月31日付けのチリの首都サンティアゴで発行されている高級日刊紙 El Mercurio で、今年1-2月のスパークリング・ワイン輸出の記事が出ていました。上のグラフは El Mercurio のサイトから引用しています。"vinos spumantes" ですから、いわゆるスパークリング・ワインです。そして、記事では今年のスパークリング・ワイン輸出は+30%増が見込める、という気に早い予想で、上のグラフはスパークリング・ワインだけですが、スパークリングでないものも含めて、チリからのワイン輸出の大きな部分は日本向けです。私が在チリ日本大使館に勤務していたのは、25年ほど前の1990年代の前半ですが、そのころはチリ・ワインの日本向け輸出がようやく始まったばかりでした。今年は日本の景気も回復基調にあり、チリからのワイン輸入も増加するのかもしれません。私は50代後半の最近になって少し酒を飲むようになり、チリ・ワインも楽しんでいます。

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2015年2月 2日 (月)

チリのカトリック教徒はフランシスコ法王をどのように見ているか?

私は1990年代前半に南米チリの首都サンティアゴにて3年間の独身生活を日本大使館勤務の経済アタッシェとして過ごし、さらに、2000年から3年間家族4人でジャカルタに赴任しています。宗教的なマジョリティでいえば、チリはカトリック教国でインドネシアはイスラム教国です。ということで、2年ほど前の2013年3月14日付けのエントリーでは、カトリックの法王に南米アルゼンティン出身フランシスコ1世が就任したことを取り上げましたが、クリスマスからこの年末年始にかけて海外の友人と旧交を温めていたところ、フランシスコ1世は必ずしもチリで評判が高くない、と聞き及んでしまいました。知り合いが証拠として示すに、このブログでも時折取り上げているピュー・リサーチ・センターによるフランシスコ法王のイメージ調査の結果 Pope Francis' Image Positive in Much of World を知りました。昨年12月11日付けで発表された古い情報ですが、なかなか興味深い内容を含んでいますので、簡単に取り上げたいと思います。

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まず、上のグラフはピュー・リサーチのサイトから引用していますが、フランシスコ法王は世界から概して好意的に受け止められているようです。もちろん、好意にも濃淡はあり、カトリックに限らずクリスチャンが多い欧米からはより好意的な見方が示される一方で、中東では見方が拮抗しています。宗教的な人口構成が違うんですから、この程度の差は当然に生じ得ると考えるべきです。

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次に、上のグラフはピュー・リサーチのサイトから引用していますが、今度の結果は地域別ではなく国別にカトリック教徒と非カトリック教徒に分けて結果が示されています。当然ながら、どの国でもカトリック教徒からはより好意的に、非カトリック教徒からはそれほど好意的ではなく見られている法王ですが、その差が大きい順にソートしてあります。私が着目したのは、一番左の列で、カトリック教徒の間でのフランシスコ法王の見方であり、好意比率が80%を下回っているのはチリとガーナだけだったりします。法王の出身国であるチリの隣国アルゼンティンではこの表の中で最高スコアの98%をたたき出しているんですが、その隣国のチリではガーナに次いで低い比率を示しています。長らくチリに外交官として暮らした経験から、もちろん、長大な国境線を有する両国では国境紛争も絶えませんし、チリ人の隣国アルゼンティンに対する何らかのコンプレックスというか、必ずしも友好的でない感情が、ここに出てしまっているのではないか、と感じずにはいられません。

島国の日本ではなかなか想像しがたく、長い国境をもって接する大国でしか見られないとは思いますが、とても興味深い近隣国への感情だという気がします。

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2015年1月28日 (水)

博報堂「アジア14都市における和食・日本酒・緑茶の浸透度 (経験度)」にみる和食の経験度やいかに?

ひと月余り前の昨年2014年12月19日付けのこのブログのエントリーでホットペッパーによるアンケート調査を取り上げ、日本食を楽しむことが我が国への観光のひとつの眼目になっているとの結果を紹介しましたが、一昨日の1月26日に博報堂から観光で日本に来る外国人ではなく、主としてアジア各国の現地における日本食事情に関するリポート「アジア14都市における和食・日本酒・緑茶の浸透度 (経験度)」が公表されています。まず、博報堂のサイトから調査結果のポイントを3点引用する以下の通りです。

アジア14都市における和食・日本酒・緑茶の浸透度 (経験度)
  1. 食べたことがある和食は寿司がダントツ1位。次いで高いのはラーメンと天ぷら。
    和食経験は台北、香港、ソウルが突出。次いで高いのはシンガポールとメトロマニラ。
  2. 日本酒経験はアジア12都市計12.5%にとどまるものの、香港とソウルは40%前後。
  3. 緑茶の飲用経験は、アジア14都市計で52.2%。
    台北、香港、中国3都市、ソウルは70%以上。バンコクとシンガポールは60%強。

と言うことで、今夜のエントリーではこの博報堂の調査結果と全文リポートのpdfファイルから図表を引用しつつ、簡単に紹介したいと思います。

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まず、上のグラフはアジア14都市における食べたことのある和食に対する回答結果です。寿司が群を抜いてトップになっていますが、12月19日付けのエントリーで取り上げたホットペッパーの調査結果と整合的に、ラーメンが2位に食い込んでいます。また、12月19日付けのエントリーでは11位に焼きうどんが入っていたんですが、博報堂の調査結果ではうどんが堂々の4位となっています。なぜか、カレーライスは入っていません。選択肢に入れ忘れたのかもしれないと勘ぐったりしています。都市別に見ると、食べたことのある和食メニューの合計値で、台北、香港、ソウルが突出しており、シンガポールとメトロマニラの東南アジア都市がこれに続いています。

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次に、上のグラフは、最近3か月間に日本酒を飲んだことがあるかどうかとの問いの結果です。アジアからは12都市にとどまっており、宗教上の理由からジャカルタとクアラルンプールは除かれています。また、シンガポールの一部も入っていません。イスラム教は飲酒を禁じているからです。1位香港、2位ソウル、3位台北は和食の経験度でもトップスリーでしたから、日本の食文化を広く取り込んでいるのかもしれないと受け止めています。

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最後のグラフは、最近1年間の緑茶の飲用経験を問うた結果です。なぜか、日本酒が最近3か月で、緑茶が1年なんですが、この期間の設定は私にはよく理解できません。それはともかく、緑茶については中国系の都市が上位を占めています。これは分かる気がします。アジアの都市ではないんですが、ニューヨークとサンパウロに着目すると、日本酒ではサンパウロのほうが経験度が高かったんですが、日本酒ではニューヨークが逆転して3人に1人とかなり割合が高くなっています。最近の流行だったりするんでしょうか?

1月20日に政府観光庁から発表された「訪日外国人消費動向調査」によれば、2014年における1人当たり訪日外国人旅行消費額は前年比+10.7%増の15万1,374円、また、その総額は前年比+43.3%増の2兆305億円と推計され、どちらも過去最高額と推計されています。私は日本が世界に誇る文化はアニメであり、すなわち、ドラえもん、ポケモン、ガンダム、ジブリ作品だと長らく思っていたんですが、日本の食文化もアジアや世界の売れ筋なのかも知れません。あんまり関係ありませんが、久し振りに「海外生活の思い出の日記」に分類しておきます。

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